2021年4月7日発売
幸せな日々は、もう手放さなければならない。 遺体で発見された善良な弁護士。 一人の男が殺害を自供し事件は解決ーーのはずだった。 「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」 2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の”告白”、その絶望ーーそして希望。 「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」 私たちは未知なる迷宮に引き込まれるーー。 作家生活35周年記念作品 『白夜行』『手紙』……新たなる最高傑作、 東野圭吾版『罪と罰』。
物語は、今なお封建的な風習が色濃く残るイギリスの小さな田舎で発生します。准男爵の称号を持つハロルド卿が「ビック」という言葉を発しながら息を引き取ります。息を引き取る前にハロルド卿は自身の「告白」ともいうべき原稿をカータレット大佐に託し、公表するかどうかを委ねていました。しかし、その数日後、カータレット大佐も死体で発見されます。ボトム橋の近くの川に生息し、地元では“伝説の大物”と呼ばれれているマスは、釣り上げられた後、なぜ移動していたのか? ハロルド卿が発表しようとしていた原稿には何が書かれていのか? 事件を担当するロデリック・アレン警警部は散らばった証拠を拾い集め丹念に解きほぐし、真相にたどり着きます。随所に張り巡らせた伏線、意外性のある真犯人、供述から徐々に犯人を絞り込んでいく緊迫感、まさに英国黄金期の本格ミステリの面白さを堪能できる傑作。 裁きの鱗/訳者あとがき
広島・長崎に次ぐ三度目の原子力災害「フクシマ」と日本人はどう向き合うのかーー知日家としても知られるスイス人作家アドルフ・ムシュクによる小説。ヘルマン・ヘッセ賞、ゲオルク・ビューヒナー賞をはじめとする数々の賞を受賞した作家が、福島で目の当たりにした被災地の様子と自らの考察をないまぜ書き上げた。 物語:2017年、日本にも造詣の深いドイツ人建築家・文筆家パウル・ノイハウスは旧友ケンの仲介で、東日本大震災・原発事故の被害を受けた村からの招待を受ける。福島復興の一環として「日本のもっとも美しい村」と呼ばれた村に芸術家村を築き、離散した住民を呼び戻したい、ついては助言をお願いしたいとの村長の言葉に、パウルは、ケンの妻・ミツの案内で、現状を視察することになるのだが……。