2021年5月発売
新入社員として雇われた会社で、「僕」の教育係についた先輩・黒川瑞季。彼女はなんと、この世ならざるものたちが視える人だった!夜道で、オフィスで、そして周囲の人々のあいだで巻き起こるさまざまな怪奇現象を、黒川瑞季が持ち前の頭脳と霊能力で解決していくがーやがて、最凶の因縁に巻き込まれてしまう!憑かれ系新入社員の僕と彼女、取引先の社長から病み系OL、最強巫女に闇の心霊事件屋まで、多彩な登場人物が織り成す痛快オフィスホラー!
無事に結婚式を終えたレオンスと五人のお嫁さんたち。新婚旅行先はリアーナの故郷・教国。この旅の実現は、子どもの頃にレオンスとリアーナが交わした約束でもあった。しかし情勢が不安定な教国に近づいたその矢先、魔族のクーがレオンスたちをつけ狙ってくる。クーは教国のトップである教皇と手を組んで、レオンスたちのもとに暗殺者を派遣していたのだ。帝国の代表として、そしてリアーナの夫として責任感に燃えるレオンスは、最強のお嫁さんたちや頼れる仲間たちの手を借りて、教国の悪事を暴いていく。そんな中、リアーナの過去も明らかになる。かつてリアーナが家族と離ればなれになった時、裏では何が起きていたのか?そしてクーが教皇の言いなりになっている理由とはー?
無自覚天然少女が世界の果てへ走り抜ける、ハイスピード成り上がりファンタジー開幕!
銀座の高級クラブで放火事件が発生。オーナーと容疑者の女が命を失った。警視庁捜査一課の刑事・滝上亮司が、捜査を進めると、背後に政治家である父の存在が浮かび上がってきた。かつて父を憎み、故郷を捨てた刑事は、封印した「汚れた過去」と向き合わざるを得なくなる。この事件は、父を失墜させるのか、自らの破滅を招くのか。
かつて“剣帝”と讃えられた一人の剣士がいた。彼はディストブルグ王国の第三王子、ファイ・ヘンゼ・ディストブルグとして転生し、今生では“クズ王子”の悪名を轟かせていた。憎むべき“異形”を生み出す張本人を討つため、ファイはついに“クズ王子”の仮面を脱ぎ去り、帝国へと赴く決意を固める。折しも開催中の“連盟首脳会議”で獣人国の王子が対帝国の強硬論を主張、自ら挙兵する。迎え撃つ帝国側の“英雄”達との激戦が勃発する中、ファイは単身で帝国の本城への侵入に成功。しかしそこで待ち受けていた黒幕は、予想だにしない恐るべき相手だったー前世からの因業を斬り伏せるべく、“剣帝”は最後の戦いへと征く!
辺境の冒険者ギルドで職員として働く少年、コウヤ。彼の前世は病弱な日本人。そして前々世はーーかつて人々に倒された邪神だった! 邪神の過去を持つものの、コウヤ本人は天然でお人好し。今世ではまだ神に戻れていないものの、力は健在で、発想も常識破りで超合理的。冒険者からの支持も厚い。その結果、劣悪と名高い辺境ギルドを二年で立て直し、トップギルドに押し上げてしまった! 唯一の悩みは上司が横暴なことだったのだが、なんと伝説の冒険者が、新たなギルドマスターになり、コウヤの改革はさらに躍進する……!? ペーパーナイフ1本で凶暴キメラを倒したり、知らぬ間に加護を与えちゃったり……自重知らずの少年は、今日も元気にお仕事中!
ステータスが思うように伸びず、ギルドで事務仕事をしていた冒険者ブライ。無駄な経費を削減して、破綻寸前の経営を救ったはずが、逆にギルド長の怒りを買い、クビを宣告されてしまう。かつてのパーティメンバー達もまた、足手まといのブライをあっさりと切り捨て、その上、リーダーのライトに恋人まで奪われてしまう。傷心の最中、ブライに突然、【ログインボーナス】という未知のスキルが目覚める。それは毎日、謎の存在から大小様々な贈り物が届くというもの。『初回特典』が辺境の村にあると知らされ、半信半疑で向かった先にあったのは、なんと一夜にして現れたという城だったーー! お人好し冒険者の運命が、【ログインボーナス】で今、変わり出す!
異世界に転生し、女神様からなんでも作れる錬金術スキルを与えられた僕、タクミ。根が臆病なので冒険とか苦手なんだけど、何故かトラブルに巻き込まれるんだよね。せっかくの新婚旅行もトラブルまみれでへとへとになってしまった。それで流石に休もうと思っていた矢先、僕に恨みを持つという闇ギルド、強欲エルフ、悪徳貴族が襲ってくる事に!? そんな心休まらぬ日々を送る僕のもとに、久しぶりに穏やかなニュースが届く。聖域に美しい花が咲いたのだ。それは僕の故郷の花ーー桜。どうせならとびきりのお花見をしようと思う。聖域中の人々を集めて、飲んで、踊って、騒いじゃえ!
製薬会社で構造解析研究者だった持水薫(もちみずかおる)は、魔法のある異世界ガーランドに、公爵令嬢シャーロット・エルバランとして生まれ変わった。『構造解析』と『構造編集』という二つのチートスキルを持ってーー。スキル販売者ユアラとの対決の時が来た。場所はフランジュ帝国の帝都。そしてその勝負の形式は……なんと鬼ごっこ!? もちろん、単なる鬼ごっこで終わるはずもなく、ユアラは数々の罠を仕掛けていた。それによって心身ともにボロボロになりつつも、シャーロットとその仲間たちは、策を駆使してユアラを捕まえることに成功する。だが、それこそが最大の罠だった。捕縛した瞬間、シャーロットとユアラの魂が入れ替わりーー。ネットで大人気の異世界大改変ファンタジー、待望の第9弾!
ピアニストを目指す、高校生の村上琴は、原因不明の症状で左手が利かなくなり夢をあきらめかける。そんな折、旅先で出会った二人の人物が彼女の人生を変えることになる。三人は自らに吹き付ける向かい風に立ち向かうべく、ある演劇作品の上演を目指し、劇団を立ち上げる。集まった仲間たちも各々に問題を抱えていた。幾たびかの試練を乗り越え、周囲の人々の協力も得て、ついに彼らの芝居の幕が上がった…。残酷な運命に敢然と立ち向かい、自らの人生を取り戻そうとする人々の勇気と友情、そして再生の物語。
ファンとの交流会を豪華客船で行う企画を受けたミステリー作家の高沢のりおだが、クルーズ中に客船にまつわるトリックを二社分作らなくてはならなくなった。高沢は友人でかつて航空機に関わっていた倉崎に同行をたのみ、彼の工学的な知識に頼ろうと考える。高沢の苦難の旅が始まる(『クルーズはミステリーとともに!』)。念願の旧いBMWを手に入れた映像作家の深川は友人たちに自慢するためドライブに誘う。旧いクルマ特有の問題に悩まされながらも楽しんでいる深川だが、友人の警察官僚・園部からクルマに関する謎を相談される(『ドライブは旧き良きクルマとともに!』)。
デビュー3年で主に戦国武将が主人公の11作を刊行し、歴史小説に新風を吹き込む赤神諒氏が、伊集院静氏の休載期間中に日本経済新聞朝刊の小説欄に急遽抜擢され連載した本作は、赤神氏初の現代小説だ。 5カ月後に幕を開ける第二次世界大戦での枢軸国対連合国の戦いの構図を先取りしたスペイン内戦(1936~39年)が舞台。成立したばかりの共和国政府に対する軍部の叛乱を阻止しようと立ち上がった市民兵とともに銃を取った元米国軍人リックを主人公に、圧倒的に劣勢に立ちながら、徒手空拳で立ち上がった市民ひとりひとりをクローズアップして描くことで、ファシズムとスターリニズムから自由と民主主義を守る戦いと言われるこの「戦争」が、本当は何のための戦いだったのか、を浮き彫りにする。格差や分断が社会を揺るがす現在の私たちをも照射する作品に仕上がっている。 この重厚な物語にエンタテイメント性を加えるのが、主人公リックの設定である。著者が映画史上不朽の名作である「カサブランカ」の前日譚として着想し、映画でハンフリー・ボガード扮するリック・ブレインが本作の主人公という趣向。映画ではイングリッド・バーグマン扮するイルザ・ラントやほかの登場人物たちも登場させて、名ゼリフぞろいの映画へのオマージュとして編み出された創作だ。戦渦で恋する男女の洒落た会話にも磨きがかかり、キザなセリフ、スパイスのきいた皮肉も読みどころである。 加えて、新聞では戦渦の恋が終わるところで連載の幕を閉じたが、連載後にリックのその後が気になるという声が新聞の読者から多数寄せられた。単行本化にあたり文字通り「カサブランカ」の前日譚として、映画の設定の直前まで時間軸を延ばして大幅に加筆、新聞で読んでいた読者もさらに満足感を得られる内容になっている。 第1部 第1章 二つのスペイン 第2章 ヨーロッパの嵐 第3章 マドリードの鐘 第4章 カニャーダの花 第5章 ラス・ロサスの虹 第2部 第6章 マドリードの雨 第7章 グアダラマの雪 第8章 バルセロナの月 第9章 ブルネテの風 第10章 マドリードの夜 最終章 パリの空
日常に息苦しさを感じるあなたへ贈る物語。 「こんなところにいたくない」パート帰りの希和が見つけたのは、小学四年生の息子・晴基とそっくりの筆跡で書かれた切実なメッセージだった。本人に真意を問いただすことも夫に相談することもできない希和は、晴基が勝手に出入りする民間学童『アフタースクール鐘』で働きはじめる。マイペースな経営者・要や子どもたちに振り回されながらも、希和はいつの間にか自分の考えを持たない人間になってしまっていたことに気付く。周囲から求められるものでも、誰かからの受け売りでもない、自分自身の言葉を取り戻すためにひとりの女性が奮闘する、大人の成長小説!
五月二十九日、夜明け前。死病を患うミリアは痛みのあまり通りへ飛び出した。時を同じくして、自殺しようと窓から身を乗り出すミリアの元恋人、娼婦を求めさまよう精神科医の元夫、父親を探す少年と、獲物を探す元兵士。彼らの暗い運命は、誉れ高きゲオルグ・ローゼンベルク精神病院の記憶につながっていく…世界約50か国で翻訳される現代ポルトガル最重要作家による、狂気と怒りと愚かさを残酷に描ききる圧倒的代表作。
人形を思わせる色男の岡っ引き、佐七が次々と江戸の事件を解決していく推理劇。「銭形平次」をはじめとする“五大捕物帳”の一つで、横溝自身も格別に愛着を持っていたシリーズです。最新の研究であきらかにされた全180篇を、綿密な校訂のもと初めて発表順に完全収録しました。
「なぜ、朝敵と言われなければならないのか。我らに何の罪があるというのか」 幕末、火中の栗を拾うようなものと言われながらも、京都守護職を拝命した会津藩主・松平容保の弟である桑名藩主の松平定敬は、京都所司代として、兄と共に徳川家のために尽くそうとする。 しかし、十五代将軍・徳川慶喜は大政奉還後、戊辰戦争が起こると容保、定敬を連れて江戸へ戻り、ひたすら新政府に恭順。慶喜に裏切られる形となった定敬らは、恭順を認めてもらうには邪魔な存在として遠ざけられてしまう。 一方、上方に近い桑名藩は藩主不在の中、新政府に恭順することを決める。藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣と共に江戸を離れることに……。 朝敵とされ、帰るところも失い、越後、箱館、そして上海にまで流浪した男は、何を感じ、何を想っていたのかーー。 新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞受賞作家が、哀しみを心に宿しつつ、転戦していく松平定敬の姿を感動的に描く歴史小説。