小説むすび | 2021年11月26日発売

2021年11月26日発売

赤い十字赤い十字

ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ推薦! 「デビュー後すぐに“真剣な"文学作品を描きはじめた稀有な作家」 青年が引っ越し先のアパートで出会った、90歳の老女。 アルツハイマー病を患う彼女は隣人に、自らの戦争の記憶を唐突に語り始めた。 モスクワの公的機関で書類翻訳をしていたこと、捕虜リストに夫の名前を見つけたこと、 ソ連が赤十字社からの捕虜交換の呼びかけを無視していたことーー ベラルーシ気鋭の小説家が描く、忘れ去られる過去への抵抗、そして未来への決意。 【著者略歴】 サーシャ・フィリペンコ 1984年、ベラルーシのミンスク生まれ。サンクトペテルブルグ大学で文学を学ぶ。テレビ局でジャーナリストや脚本家として活動し、2014年に『理不尽ゲーム』で長編デビュー、「ルースカヤ・プレミヤ」(ロシア国外に在住するロシア語作家に与えられる賞)を受賞した。『赤い十字』は4作目にあたる。 現在も母国を離れて執筆を続けており、ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチからも高く評価されている。 【訳者略歴】 奈倉有里 (なぐら・ゆり) 1982年東京生まれ。ロシア国立ゴーリキー文学大学卒業、文学従事者の学士資格を取得。東京大学大学院博士課程満期退学。博士(文学)。2021年、博士論文が東京大学而立賞を受賞。著書に『夕暮れに夜明けの歌を』(イースト・プレス)、訳書にミハイル・シーシキン『手紙』、リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』(以上新潮クレスト・ブックス)、ボリス・アクーニン『トルコ捨駒スパイ事件』(岩波書店)、サーシャ・フィリペンコ『理不尽ゲーム』(集英社)など。

女優M子 宮城まり子と吉行淳之介女優M子 宮城まり子と吉行淳之介

著者

吉川良

出版社

集英社

発売日

2021年11月26日 発売

2020年2月、83歳の誕生日を迎えた「私」の耳に、どこからか「ゲームセット」という声が聞こえてくる。 「そうか、自分の人生、もう、ゲームセットなんだな」改めてため息をつくと、十数年前、宮城まり子が電話で同じように語ったことを思い出した。 「ときどきね、もうゲームセットだなあって、そう思ってね…」 その夜、「私」は自分の部屋を、バー「たられば」と名づけてみた。以来、記憶の糸をたぐりながら、夜ごと、架空の仲間たちとともにひとり酒をたしなむようになる________。 昭和〜平成〜令和と生き抜いた著者が、バー「たられば」に現われる懐かしい人々との交友を鮮やかに描きつつ、「人を愛するとは?」「やさしさとは?」「家族とは?」…、人生の命題を静かに問いかけてゆく。 宮城まり子の笑顔の向こうに、「私」が見た風景とは? 清冽で、ヒューマニズムあふれる名作中編。 【著者略歴】吉川 良(よしかわ・まこと) 1937年、東京・神田生まれ。作家。大学在学中より、バーテンダーとして各地を転々。また、薬品会社で営業職のかたわら、コピーライターとしても活躍。78年『自分の戦場』で、第2回すばる文学賞受賞。翌79年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で2度目、80年には『神田村』で3度目の候補となった。その後は、プロ野球や競馬にまつわるさまざまな人間模様を独自の視点で描き、多くのファンの支持を受ける。99年『血と知と地・馬・吉田善哉・社台』で、JRA馬事文化賞を受賞。以後も、人間味あふれる視座で、新聞・雑誌のコラムやエッセイ、評伝などを描き続け、根強い人気を誇っている。 【協力】 ねむの木学園

伯爵と古城の乙女伯爵と古城の乙女

中世さながらの古風な乙女は、 伯爵に導かれ、華麗なロンドン社交界へーー マデリンは筋金入りの中世研究者である父のもと、 すべてが中世のまま時が止まったような生活をしてきた。 だが父が亡くなり、要塞のような城に一人きりになった彼女には、 父が生前に計画していた政略結婚の道だけが残された。 相手は、ジャック・ランサム。第五代ダーシントン伯爵だ。 荒野を越えて花嫁を迎えに来た彼は、さながら黒馬の騎士ーー 年老いた偏屈な父親しか知らなかったマデリンにとって、 初めて出会う、若く、たくましく、ハンサムな生身の男性だった。 怖れとときめきに思わず目を伏せた彼女に、冷たい声が降ってきた。 「あいにく僕は、時代錯誤な変人の娘と結婚するつもりはない」 マデリンの父親が用意した周到かつ狡猾な計画により、結婚せざるを得なくなった二人ですが、一匹狼の伯爵ジャックと浮世離れした無垢な乙女マデリンは、ロンドン社交界でも噂の的に。最新流行のドレスに身を包み、華麗な変身を遂げた妻の姿に、ジャックはーー。

富豪と聖夜のシンデレラ富豪と聖夜のシンデレラ

彼は愛を知らない冷酷な仕事人間。 だからこれは、つかの間の甘い夢ーー この人とふたりきり、修復中のホテルで夜を明かすなんて。 大雪のせいで仕事の現場から帰れなくなったエリンは、 ささやかな夕食と憧れの男性を前に、信じられない思いだった。 セクシーな独身主義の大富豪ヒューゴ・ハリントンーー 彼を最重要顧客とするイベントプランナーのエリンは、 この2年半、ひそかな想いをひた隠しにしてきた。 幼子を独りで育てる母親にとって、この恋は危険すぎるから……。 しかしエリンは、魅惑的な灰色の瞳にとらわれたまま、 突然の口づけをなすすべもなく迎え入れる。 夢のような一夜を境に、エリンは彼の一挙一動に振り回されて……。 期間限定と知りながら、甘い蜜月に溺れるエリン。複雑で繊細な心の内を垣間見て、彼を愛さずにいることが辛くなり……。無慈悲な大富豪と健気なシングルマザーに降り注ぐ、クリスマスの愛の奇跡。『泣きぬれたシンデレラ』『南十字星のシンデレラ』の関連作です。

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