2021年12月1日発売
溺愛する末っ子・レオリーノと王弟・グラヴィスの婚礼の日。晴れやかな式典の裏でカシュー家の男達は何故か悲嘆に暮れ…?「ブルングウルト協奏曲」。イオニアを想い続ける副将軍・ルーカス、血の宿命を背負う王太子・カイルなど、12人の男達の過去と未来を描く「運命の男達」。グラヴィスの侍従・テオドールは、敬愛する主君から愛する人を奪った後悔で心を閉ざしていたが、罪の重さに耐えきれず一度だけ関係を持った宰相・マルツェルに翻弄され…?「宰相と侍従」。他、全27編を収録した待望の番外編集!
竜の王国バーナドンヤでは、攫われた竜王の妃がもう20年も行方不明だった。竜王はいなくなった銀の妃(イルカヤンヤ)を狂おしい程に求めていた。その頃、蜥蜴の地の暗い洞窟で奴隷のように暮らす小さな”オイ”は、誰かが愛しい人の名前を囁く、とても幸せな夢をいつも見ていた。そんなある日、蜥蜴の姫が竜王に輿入れすることになり、オイも後宮に連れて行かれることに。そこで、オイの運命は大きく動きーー!?
シリーズ累計500万部突破の大人気BL小説《タクミくんシリーズ》(角川ルビー文庫刊)。 「祠堂(しどう)」の名を冠する男子校の生徒たちの群像劇でもある同シリーズは、原作挿絵を担当するおおや和美によるコミカライズ、3度の音声ドラマ(ドラマCD20枚以上)化、舞台化、5度の映画化を経て、今なお関連シリーズが意欲的に発表されている一大コンテンツです。 シリーズ最初の作品が発表されて30年以上となる現在も、「BLのバイブル」「BL小説の金字塔」として、また多彩なキャラクター陣の成長を見守る壮大な物語として、ごとうしのぶファンのみならず、BLファンからの絶大な支持を得ています。 「タクミくん」シリーズ最終巻では、葉山託生(タクミ)の恋人・崎義一(ギイ)が、祠堂学院で卒業を迎えることなく姿を消し、読者に衝撃を与えました。が、本作『卒業』では、その後の恋人たちの感動的な再会と、仲間による感動のサプライズの様子、また人気サブキャラクターたちの関係の深まりが描かれていきます。アラサーとなった主人公たちを描いた「崎義一の優雅なる生活」シリーズとの間をつなぐ重要な物語として、タクミくんファン必携の一冊となっています。 ※巻末に、完全新作の書き下ろし短編が収録されます。 ・イラスト/おおや和美 【初出(一部)】 ごとうしのぶ個人誌 『真冬の麗人2016』 『真冬の麗人2017』 『春風の麗人2018』 『初夏の麗人2019』 『春風の麗人2020』ほか 上記同人誌収録作を、統合のうえ、大幅加筆修正しています。
生まれたばかりの我が子を誘拐され、失意を拭えぬまま夫婦だけの生活を続けてきた三好紗英は16年後、ある女子高生と出会う。少女は誘拐された自分の娘なのではないか?しかし、たとえ我が子だったとしても、今さら名乗り出ては少女を混乱させ心に傷を負わせてしまうかもしれない。少女の幸せと、喪失を抱え生きてきた自分の希望を天秤にかけ、紗英がとった行動は…
27歳の私は “毎日” 文章をメールで送り始めた。 学資ローン返済のために ひとりで始めた「日刊」連載プロジェクト。 恋人、家族、友人、文章教室、日々の運動。 愛すべき他人から発見した、私たちと“地続き”の話。 韓国の新星を日本初紹介。 みずみずしい随筆(エッセイ)の息吹。 ー - - - - 2018年、当時27歳だったイ・スラは、250万円の学資ローンを返済するために、毎日1本、文章を書いてメールで配信する連載プロジェクトを始めた。その名も「日刊イ・スラ」。 「誰からも依頼されずに文章を書きます。月・火・水・木・金曜日は連載して、週末は休みます。購読料は1カ月で1万ウォン(約千円)、20編送ります。1編が500ウォンなので、おでん一串よりは安いですが、それ以上に満足していただけるように努力します」 連載はたちまち反響を呼び、その半年分の文章をまとめた『日刊イ・スラ 随筆集』は600ページ近い分量にもかかわらずベストセラーになる(2018年の全国独立書店が選ぶ「今年の本」にも選出)。 書かれているのは、子供時代の淡い恋心、山登りでの祖父との喧嘩、恋人と誕生日に交わした言葉、文章教室での子供たちの作文、母が自分を妊娠したときの記憶、ヌードモデル時代の話……。「日記」のような形式でありながら、1本1本が独立した短いエッセイ。日常に転がっている愛とおかしみが、ときに文体を変えて、みずみずしく描き出される。 日本語版『日刊イ・スラ』は、イ・スラ初の散文集『日刊イ・スラ 随筆集』と、プロジェクトのシーズン2をまとめた『心身鍛錬』の2冊から、41編の文章を厳選してオリジナル版とした。韓国の新しい書き手を日本で初めて紹介する。 「何かについて気になり始めたら、私たちは動きだす。好奇心は愛の始まりだから」 ……(「手紙の主語」) 「あなたを身ごもったときのことを正確に記憶している、と母は言った」 ……(「懐胎」) 「逆立ちをしながら祖父のことを考えた。祖父もよく逆立ちをする」 ……(「あなたがいるから深いです」) 最善を尽くしたら私は絶対に転ばなかった。テウもそうだったはず。 ……(「滑って転ぶ練習」) 日本語版の読者のみなさんへ 今日の寝室 唯一無二 驚きの慰め 上品な関係 滑って転ぶ練習 懐胎 祖父 あなたの自慢〈上〉 あなたの自慢〈下〉 ウンイ ボキ 大言壮語 ハッピーアワー ひそやかに 服と舞台 麗水前夜 手紙の主語 U n e x p e c t e d M o n e y 逃げるは恥だが役に立つ〈上〉 逃げるは恥だが役に立つ〈中〉 逃げるは恥だが役に立つ〈下〉 水の中のあなた 耐えがたいセリフ 未完成の歯 わが家のマニュアル 産婦人科 取扱注意 夢取引き もうお兄さんはいない 気まずくなるのは怖くない ジャイアントウーマン 保証金という問題 あなたがいるから深いです 愛の無限反復 手にした人生 新しい私たち 作家とイベント 社長、いかがお過ごしですか 明るい引っ越し 明日の寝室 「日刊イ・スラ」はどのように拡張していくのか 訳者あとがき
奇跡の未発表作品。死後十五年を経て発見された幻の遺作。人生の悲しさを優美に笑う、極上のサガネスク。風光明媚な土地に立つ悪趣味な大豪邸「ラ・クレソナード」では、冷めきった心の住人たちが虚飾の晩餐を囲んでいた。“禿鷹”と呼ばれる当主、病に臥す威圧的な後妻、遊び人で居候の義弟、若く冷酷な息子の妻、自動車事故で死の淵から生還し、「腑抜け」になった跡取り息子…そこに一人の女性が訪れ、愚かで美しい愛の波乱が幕を開ける。エレガンスの巨匠が遺した、永遠の輝きを放つ最後の長篇。
夫婦・親子・きょうだい・嫁姑の秘められた愛憎が炙り出され、平穏に思えた家族たちの危うく支えられていた均衡があっけなく崩壊を迎える。芥川龍之介「藪の中」を思わせる構成により、現代人の暗部・恥部を暴こうとする著者渾身の傑作ミステリー。
山岡正吾が経営するアパレルメーカーが倒産して一ヶ月。石狩の海岸に経理部長の死体が上がった。会社の金を使い込んだことを苦にした自殺と思われたものの、その背後には黒幕が潜んでいた。正吾の娘優希は兄龍司とともに、真相解明に乗り出すー。
幼い頃に母に棄てられ、施設で育ったひかる。ふとした瞬間甦るあやふやであたたかな記憶、そして手元に残された母子手帳が唯一の母とのつながりだった。ある日、公園のベンチで拾ったのは、自分と同じ名前、生年月日の母親が落とした母子手帳。他人とは思えないもう一人のひかるがどんな母親なのか見届けるため、ひとり待つー。『birth』は第37回太宰治賞受賞作品。『彼女がなるべく遠くへ行けるように』は第34回太宰治賞最終候補作品を加筆修正。