2021年9月13日発売
ガラスの海を渡る舟ガラスの海を渡る舟
脆くて、同じものは一つもない。人生はまるで、ガラスみたいだー。みんなと同じ行動がとれず、他人から疎まれてしまいがちな兄の道。落ちこぼれでも優等生でもなく、なんでも平均的にこなせるけれど、「特別ななにか」が見つからない妹の羽衣子。祖父の遺言をきっかけに、ともにガラス工房を引き継ぐことになった、相容れない二人の絆の行方とはー。大阪・空堀商店街にあるガラス工房で兄妹が過ごした、愛おしい10年間を描く感動の物語。
蛇座蛇座
ジオノ最大の関心事といえる羊と羊飼いを扱った『蛇座』と、彼が生まれ育ち生涯を過ごしたマノスクについて書いた『高原の町マノスク』。書かれていることのすべてが「事実」とは限らない。想像力を奔放に発揮した作者が空想の「マノスク」を語る。ジオノ文学の「素材」がふんだんに撤種されている。
予は如何にして文士となりしか予は如何にして文士となりしか
奔放無頼のストーリーテリングと、類人猿への異常な執心。軍人の父に放逐された文学好きの不良少年は、芸妓と出逢い一大改心。貿易商のかたわら小説デビューし、あれよという間に直木賞。しかしその回想はいつも微妙に食い違う…虚々実々に彩られた怪作家の人生を辿る自伝物語篇。
星巌と紅蘭星巌と紅蘭
幕末期の漢詩人梁川星巌とその妻紅蘭、同道し頼山陽が辿った西国への道を歩み菅茶山らと交わり詩嚢を肥やす旅とする。やがて、時代のうねりに飲みこまれるように京都で尊皇攘夷運動の求心的存在になるが、安政の大獄による捕縛直前に斃れる。
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