小説むすび | 2021年4月発売

2021年4月発売

ワタリガニの墓ワタリガニの墓

江華島で出会った素性の知れない女は、 渇きを充たすようにカニの醬油漬けを貪るーー。 クォン・ジエによる表題作のほかクォン・ヨソン「桃色のリボンの季節」、ハ・ソンナン「隣の家の女」など、季刊誌『Koreana』日本語版の掲載作品から厳選した、韓国現代文学のアンソロジー。 「この12編は特定のテーマを元に書かれたわけではないが、どこか共通したものがある。それは、食や住処、性といった暮らしの生々しい側面と、そこに亀裂を入れる妄執や思い出の存在だ。人の営みを緻密に活写することで、かえってその暗部をのぞき込んでしまうような、そんな不穏なトーンが全作に共通しているように思える」あとがきより <b>季刊誌『Koreana』とは</b> 韓国の芸術と文化を世界に広めるため、韓国国際交流財団により1987年に英語雑誌として創刊された季刊誌。翌年には日本語版、1993年には中国語版が創刊され、現在では9ヵ国語で発行されている。 旧石器時代の遺物からインスタレーション・アートまで、あるいは朝鮮王朝の宮廷文化から現代のカルチャーまで、韓国の芸術文化を幅広く扱う。日本語版には現代文学の邦訳も掲載されており、本書に収録された作品はその一部となる。 ワタリガニの墓/クォン・ジエ 隣の家の女/ハ・ソンナン マテ茶の香り/チョン・ハナ プラザホテル/キム・ミウォル 桃色のリボンの季節/クォン・ヨソン からたちの実/ユン・デニョン 旅人は道でも休まない/イ・ジェハ 鎌が吠えるとき/キム・ドッキ 塩かます/ク・ヒョソ バラの木の食器棚/イ・ヒョンス てんとう虫は天辺から飛び出す/パク・チャンスン 初恋/チョン・ギョンニン あとがき

白鯨 MOBY-DICK白鯨 MOBY-DICK

著者

夢枕獏

出版社

KADOKAWA

発売日

2021年4月14日 発売

その姿を見た者は、生涯魂を囚われるーー。 海と鯨に心を奪われ、人生を狂わされた男たちが、神の生き物に挑む! 土佐の中浜村で漁師の次男として生まれ育った万次郎は、鯨漁に魅せられる。やがて仲間たちと漁に出た際、足摺岬の沖合で遭難してしまう。漂流した五人は無人島にたどり着くものの万次郎は銛打ちの師匠・半九郎の形見の銛を追って、さらに漂流してしまった。単身、大海原に投げ出された万次郎を救出したのは、米国の捕鯨船ピークオッド号だった。その船長・エイハブは、自分の片足を喰いちぎった巨大な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に異常な執念を燃やし、乗り組員となった万次郎を巻き込んでゆく……。 ジョン万次郎と、ハーマン・メルヴィルによるアメリカ文学の金字塔『Moby-Dick』が、夢枕獏の奔放な想像力によって融合する! 序章 徳富蘇峰京橋に万次郎を訪ね、奇っ怪なる話を聴くこと 一章 鯨組のこと 二章 神の鯨のこと 三章 万次郎海の大蛇に呑まれて鳥島に至ること 四章 万次郎片足の船長にして海の魔王エイハブと出会うこと 五章 万次郎ピークオッド号の乗り組員となること 六章 ピークオッド号、アルバトロス号とギャムすること 七章 人類の箱舟ピークオッド号のこと 八章 嵐に不思議なる火出現すること 九章 クイークェグの神ヨージョ運命を予言すること 十章  万次郎生まれて初めて鯨に銛を打つこと 十一章 ジェロボーム号から来た男のこと 十二章 エイハブ、その脚を白鯨の贄とすること 十三章 クイークェグ、自分の棺桶を作ること 十四章 万次郎海の森を発見すること 十五章 エイハブ、フェダラーと銛試しすること 十六章 白鯨その顎により神を裂くこと 十七章 スターバックのかくれんぼうのこと 十八章 万次郎マスケット銃にて試されること 十九章 最後の闘い、カモメを掴んだ手のこと 終章 万次郎の病床から見つかった二冊の本のこと  『白鯨のこと』 -あとがきとしてー

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