2021年2月24日発売
ムーミントロールは、心やさしいロマンチスト。広い世界の小さな変化や、個々のちがいにそっと気づくことができます。勇気があって、冒険が大好き。たのしむ仲間もいっしょにいます。信頼できる友だちがいるのは、誠実で、思いやりがあるから。ムーミントロールはひかえめに、でもはっきりと、素直さとやさしさが日々をゆたかにすることを教えてくれるのですー。
最愛の娘が大学のキャンパス内で自殺をした。薬学部教授の大日方敏夫は、娘の千佳が死を選ぶはずがないと真相を探る。千佳は生前、母である優子に、付き合っている人がいると打ち明けていた。しかし、相手の詳細は知らされておらず、ミステリーの文学賞に応募していることだけを伝えていた。敏夫は付き合っていた相手が殺人犯ではないかと疑い、遺伝薬理学の知識を使って犯人を探すー。第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
独身のまま子供が欲しい、もう不妊治療をやめたい、五十を過ぎたら、家族は持てない?…貧困と虐待から脱するため、少女ユキが始めたのは“代理母ビジネス”。葛藤と不合理だらけの“命”の現場で、医師の芽衣子やゲイのミチオとタッグを組み、女たちの自由を求めて立ち上がるー!不妊、高齢、独身、ゲイーもう“タブー”だなんて言ってられない。「子を抱きたい」人々と女たちが手をつなぐ出産革命小説。
女のままでいたい。たとえどんなに孤独でも。-脚本家・唐沢燿子は古稀を迎え、日に日に「老い」を感じていた。しかしSNSで年下の男と出会い、生活が一変する。男の言葉に一喜一憂するうちに、身も心も溺れていく燿子。人生後半から燃え上がる、大人の恋の行方は…。
深夜の横須賀どぶ板通り。米兵が複数箇所刺され、死亡した。「日米地位協定」によって捜査権は米軍側にあるが、危機感を募らせる神奈川県警に協力すべく“特別強行捜査局”の朝倉たちが捜査に向かう。目撃者を捜している最中、なんとSNSに米兵殺害の瞬間が公開されてしまう。その上、第二の事件まで!?各国の思惑と悲壮な事件が絡み合い、朝倉たちの身にも危険が及ぶー。元自衛官の警察官が活躍する「オッドアイ」第8弾は、世界の不均衡が生んだ“悲劇”の幕開け。
沢口涼也はある出来事の贖罪のため、街金融の支店長職を捨て、5年前に保護犬施設「ワン子の園」の運営を始めた。今では4人のボランティア仲間と心と体に傷を負った犬たちを癒やし、里親が現れるのを待つ毎日だ。しかし涼也は犬の幸せを願うあまり里親希望者の見極めに慎重で、断ることもしばしばだった。そんなある日、動物愛護相談センターで働く恋人の華へ、「犬を虐待し闇業者へ売りさばいているペットショップがある」という通報が…。心身傷ついた犬たちと様々な里親希望者…。虐待、飼育放棄、遺棄、殺処分ー犬と人間との共生が抱える闇と光を描く、動物愛あふれる感動長編。
相原孝之は一級建築士で、妻の貴美子と中学1年生の娘・美加、小学2年生で料理好きの息子・康文の4人家族だ。ある日、息子が車にはねられ意識不明の重体に陥るが、時を同じくして、孝之の不倫や娘が学校でいじめられていることが発覚し、家族は瓦解寸前に。そんなとき、認知症の老人が相原家の前に何度も現れ、孝之の心にさざ波が立つ。孝之には幼い自分と母を捨て駆け落ちした父親がいたのだ。一方、康文の意識が戻らない中、老人とのふれあいを重ねるうちに、貴美子と美加の2人は驚くべき事実に気づくことに…。不倫・いじめ・交通事故そして認知症老人の手料理ー。崩壊寸前の家族に訪れた奇蹟の13日間。
北風に凍える夜。リストラを家族に言い出せず飲んだくれていた柴田秀直は、常務とホテルから出てきた上司の永井絢子を見かけた。一人になって泣き出す絢子を慰める柴田に、駆け落ち寸前の高校生カップルが声をかける。同じ頃、夫の暴力に悩んで家を飛び出した圭子は、サラリーマンの本多と意気投合し…。ふとしたきっかけで関わりあった人々の、出会いと別れ、すれ違いがやがて殺人に発展する!傑作ミステリー長篇。
十津川警部のかつての部下で私立探偵の橋本豊は、ある芸者の身元調査でまだ雪積もる早春の越後湯沢に向かった。その芸者菊乃は、川端康成の『雪国』に因んだ“ミス駒子”にも選ばれた美女である。しかし、十年ぶりに東京から帰郷した実父と彼女にプロポーズした男が、何者かに次々と刺され、ついには殺人事件が…。十津川と橋本が春雪の中で見た残酷な真実とは!?
日本の機動部隊をウェーク島近海におびき出して殱滅するという米海軍の作戦は失敗に終わり、逆に米軍の空母部隊が壊滅してしまった。だが連合艦隊の損害も大きく、日米両軍ともに積極策を採れなくなり一年半余ーついに米太平洋艦隊の再建は成る。新鋭空母エセックス級の群れが新型艦上機隊を搭載し出撃。マーシャル諸島を制圧し、勢いに乗る米艦隊は、マリアナ、トラックに攻撃を開始する。果たして米軍の主攻目標はどちらなのか。第一機動艦隊司令長官小沢治三郎中将は、ある決断を下すが…。