2021年11月26日発売
“赤ちゃん嫌い”のアリスーー 心の奥にしまい込まれた涙と愛。 アリスは元夫に階段から突き落とされ、お腹の子を失った過去があった。 そんな彼女は今、伯爵家の末裔で理解のある城主のもと古城に暮らし、 自分と同じく傷つけられた女性たちの手助けをしていた。 だが城主が急逝し、新城主リーアムの登場に、アリスは不安を抱く。 前伯爵の婚外子であり大富豪でもある彼にとって、 行き場のない女性たちを追い出すことなど造作もないことかもしれない。 案の定、彼は城を大々的に造り変えると言いだした。 一触即発というそのとき、二人はクリスマスツリーの下に 置き去りの赤ん坊と、驚くべき書き置きを見つけた! 〈この子の名はジェイミー。アリスとリーアムに託します〉 小さな命の喪失と悲しみを身をもって知り、赤ちゃんを避けるように生きてきたアリス。けれども、突如現れた捨て子の面倒を見たいという気持ちが不思議と湧いてくるのでした。そして、リーアムもまた、思うところがあり、一緒に子育てをしたいと申し出て……。
いつか温かな家庭を持つのが夢── でも、愛したのは永遠の愛を拒む富豪。 30歳の誕生日を目前に控えたアイヴィーは悩んでいた。 奔放な母の影響で男性不信になり、心を閉ざしてきたけれど、 このままでは愛も結婚も子どもも望めない。 ふと兄の親友でプレイボーイの建築家、ルイの顔が浮かんだ。 勇気を出して彼に純潔を捧げ、新たな一歩を踏みだせたら……。 親友の妹の懇願をルイは訝りながらも受け入れ、別荘へ伴うと、 一夜かぎりと約束して、アイヴィーを甘美な炎で包みこんだ。 翌朝、ルイが目覚める前に彼女はうろたえ、逃げだした── “本当は彼を愛しているのでしょう?”心の声に耳をふさいで。 ヒロインの気持ちに寄り添い、丁寧に機微を綴るメラニー・ミルバーン。今作も読みごたえのある作品に仕上がっています。ヒロインに惹かれながらも、親友の妹ゆえ自制してきたヒーローでしたが、一夜の余韻が冷めやらず、彼女を追ってパリへ向かい……。
寒く寂しい聖夜になるはずだった。 まさか愛に出会うなんて。 カトリオーナは心を病んだ兄の療養を支えるため、 クリスマス間近、イングランド北部の海沿いの町へ越してきた。 ある日出先で吹雪に遭った彼女は、一晩ホテルに泊まることに。 ベッドに入ったとき、ふいに見知らぬ大柄な男が入ってきて、 ここは自分の部屋だと言うと、隣でさっさと寝てしまった。 なんて人なの……! 信じられない思いで男を見つめる。 寝顔すら精悍な男の、静かに上下する逞しい肩と胸ーー いつしか寝入った彼女が目覚めたとき、彼はもういなかった。 まさか彼が兄の共同経営者で、再び出会うことになろうとは。 ブレットの無防備な寝姿が蘇り、彼女の胸が激しく高鳴った。 ハーレクイン・マスターピース《特選ペニー・ジョーダン》。1985年初版の、シェトランド地方を舞台にしたクリスマス・ロマンスをお贈りします。兄の共同経営者となったブレットは、寡黙ながらも裕福で大人の魅力を放つ男性。カトリオーナには興味がないようで……。
大陸一の帝国を背負う皇子ファウダーの悩みは、お妃選びだった。ふたりのお姫さまから決めねばならないが、どちらも素晴らしい女性であり、それぞれの魅力に溢れている。帝国の発展にも有益な彼女たちだが、いちばんの悩みは、どちらも最高にファウダーを癒やしてくれる存在だということで…。
ブラック企業に勤めるヒロは、ある日異世界に転生してしまう。貴族の少年として大事に育てられていたが、13歳の成人の日に授かったのはまさかの“ハズレ”スキルで…!?家族から失望され、ヒロは手のひら返しで領民0の辺境領地に追放されることに…。しかしその道中、ヒロのスキル『ガチャ』が発動!レジェンドレア・神龍の卵を引き当てたことで事態は一変するー「こんなすごいスキルみたことない!」荒れ果てた領地には、伝説の神龍をはじめ、古代龍や猫耳戦士など最強の領民たちが続々と集結!しかもガチャスキルによって、農作物の成長速度も3倍になっておりー!?規格外のスキルを持つヒロは、周囲からの尊敬を集め、領主としての評価もうなぎ上りに。一方その頃、故郷では、ヒロがいることによって受けられていた加護を失い、困り果てていて…。追放されたはずが最強領地を作り上げてしまった少年の、とんでも内政無双開幕!
無能のレッテルを貼られて勇者パーティーから追放されたフォンの職業は、世界でも珍しい“忍者”。だが、陰のサポートに回り続けた彼の秘めた力は、実はバケモノ級だった!?驚異的な身体能力、ずば抜けた分析力、そして魔法をも凌駕する忍術。弓使いのソロ冒険者・クロエや戦士のサーシャなど、新たな仲間と共にフォンはハイランク任務を楽々とこなしていく。一方、彼が抜けことで壊滅状態に追い込まれた勇者パーティーは、「もう一度パーティーに戻してやる」と声をかけてくるが…?
限定150部の幻の豪華本『マルメロ草紙』を新たな装いで刊行。二十世紀初頭の巴里を豪華絢爛に蘇らせた傑作耽美小説!時は二十世紀初頭の巴里。ブーローニュの森近くの瀟洒な屋敷で暮らす大実業家エミール・ボナストリューと慎ましやかな夫人のシャルロット。その妹で、貞淑な姉とは対照的な生き方を求め、華やかなパリで女優を目指すナディーヌ。アールデコ様式全盛の時代、煌めきに満ちた女性たちの甘酸っぱく、香気に満ちた物語。
活動写真の先駆者(パイオニア)たち。 「そや、喪が明けたときにすぐにでも公開できるよう会場を押さえとかなあかん」 このときの判断が後々、日本映画史に確固たる足跡を残すことになった。 明治29年(1896)、大阪。 本邦初の映画が、難波で上映された。 ヴァイタスコープ、シネマトグラフ……映写機初輸入秘話。 ときおり小雪の舞う寒い日だった。和一はしかし、そんな天候とは逆に早朝から体を火照らせ、夜の実験試写をいまかいまかと待ち遠しく思っていた。……これから日本を支える若い世代に、世紀の発明品をしかと目に焼きつけてもらいたかったからだ。(本文より)
ボルヘスやビオイ・カサーレスに高く評価され、「アルゼンチン文学の秘宝」とも称された短編小説の名手シルビナ・オカンポは、日常生活に隠された不思議から奇想天外な物語を引き出した。幻想的リアリズムの頂点をなす怪奇短編集『復讐の女』と『招かれた女たち』の全78篇を収録。本邦初訳。 日常的儀礼の内側に存在する魔法や、鏡には映らない禁断の顔、秘密の顔をこれほど見事に捉えた作家は、他に誰も思いつかない。 ──イタロ・カルヴィーノ シルビナ・オカンポの詩と短編小説が読者に暴き出す世界は驚異的なほど豊かな光を放つ。 この豊かさは語彙の産物ではなく、繊細で明敏な感受性に由来する。 ──ホルヘ・ルイス・ボルヘス シルビナは必然的とさえ言えるほどの独創性を備えていた。 ──アドルフォ・ビオイ・カサーレス 日常生活の小さなホラーに目を留める作家は少なく、日々の不思議に目を向ける作家はもっと少ない。 これほど知的で優雅なユーモアを添えて両者を記録した作家は、時代や言語を問わず、シルビナ・オカンポ以外に誰も思いつかない。 ──アルベルト・マングエル ボルヘス、ガルシア・マルケスと並び、シルビナ・オカンポはスペイン語圏をリードする作家だ。 ──ジョルジェ・アマード ■復讐の女 金の野兎 続き 病 後裔 砂糖の家 時計の家 ミモソ ノート 巫女 地下室 写真 マグシュ 土地 品々 私たち 復讐の女 引き出しに紛れ込んだ手紙 死刑執行人 黒アサバチエ玉 最後の午後 ビロードのドレス レオポルディーナの夢 周波 結婚式 女性患者と医師 電話の声 罰 お祈り 創造(自伝的物語) 吐き気 快楽と罰 友達同士 天国と地獄の報告 絶滅しない人種 ■招かれた女たち あんな顔つきだった 雄牛の娘 脱走 ベッドの下の手紙 現像 アメリア・シクータ 黒雑貨屋 階段 結婚式 科学の進歩 幻視 寝床 煙の輪 檻の外 イシス 復讐 シビュラの恋人 モーロ エクアドルの不吉な男 魔法の医師 近親相姦 手の平の顔 愛人たち ティルテ温泉 地下生活 鬘 贖罪 亡霊 マルメロの牝鶏 セレスティーナ イセラ 完全犯罪 結び目 愛 致命的罪悪 ラダマンテュス 穀物倉庫 刻印の木 別れの手紙 魔法のペン ポルフィリア・ベルナルの日記 ミス・アントニア・フィールディングの話 招かれた女たち 石 アドラーノ寺院のマスチフ犬 シルビナ・オカンポ(1903–93)年譜
王位継承争いにも一応の決着がつき、ひとまず女中業に専念しつつ、経理・諜報も合間にこなすコニー・ヴィレ。その間も気になるのは、この争いの裏にいると思しき異形の影ーーと、最近〈求愛〉の意思を明らかにして毎日のように会いに来る義兄の存在。あくまで義妹の立ち位置であしらうものの、リーンハルトの方は恋敵である経理室長の接近に焦りを覚えていてーー。「私の義妹に何を言ってるんだ君は!」「彼女への頼み事に〈義兄〉の許可はいらないだろう」目の前で喧嘩を始める男二人に、枯れ女子コニーの反応はいかに? そしてそんな日常に浸食していく不穏な影の企みとはーー? 大人気ヒロインの快進撃、待望の第4巻!