2021年10月21日発売
大学2年生のあさひは、母親のことが大好きだ。…でも最近、その気持ちもよくわからない。ある日、あさひは同級生の男の子と、母親にも言えない秘密を抱えてしまう。幼い頃の記憶と繋がり明らかになる、家族の真相。追い詰められたあさひがとる衝撃の行動とはーメフィスト賞受賞第1作!
医師が殺された。被害者は三年前に起きた強姦事件の加害者の一人。殺された医師が拷問とも思える傷を受けていたことが分かり、捜査一課の陽山承と真壁剛は、解剖医である楠衣春の協力を得ながら事件の真相を追う…。
中学で登校拒否になった沙羅は、一年遅れで入学した通信制の高校で幼馴染だった万葉に再会。読書好きの万葉に読書の楽しさを教えられ、自分なりに本を読むように。一方で、大学に進学した万葉は、叔父さんの古本屋を手伝いながらも将来に迷いを感じていたー。宮沢賢治「やまなし」、伊藤計劃「ハーモニー」、福永武彦「草の花」など、実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。
240万「いいね!」をInstagramで集めた著者の、心を癒し元気にしてくれるエッセイ! この本は、韓国で2017 年に刊行されて以来、ロングヒットを続けています。 著者は“エピソードを読む女” の名で知られ、SNS で絶大な人気を誇り、計120万人以上ものフォロワーを獲得しているアーティスト。 本書には、この世に存在するだけで美しい、ありのままの自分を認めて大切にするためのメッセージが紹介されています。つらい記憶や心のモヤモヤ、悲しみや怒りといったネガティブな感情までをも丁寧に振り返り、正直に表現した文章は、「私のことみたい」「自分でもよくわからなかった気持ちを言語化してくれた」という読者の共感を得ました。 仕事や恋愛、人間関係に疲れたとき、人生に行き詰まったとき……。くじけそうな日にそっと背中を押して、もう一度がんばる勇気をくれる言葉が、この本にはぎっしり詰まっています。
2029年、科警研で情報科学を研究する逆神は、警察庁副長官の木戸から三つの異なる事件の検証を命じられる。いずれも日本海側の各県で起きた奇妙な事件だが、一見すると何の繋がりも脈絡もないものだった。逆神は自らが率いる情報科学第四研究室をあげて解明に挑むものの、それは、東アジアの安全保障をも脅かす危機の端緒にすぎなかったー。現役AI研究者にして直木賞候補の著者が活写する次世代警察小説。戦争と犯罪の境界がなくなった近未来、AI捜査を武器に、敵対国家、テロリスト、犯罪者を取り締まる「超知能警察」が誕生した!
気鋭の歴史学者とその弟子の学生が立ち寄った場末のバーには、美人バーテンダーと歴史学者を自称する常連客の老人がいた。なんてことはない会話から歴史推理合戦がはじまり…。今回も徳川埋蔵金の在りかから天草四郎の正体、応仁の乱の真実など「歴史の常識」を覆す新説・奇説が披露される。そして、美人店主と常連の老人の怪しい関係にも意外な結末が!?好評を博した連作歴史ミステリー小説、待望の第二弾!
ゴールド・ラッシュに翻弄された人間の悲哀「ウタ・ヌプリ」(『時代小説ザ・ベスト2021』収録作)。新天地・樺太への玄関口が、静かに見守る親子の情愛「稚内港北防波堤」。戦争に躍らされた炭鉱の末路と、ささやかな希望「小さい予言者」(表題作)など、全五編。
新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務となったあなた。実は…(「二週間後の未来」)。ひとりの男の死を巡り、各々が知っていることを話すのだが…(「俺の話を聞け」)。財布を取り戻してくれた女性に、あたしは良い機会だと話しかけるが…(「それは財布からはじまった」)。友人の結婚式で新婦が逃走。なぜそうなったのか気になった僕は…(「きみのための探偵」)。「俺の話を聞け」-その後どうなったのか。真実がここに(「真実」)。この世の中をいち早く描いたミステリ「二週間後の未来」ほか、どんでん返しを含む、ドライでダークでアイロニカルなミステリ集。
竹から生まれたかぐや姫。竹取のシゲと幸せに暮らしていましたが、ある日シゲの子分であるヤスの家から出火し、焼け跡からヤスが刺殺体で見つかりました…(「竹取探偵物語」)。怠け者のくせに欲張りな惣七じいさん。米八じいさんが金銀財宝をもらった話を聞き、自分もねずみの穴に転がっていきますが、何回も何回もループして…(「七回目のおむすびころりん」)。暮らしに絶望していた半太。観音様のお告げで、1本のわらしべを手に西に向かい、出会う人々と物々交換をしますが、その人々はある事情を抱えていたのです…(「わらしべ多重殺人」)。あまりにも有名な猿と蟹の戦い。いじわるな猿が蟹に柿の実を投げ付け蟹は死んでしまいますが、実はこの話、とんでもない真相があったのです…(「真相・猿蟹合戦」)。茶釜に化けて、アクロバティックな演技を披露する狸の茶太郎。この茶太郎、「かちかち山」でうさぎに火をつけられた狸と兄弟だったことはご存じでしょうか…(「猿六とぶんぶく交換犯罪」)。昔ばなし×ミステリ第2弾!今回も、読めば必ず誰かに話したくなる、驚き5連続の短編集。
正義感の強い青年・工藤秀吾は、北海道の港町で行われる水産加工の夏季限定アルバイトに参加した。集まった6人の男女とともに、宿舎で寝食を共にしながら、大量の魚を捌く日々。そんなある日、アルバイトのリーダー格の男が遺体となって見つかる。通報しようとした工藤に「警察を呼ばないで」と懇願し、携帯電話を奪ったのは、最年少アルバイトの佐藤真里だった。工藤は他のバイト仲間に通報を求めるが、誰も自ら警察を呼ぼうとしない。死んだ男の荷物から脅迫状が見つかってもなお、まともに取り合おうとしない。この宿舎にいる者達には、それぞれひた隠しにしている秘密があるようで…?息もつかせぬ展開が待ち受ける、著者渾身の衝撃作!
正義か?出世か?愛娘か?がんじがらめの刑事、極限の選択。強盗を取り逃がしたうえに、娘は家出。さらには警官殺しと内部の不正に対峙することに。このダイ・ハードな刑事の生き様が、最後の1行まで熱く、心に刺さる。
真のスポーツマンシップは戦争の現実にふれて戦慄した。「戦争はスポーツとは違う…」隅田川とスンガリー川。ふたつの川のあわいに生きた元祖ラガーマンの数奇な生涯を描く、大河長編小説!
膨大な文業のなかに埋もれていた「社会派」短篇の名篇を発掘。高度成長期に隠された人間の悲哀を描く傑作選!野口冨士男の水上勉論「慕情と風土」を収録。
中世の価値観からパラダイムシフトする魔王の正体とは?織田信長の人格が、時代の変遷とともに、比較的短いスパンでも、明らかに変容していることに気付かされた。