2021年10月発売
最後の最後で読者がそれまで見てきたものとは違った景色を提示する「どんでん返し」。前作『最後のページをめくるまで』で見せた鮮やかなどんでん返しを、本作でも再び実現! 「俺の話を聞け」から「真実」まで全五編を収録した驚きの短編集。
日本昔ばなし×本格ミステリふたたび! 2019年4月に刊行されるやいなや瞬く間にベストセラーとなった『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編が誕生。今回収録されたのは、「かぐや姫」「おむすびころころ」「わらしべ長者」「さるかに合戦」「ぶんぶく茶釜」の5編。果たしてこれらの昔ばなしがどんなミステリになったのか。各作品を通してのテーマが隠されており、それぞれのつながりも楽しい短編集です。
季節バイトをしに北海道に集まった七人の男女。ある晩一人が遺体となって見つかり、荷物から脅迫状が発見された。警察を呼ぼうとした工藤秀吾は、携帯電話を他のアルバイトに奪われ、通報を反対される。どうやらこの場の人間は、こぞって警察を避ける理由があるようで……。一夜にして世界が反転する、驚愕のサスペンス!
金沢東部署刑事課長の比留は公私ともにがんじがらめの大ピンチ。妻を病気で亡くし、娘は高校を不登校。強盗犯を取り逃がして人事で左遷も確定していたが、管内の駐在所員が撲殺される事件が発生。その犯人は逃亡した強盗と同一犯だと比留は気づき、極秘捜査を開始。不運だけど悪運の強いデビル刑事・比留が疾走する骨太の警察小説。
大正十一年(1922年)、四代目・秋津染吾郎は京都からはるばる東京へとやって来ていた。目的は、退魔の名跡・南雲家主催のパーティーに参加するため。南雲は秋津と同じく鬼を討つことを生業にしてきた一族だが、大正の世に入りきな臭い動きを見せていた。帝都・東京を舞台に、暗躍する鬼たちと人々の戦いを描く大正編が開幕! 大人気和風ファンタジーシリーズ第八巻。
明治生まれの元祖ラガーマン・倉山伊左男は、家業である日本橋の麻袋問屋を継いで、やり手のビジネスマンとして中国東北部などに出張を繰り返していた。 時は大東亜戦争の最中。現地で日本軍・731部隊を知った伊佐男は、そのあまりに非人道的な存在にショックを受け、脳溢血で倒れてしまう。 駆けつけた妻や部下に助けられて帰国、そこから倉山家にとっての真の戦後が始まった……著者の親族の実体験に材をとり、戦争の悲惨と真のスポーツマンシップの有りよう、また戦後を生き抜いた「ある家族の肖像」を描いた自伝的長編大河小説 第一章 隅田川のほとりから 第二章 皇太子誕生、さらに誕生 第三章 好景気とともに 第四章 大連山縣通り 第五章 大東亞戰争 第六章 惜別 第七章 新社長として 第八章 スンガリーのほとり 第九章 ああ 我が社のマータイ 第十章 鴨緑江を越えて 第十一章 最後の連絡船 第十二章 鎌倉長谷の家 第十三章 敗戦 その八月 第十四章 冬の別れ 第十五章 和田塚の家 第十六章 芸術のため、とは 第十七章 日暮しの声遠く 第十八章 東京オリンピック 家系図と登場人物 あとがき 参考文献
水上勉は時代と土地から逃げおおせた人を書かない。搾取する側にまわる人を書かない。--角田光代 膨大な文業のなかに埋もれていた「社会派」短編の名篇を発掘。 高度成長期に隠された人間の悲哀を描いた名品の数々。 全集・単行本未収録作を含む社会派短編小説傑作選、第一弾! 巻末には詳細な解説と、野口冨士男の水上勉論「慕情と風土」を収録。 刊行にあたって 大木志門 序 時代と場所と水上勉 角田光代 雪の下 西陣の蝶 無縁の花 崖 宇治黄檗山 うつぼの筐舟 奥能登の塗師 真徳院の火 慕情と風土 野口冨士男 解説 掛野剛史
中世の価値観からパラダイムシフトする魔王の正体とは?織田信長の人格が、時代の変遷とともに、比較的短いスパンでも、明らかに変容していることに気付かされた。
芥川龍之介は、大正11年1月、雑誌「新潮」に短編小説『藪の中』を発表しました。 一般に、事件の真相がはっきりしないことを、この小説の題名や小説の中の犯行現場が藪の中であることからか、「真相は藪の中」などと言われています。 この小説の中の真相は何であったのか、犯人はいったい誰であるのか、そして、作者芥川龍之介はこの小説を通じて読者に何を伝えたかったのか。これについては、過去、主に文学関係者を中心に数多くの論評があります。 この小説の特異な点は、多襄丸、真砂、武弘のいずれもが、他人に罪をなすりつけているのではなく、自分が犯人である、と述べているところです。ここに注目しなければなりません。 著者は、かつて検事として刑事事件の捜査と裁判に携わってきました。しかし、芥川のこの作品の構成は緻密であり、言葉の表現も含めてしっかり計算されて書かれたものであることが分かります。 そこで、『藪の中』の真相が何であったのか、誰が犯人か、なぜ自分がやったとあえて嘘をついたのか、芥川はこの作品で何を伝えようとしていたのか、について、著者なりの解釈を順に説明していいます。 はじめに 第一章 関係者の話の概要 第二章 当事者の話の信用性判断基準 第三章 真相についての考察 第四章 作者の真意について
“体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲は、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃんと暮らしている。幽霊や怪談、呪いや祟り、オカルトや超常現象。両親を事故で亡くした日から、三咲はそんなあやふやなものに頼って生きてきた。カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが、いまの三咲の目標だ。 ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。“本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれてーー。 選考委員の絶賛を浴びた第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作。
源義朝が平清盛に滅ぼされて二十余年。遺された源氏の子らは、武士という存在の意味を求め、強大な平氏を滅ぼさんと立ち上る。帝の軛を離れ、武士の国を創ろうとする源頼朝。帝とともにあろうとする源義経。二人の狭間にあって、源範頼はただ友を守るため、兄を、そして弟を殺すべきか、その答えを探しに天朝始まって以来最大の戦いに身を投じる。
東京から四国の町へ転校してきたはるなは、クラスの男子たちにからかわれ、うんざりする毎日を送っていた。でも、ある日訪れた洞窟で、何やら不思議なおじさんに出会って…タイムスリップした小学生の成長を描く、心おどる青春小説。
穏やかな気候で知られる静岡県興津。この地で晩年を過ごし、最期の日を迎えた西園寺公望は、日本が西欧列強に肩を並べようと全速力で駆け抜けた明治という時代から、内閣総理大臣、パリ講和会議の全権大使など政府の要職を歴任。国の中枢で活躍した大政治家としてその名が知られる。民を思い、国を憂えた「最後の元老」は、いかにしてその生涯を閉じたのか。興津にたたずむ「坐漁荘」の女中頭、漆葉綾子との交流を軸に、西園寺公望の知られざる素顔に迫る。
役立たず扱いされ村を追い出された少年レクス。王都で親切な貴族フィアに拾ってもらった彼は、魔法学園入学の資金を稼ぐため、日常のどんな動きでもスキルになる謎能力『日常動作』を頼りに冒険者を始めることになる。数ヶ月後、資金を貯め試験を突破したレクスは魔法学園に入学した。錬金術の授業では超レアアイテムを錬成し、魔法薬学の授業では伝説の秘薬を生み出すなど、スキルを活かし大活躍!ひょんなことから王女殿下とも友人になり、順風満帆な学園生活を送る。しかしその裏で、フィアが魔物の討伐任務に向かったまま戻ってこない緊急事態が発生。助けに向かうレクスだったが、待っていたのは古より伝わる最凶最悪の魔獣でー!?
シリーズ累計135万部突破! 冴えないおっさんによるVRMMOファンタジー第24弾! 厳しい修業と旅の日々を終えたアースは、心と体を休めながら新エリアの開放を待つ。冒険の集大成である新装備が完成し、選りすぐりの猛者達に計画を打ち明けた頃、ついにその日はやってくる。友好を装う有翼人が支配する空の世界で、多くのプレイヤーが未知を追い求める中、アース達は秘かに敵の情報を集めていく。仕掛けられた醜悪な罠にもめげず、深く静かに計画は進むーー究極装備を身に纏い、秘密のスパイ大作戦! 冴えないおっさん、VRMMOファンタジーで今日も我が道を行く!
土魔法のスキルを授かったことをきっかけに辺境伯家を追い出され、僻地のボーダ村の領主に任命されたエクト。しかし彼は、誰も思いつかないような土魔法の使い方で、城塞都市と呼ばれるまでにボーダを発展させていく。順調にボーダを大きくするエクトに、ある日、事件が起こる。貴族審議会で成立した特別税に反対したという理由で、ボーダを没収されてしまったのだ。新しい領地は未開発の森林と山々だけと、更なる辺境に追いやられてしまったエクトだったがーー山頂に作り上げた長城のおかげで、帝国との戦争で大活躍!? ハズレ魔法が巨大帝国の陰謀を阻む!
和やかもふもふファンタジー第2弾! 神の手違いで亡くなった少年は、お詫びとして加護をもらい、異世界の侯爵家次男・ジョーディに転生した。周囲に愛されて育った彼は、家族旅行の途中で起きた事件をきっかけに、野生の上級魔獣達と運命の出会いを果たす。そして、彼らを家族の一員として迎え入れ、祖父母の家に一緒に遊びに行くのだった。そんなジョーディを狙う、謎の男達がいた。彼らは危険な上級魔獣すら懐いてしまう少年を手に入れようと、一計を案じる。ある日、庭先で遊んでいたジョーディの前に、魔法陣が出現。魔獣達と共に恐ろしい魔法をかけられてしまいーー!?