2021年4月発売
キャシーは広告代理店で働きながら、女手一つで幼い娘を育てている。力を誇示する男性に対して恐怖心があるため、いっさい身を飾らず目立たぬようにして異性を遠ざけ、娘との生活を大切にしてきた。ある日、化粧品会社に向けたプレゼンテーションを任されることになり、急遽、上司から、化粧をしてセクシーな服を着ていくよう命じられる。相手先へ向かったキャシーは、精悍な顔だちの男性に正面衝突して驚いた。高級スーツをまとった長身の彼こそ、化粧品会社の社長ローハンだった!怖れとともに、胸の奥に甘い疼きを覚え、キャシーは戸惑った。やがて、そんな彼女の心を見透かすように、ローハンは宣言した。「堅物を演じても無駄だ。その殻を破って、いずれ必ず君を手に入れる」。
人攫い事件をひとまず解決したユータは、タクトやラキたちと近場の探索や授業を受ける日々を送っていた。 そんなある日、ロクサレン家の面々がユータを訪ねてきて旅行に出かけることに。行先はゼローニャ。そこには壮大で美しい滝があるだけでなく、ユータにとって初体験となるダンジョンがあったのだーー。 召喚仲間と冒険する、ユータのもふもふ異世界ファンタジー、第七弾!
「このライトノベルがすごい!2023」(宝島社刊) 単行本・ノベルズ部門第1位!殿堂入り! シリーズ累計800万部突破!(電子書籍を含む)
帝国の研究施設で、200年のコールドスリーブから天災級の遺伝子強化モンスターが目を覚ました。中身は元平凡兵のユーノス。「がおがお」としか喋れないせいで、早速軍に狙われていた。ゲームや漫画が恋しくて人間に取り入ろうとした矢先で絶望していたがー望遠能力や透明化、驚異のパワーに気づいたことで一変!お調子者で下心満載な彼は、人類のためと称して、気分でゴブリンを蹂躙したり、エルフの水浴びを覗いたり、好き勝手に快楽を追求する!元凡骨青年が未来世界で欲望の限りを尽くす、サバイバルファンタジー開幕!
江華島で出会った素性の知れない女は、 渇きを充たすようにカニの醬油漬けを貪るーー。 クォン・ジエによる表題作のほかクォン・ヨソン「桃色のリボンの季節」、ハ・ソンナン「隣の家の女」など、季刊誌『Koreana』日本語版の掲載作品から厳選した、韓国現代文学のアンソロジー。 「この12編は特定のテーマを元に書かれたわけではないが、どこか共通したものがある。それは、食や住処、性といった暮らしの生々しい側面と、そこに亀裂を入れる妄執や思い出の存在だ。人の営みを緻密に活写することで、かえってその暗部をのぞき込んでしまうような、そんな不穏なトーンが全作に共通しているように思える」あとがきより <b>季刊誌『Koreana』とは</b> 韓国の芸術と文化を世界に広めるため、韓国国際交流財団により1987年に英語雑誌として創刊された季刊誌。翌年には日本語版、1993年には中国語版が創刊され、現在では9ヵ国語で発行されている。 旧石器時代の遺物からインスタレーション・アートまで、あるいは朝鮮王朝の宮廷文化から現代のカルチャーまで、韓国の芸術文化を幅広く扱う。日本語版には現代文学の邦訳も掲載されており、本書に収録された作品はその一部となる。 ワタリガニの墓/クォン・ジエ 隣の家の女/ハ・ソンナン マテ茶の香り/チョン・ハナ プラザホテル/キム・ミウォル 桃色のリボンの季節/クォン・ヨソン からたちの実/ユン・デニョン 旅人は道でも休まない/イ・ジェハ 鎌が吠えるとき/キム・ドッキ 塩かます/ク・ヒョソ バラの木の食器棚/イ・ヒョンス てんとう虫は天辺から飛び出す/パク・チャンスン 初恋/チョン・ギョンニン あとがき
余命わずかな元スミソニアン博物館学芸員のため、幻の飛行機械の動画を再現しようとする友人たちが遭遇した奇跡、演劇一族に生まれた6人姉妹の末妹と6人兄弟の末弟が屋敷の屋根裏で出会う不思議……ネビュラ賞や世界幻想文学大賞を受賞した作品ばかり4編を収めた、不世出の天才作家による珠玉の抒情SF選集。
平清盛の配下である童子・禿髪は、なぜ惨殺されたのか? 首のない五つの死体から、どうすれば探している人物を特定できるのか? 帝の庇護下にあった寵姫を、どのようにして毒殺したのか? --不可思議な謎に挑むのは、清盛の異母弟にして一族の裏切り者・平頼盛。平安時代ならではの、前代未聞の新しい謎を描いたと話題を呼んだ、第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛(かばねさねもり)」など5編を収録。新鋭が贈る歴史ミステリ連作集(受賞時の齊藤飛鳥名義より変更)。
文芸愛好会“羽根ペン”倶楽部のメンバーを見舞う悲劇。「誰もがポオを読んでいた」でも活躍したミステリ作家キャサリン・パイパーと犯罪心理学者エドワード・トリローニーの名コンビが難事件に挑む!
「魚住くん」「宮廷神官物語」「カブキブ!」「妖奇庵夜話」シリーズなどの著者がおくる、 英国紳士×青年武士の同居ストーリー。異文化交流ブロマンス! 日本の大学で講師として教えるため来日した英国人・アンソニー。 居候先をイギリスの恩師が手配してくれたが、空港に迎えに来た青年に出会ってびっくり。彼はキモノにカタナ、チョンマゲの武士だった! 現代日本に武士がいたのか……!? その彼・隼人が言うには、「伝統文化の保持ならびに地域防犯への奉仕を目的とする新しい武士制度」として現代の武士は存在するらしい。 英国紳士と青年武士の不思議な同居生活が始まった! 地域で愛され活躍している彼だが、実は悲しい過去も抱えていて……。 著者デビュー20周年記念作品! 肩書や属性と「個」、「自分らしい生き方」を考える普遍的かつ現代的なテーマは、今の時代だからこそ届けたい作品です。 装画は、漫画家・萩尾望都による描き下ろし!
その姿を見た者は、生涯魂を囚われるーー。 海と鯨に心を奪われ、人生を狂わされた男たちが、神の生き物に挑む! 土佐の中浜村で漁師の次男として生まれ育った万次郎は、鯨漁に魅せられる。やがて仲間たちと漁に出た際、足摺岬の沖合で遭難してしまう。漂流した五人は無人島にたどり着くものの万次郎は銛打ちの師匠・半九郎の形見の銛を追って、さらに漂流してしまった。単身、大海原に投げ出された万次郎を救出したのは、米国の捕鯨船ピークオッド号だった。その船長・エイハブは、自分の片足を喰いちぎった巨大な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に異常な執念を燃やし、乗り組員となった万次郎を巻き込んでゆく……。 ジョン万次郎と、ハーマン・メルヴィルによるアメリカ文学の金字塔『Moby-Dick』が、夢枕獏の奔放な想像力によって融合する! 序章 徳富蘇峰京橋に万次郎を訪ね、奇っ怪なる話を聴くこと 一章 鯨組のこと 二章 神の鯨のこと 三章 万次郎海の大蛇に呑まれて鳥島に至ること 四章 万次郎片足の船長にして海の魔王エイハブと出会うこと 五章 万次郎ピークオッド号の乗り組員となること 六章 ピークオッド号、アルバトロス号とギャムすること 七章 人類の箱舟ピークオッド号のこと 八章 嵐に不思議なる火出現すること 九章 クイークェグの神ヨージョ運命を予言すること 十章 万次郎生まれて初めて鯨に銛を打つこと 十一章 ジェロボーム号から来た男のこと 十二章 エイハブ、その脚を白鯨の贄とすること 十三章 クイークェグ、自分の棺桶を作ること 十四章 万次郎海の森を発見すること 十五章 エイハブ、フェダラーと銛試しすること 十六章 白鯨その顎により神を裂くこと 十七章 スターバックのかくれんぼうのこと 十八章 万次郎マスケット銃にて試されること 十九章 最後の闘い、カモメを掴んだ手のこと 終章 万次郎の病床から見つかった二冊の本のこと 『白鯨のこと』 -あとがきとしてー
男らしさと家族のかたちを見つめ直すアイスランド女性文学賞受賞作。母が遺したバラをもって僕は旅に出る。遠くの修道院にある庭園に植えるのだ。ところが、温室育ちの僕の旅は、ままならない。飛行機内で腹痛にもだえ、森でさ迷う。旅で会った女性たちとの関係を妄想しては、空回り。当の庭園は荒れ果てており、手入れを始めたところ、意外な人物が訪れる。かつて僕と一夜をともにした女性が、赤ん坊を預けにきたのだ。こんな僕が父親に!?ゆったりした時が流れる小さな村で、右往左往しながら成長する青年と家族をあたたかく描く長篇小説。
19世紀末、パリ。少女ウジェニーは「霊が見える」と告白したために、家族に勘当され精神病院に入れられた。そこでは女性の苦悩やトラウマが「狂気」と診断されていた。病院で行われた公開講義や舞踏会の史実を元に、社会から排除された女性たちを描いた小説。
安易な気持ちで、恐怖の実話を集めてはいけないーー! ネットでバズった恐怖(ドキュメントホラー小説)が、書籍化により、拡、散。 「今回ここに書き起こしたものには全て奇妙な符号が見られる。読者の皆さんとこの感覚を共有したい」から始まる、ドキュメント・ホラー小説。 大学病院勤めの「私」の趣味は、怪談の収集だ。 手元に集まって来る、知人のメール、民俗学者の手記、インタビューのテープ起こし。その数々の記録に登場する、呪われた村、手足のない体、白蛇の伝説。そしてーー。 一見、バラバラのように思われたそれらが、徐々に一つの線でつながっていき、気づけば恐怖の沼に引きずり込まれている! 「読んだら眠れなくなった」「最近読んだ中でも、指折りに最悪で最高」「いろんなジャンルのホラー小説が集まって、徐々にひとつの流れとなる様は圧巻」など、ネット連載中から評判を集めた、期待の才能・芦花公園のデビュー作。 ーー「次の生贄は誰がいいと思いますか」
大阪に本社を置く準大手製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長であり、MR(医薬情報担当者すなわち製薬会社の営業マン)である紀尾中正樹は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定れるべく奔走していた。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が確実視される。ところが、難攻不落でMR泣かせの大御所医科大学長からようやく内定を得た直後、外資のライバル社タウロス・ジャパンの鮫島淳からの苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われる。窮地に追い込まれた紀尾中以下、堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は?注目を集める製薬会社のオモテとウラ。