2022年10月19日発売
「呪いでもない。ウイルスでもない。ではなぜゾンビ化する? 生命科学者なら誰もが知りながら誰も正面から書かなかったアイデアに感嘆した。 これは『パラサイト・イヴ2.0』でもある」──瀬名秀明氏に絶賛され、 さらにKゾンビが好調な韓国からのオファーによって日韓同時刊行を果たした、 ゾンビファン注目の書下ろしホラー長編! 香月百合は新宿区戸山の予防感染研究所に休日出勤する。研究熱心で優秀な下村翔太や、医学博士で女性所員憧れの加瀬祐司も出勤していた。日曜なのに全所員の8%ほどの計40人が研究所にいるようだ。席に着いてWHOのサイトに接続すると、気になる報告があった。アフガニスタンやシリアなどの紛争地域で人が突然気絶し、1分前後経つと狂暴になって人を襲い始めるという。しばらくすると研究所内の大型テレビに、現実とは思えないニュース映像が映った。人が人を襲う暴動が日本各地で起こっているというのだ。いや、世界中で。WHOの報告と関係があるのだろうか。研究所は2メートルの塀で囲われているが、外が騒がしくなってきた。テレビ画面に向かって所員が呟いた。「これゾンビでしょ」。 人類に与えられた7日間の試練とは! 【1日目】世界中でゾンビが発生。新宿区戸山の予防感染研究所に、香月(かづき)百合(ゆり)と下村、加瀬ら40人ほどが閉じ込められ、厚労省から原因究明の要請。外から一条という刑事も加わる。 【2日目】ゾンビに詳しい大学生・城田が外から加わる。ゾンビに****が認められる。 【3日目】****がゾンビ化。3人が襲われる。YouTubeでは***で闘う人々の姿が。 【4日目】ゾンビの遺体を解剖する。それでも原因は不明。*******は半分に減る。 【5日目】人とゾンビの*****を調べることに。(*はネタバレ回避) ──6日目、7日目を経て、ゾンビに覆いつくされたこの世界に審判が下される。
娘を亡くし妻と離婚した僕に、未来を生きる資格があるのだろうか。終わりがあると知りながら過ごす、僕と君のひと夏の物語。コロナ禍のリモートワークを言い訳に自宅に引きこもるばかりのある日、僕はずぶ濡れの女の子を拾った。1980年代からタイムスリップしてきたらしい彼女は、僕の大切な人の命を奪った連続少女誘拐事件に関係しているのか……。その時の僕は、全ての過去の意味を知るよしもなかった。その答えは、今の僕が持っていたんだ。
印刷所の女工として働く23歳のハルは、路傍でキリスト教の伝道をする青年に出会い、信仰への道へ。彼こそ、のちに生涯の伴侶となる賀川豊彦だった。貧困、病気、暴力、人身売買…、神戸のスラム街で幾多の苦難に直面しながらも、豊彦とハルは貧しい人たちを支え続けた。二人の働きは、労働運動、協同組合運動、婦人解放運動、そして関東大震災での救援活動とつながり、時代のうねりを創り出すー。
親に偽装転入させられ、進学率の高いチョンミン洞の中学校に通うカンイ、裕福な家庭でモデルを目指すリーダー格のソヨン、チョンミン洞の貧民街に住むアラム。3人は家出を企て、ソウルに辿り着く。しかし、路上生活は厳しいもので、身も心も疲弊した少女たちは家に戻る。その後、自分が頂点に立つために人を貶めるソヨンの態度に、3人の関係は壊れていく。いじめは暴力にエスカレートし、やり場のない感情は暴走の果てにー格差、搾取など大人の加虐に晒されてきた少女たちは、痛ましい選択を繰り返す。最善を望んで最悪をたぐり寄せた、壮絶なる青春群像物語。第4回韓国文学トンネ大学小説賞受賞。
憧れの職場にいたのは、迷惑行為に無自覚な勘違い男。盗難騒ぎにストーカー、突き落とし。次々起こる事件を、コイツに解決できるはずがない!戦う女性に贈る、爽快ミステリ!
遠くない未来。残酷な格差と棄民により退嬰と衰亡に苦しむ、とある日本。瀬戸内の孤島にある「桜瀬女子高校」は今夜、伝統ある卒業の儀式を迎えていた。卒業生が夜を徹し友や海や孤島と語らう「卒業夜祭」の儀式を。真夜中の篝火と桜花の中、ひとり、またひとりと灯を掲げ校舎を離れゆく卒業生。だが校長と政府以外誰も知らない。この卒業夜祭の壮絶な真実を。卒業生のうち選ばれた7人だけが今夜、滅びゆく日本を、世界をそしてヒトを救う「侵略者」となることを。何も知らぬまま神と対峙させられる7人の少女らは、今夜を、世界を生き残ることができるのか?総伏線主義の正統派ロジック本格、至極の最終章。
埼玉県の大家族で育った日村天使は、生活保護を受け自堕落な生活を送ってきた。大家族ファミリーとしてテレビにも出ていたが、16歳で家を出て、大宮のキャバクラ「マヤカシ」に勤める。そこでビルのオーナー綾小路光子と知り合った。数年後、訳あり老人が長逗留する古びたビジネスホテルにひっそりと暮らす光子と再会する。天使は、投資家だという光子の指南で、生きるノウハウを学ぶことになるが…。
ある家庭教師の見た情景ー苛烈な家庭教育、歪んだ親子関係の実態を描く衝撃の家族小説。過熱する学歴社会に翻弄される親と子。教育の意味と本質を問いかける、台湾で大きな話題を呼んだベストセラー小説。
無頼派作家坂口安吾が、少年時代からいかにして「坂口安吾」となったか。 事実から小説仕立てにした読み物。 落伍者志願の不良少年が真実の探求者・坂口安吾となり、奇っ怪なファルス「風博士」を掲げるまでの、波乱に満ちた修行時代を描く小説。
中には見たこともないような鳥がいた。 羽根はすべて純金で、目はろうそくの炎のようだ。 「わが不死鳥だ、あまり近づかないようにな。凶暴なのだ」 不死鳥とルビーが詰まった義足を押しつけられた 青年が見いだした解決策とは? 表題作他全10編を収録 ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手が織りなす摩訶不思議な世界 不死鳥と、ルビーが詰まった義足を獣医から引き継いだ旅人テーセウスの選択を描いた表題作ほか、つつましやかな幽霊犬を競売で手に入れた書類箱の中にみつけた飼い主の話「ハンブルパピー」、上の階に行くことを絶対に拒否し続けた女の子の運命「上の階が怖い女の子」など、奇妙で幻想味にあふれ、ときに優しく、ときにぞっとするような怖さを秘めた短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第二弾。 ■目次 「葉っぱでいっぱいの部屋」 「ハンブルパピー」 「フィリキンじいさん」 「ルビーが詰まった脚」 「ロープの手品を見た男」 「希望(ホープ)」 「聴くこと」 「上の階が怖い女の子」 「変身の夜」 「キンバルス・グリーン」
魔を祓う力を持つ討魔師となった慶次は、恋人兼相棒の有生とバディを解消し、別々の相手と組んで仕事をする日々。 だが2人の交際は順調で、人目を憚らずキスされたりとラブラブだけど、未だに慶次の家族の反対で同棲できない。 ある日、慶次が憧れる有生の兄・耀司に子狼を預かってほしいと頼まれる。 見習い眷属の子狼を全力子育てすることを約束した慶次。 そして子育て中に慶次が新しい隣人と仲良くしていることが面白くない有生。 そんな時、有生の能力が欲しい敵の一族の魔の手が…!?
『Lilith』『無垢なる花たちのためのユートピア』など、そのみずみずしい才能でいま最も注目される歌人・作家、川野芽生。 『無垢なる花たちのためのユートピア』以前の初期作品を中心に、書き下ろしの「天屍節」、「ねむらない樹」川野芽生特集で話題となった「蟲科病院」など全51編を収録した待望の最新作品集。 円城塔さん推薦! 「誰もが探していたのに見つからなかったお話たちが、こうして本に育っていたのをみつけたのは、あなた」