2021年9月28日発売
人を凶暴化させる謎のウイルスに、マドンナこと高西麗子環境大臣が感染した。止まらぬ感染拡大、陰謀論者の台頭で危機に陥った、第二次武藤泰山内閣。ウイルスはどこからやってきたのか?泰山は国民を救うべく、息子の翔、秘書の貝原とともに見えない敵に立ち向かうー!!『民王』待望の続編!
栄えつつある神生島に、容赦なく戦争の足音が近づく。島の一族の百五十年を描く驚異の大河小説、波乱の第二巻! 一ノ屋の流れを汲む一橋産業は隆盛を誇り、島の人々の暮らしも少しずつ豊かになっていた。初の男子普通選挙が行なわれ、曰くありげな少女が一橋家を訪れる。火口への投身心中の流行を奇貨に、本土からの観光客も増えた。そうした人々の営みと繁栄の裏側で、平和な島にも戦争が影を落とし始めていたーー。三ヵ月連続刊行、激動の第二幕へ。
ファニーな幽霊たちが東京でとことん迷わせる。日本オリジナル小説、世界に先駆け刊行。コロナ禍とオリンピックで大揺れに揺れる東京を訪れた米国人作家夫婦が出会ったのは、ニッポンが誇る文化的英雄の幽霊たち(太宰、荷風、三島夫妻、黒澤明、宍戸錠、植木等、安藤百福、大松監督、ダダカンetc)。彼らはこの賑やかで寂しい都の何を見せようとしているのか? 狂騒的で、詩的で、懐かしい、〈もののあはれ〉な傑作長篇。
19世紀中盤のアメリカ・ヴァージニア州。黒人奴隷ハイラムは、美しい踊り手でもある奴隷の母と、奴隷主である白人の父とのあいだに生まれた。並外れた記憶力と祖母から受け継いだ神秘的な能力をあわせもつハイラムは、恋人との逃亡に失敗するが、黒人奴隷を逃すネットワーク「地下鉄道」の活動家に見出される。やがて自身もその活動に身を投じ、多くの奴隷たちの物語に触れるうち、自らの力の源である、失われた母の記憶を取りもどしてゆくー。トニ・モリスンが「ボールドウィンの再来」と絶賛した、いまもっとも注目される全米図書賞作家によるデビュー長篇小説。壮大かつエキサイティングな物語。
ジュリアン・バトラー。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカを代表する小説家。バトラーの生涯は長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになるー。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を描く壮大なデビュー長編小説。
《レギス3への着陸完了。サブ=デルタ92型砂漠惑星。われわれは第二手順に則ってエヴァナ大陸の赤道地帯へ上陸する》この通信から40時間後、まったく意味をなさない奇妙な音声を伝えてきたのを最後に消息を絶ったコンドル号を捜索するため、二等巡洋艦インヴィンシブル号は琴座の惑星レギス3に降り立った。そこは見わたす限りの広大な大地に生命の気配のない、赤茶けた灰色の空間であった。やがて、偵察のために投入された撮影衛星が人工的な構造物をとらえ、探索隊が写真が示す地点へと向かう。たどり着いたのは、奇怪な形状を有し廃墟と化した《都市》であった。《都市》の内部へと足を踏み入れ、調査を進める探索隊であったが、そこにコンドル号発見の知らせがもたらされる。急ぎ現地に向かった一行が目にしたのは、あたり一面に物と人骨が散乱し、砂漠にめり込んでそそり立つ、変わりはてたコンドル号の姿であった。謎に満ちたこの惑星でいったい何が起こったのか⁉ーー『エデン』『ソラリス』からつらなるファースト・コンタクト三部作の傑作のポーランド語原典からの新訳。 【目 次】 黒い雨 廃墟の谷間で コンドル 一人目 雲 ラウダの仮説 ロアン隊 敗北 長い夜 会話 不死身 訳者あとがき(関口時正) 解説 稼働する物語装置、星の啓示(沼野充義) スタニスワフ・レム年譜 黒い雨 廃墟の谷間で コンドル 一人目 雲 ラウダの仮説 ロアン隊 敗北 長い夜 会話 不死身 訳者あとがき(関口時正) 解説 稼働する物語装置、星の啓示(沼野充義) スタニスワフ・レム年譜
【TVアニメも大好評】シリーズ累計200万部(電子含む)の超人気作! クズノハ商会代表としての各国歴訪を終えて亜空に戻った真は、自分の商人としての考えの甘さを痛感していた。改めて人の悪意というものと向き合う決意を固めた彼は、ツィーゲの街の有力商人レンブラントを訪ねる。世の中の表と裏を知り尽くす大商人に教えを乞おうとした真だったが、反対にこの街で進行する革命の計画について意見を求められてしまう。発展めざましいツィーゲの街で、クズノハ商会がさらなる躍進を遂げる!?
主人公デロンダの「アイデンティティ追求」の果てに 行き着いたユダヤ人問題、特異な男女の愛と背徳を ヨーロッパの時代風潮と交錯させ描いた一大ロマン…。 イスラエル建国問題で「歴史を動かした」と評され、 賛否の論争を巻き起こした問題作、新訳で登場! 「この小説で異彩をはなち常に賞讃されてきたのは グウェンドレンとグランドコートの描写である。 『この作品の並はずれた力はきわめて不愉快な男の描写にみられる』 (『英文学史』1927)とラフカディオ・ハーンは言っている」 (「解説」より)。
主人公デロンダの「アイデンティティ追求」の果てに 行き着いたユダヤ人問題、特異な男女の愛と背徳を ヨーロッパの時代風潮と交錯させ描いた一大ロマン…。 イスラエル建国問題で「歴史を動かした」と評され、 賛否の論争を巻き起こした問題作、新訳で登場! 「この小説で異彩をはなち常に賞讃されてきたのは グウェンドレンとグランドコートの描写である。 『この作品の並はずれた力はきわめて不愉快な男の描写にみられる』 (『英文学史』1927)とラフカディオ・ハーンは言っている」 (「解説」より)。
身元を隠して辺境伯ディルクの屋敷でメイドとして働くことになった異国出身のシェーラは、ある日ディルクのお酒に付き合うことに。どうやら彼は何度目かの婚約者にふられてしまったらしい。反省を口にして酔い潰れた彼を介抱したところ、なぜか翌朝、真剣な顔で「責任を取るため、私と正式に恋人となってほしい」と告げられる。早とちりから始まった関係は、さらなる勘違いと誤解を生んで新たな事態を引き起こし!?
至れり尽くせりで世話をやいてくれる婚約者の王太子ルイスから好きだと言われて、心が揺れ動くロティ。「君の食べる姿が一番好きだ」と、ぐいぐい積極的に口説かれる一方で、新しくできた友人からは、彼の愛が重すぎる! と呆れ半分心配される始末。そんなある日、デートの帰りに何者かに襲撃され、狙いはロティの命だと知ってしまい!?