2022年12月7日発売
心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか?新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。恋人を詐欺被害で亡くしている共演者の麻子は、ある日、生放送で未だに捕まらない犯人への憎しみを口走り、その発言が炎上する。一方、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された、澪も知る青年が消えた。その件に絡んで自宅待機となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。防犯映像には暴力団との交際が噂される刑事が…警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに。
この仕事は、誰かがやらなければいけない。 目の前の患者を救うことを、分け隔てなく。 函館にある医療刑務所分院に努める勤める金子由衣(かねこゆい)は、2年目の矯正医官。医療刑務所では、患者である受刑者の平均年齢も高く、凶悪な罪を犯した者も基礎疾患などを抱え医師の助けを必要としている。一方で不調を訴え刑務作業逃れをしようとする者も多い。受刑者の過去の罪と患者としての現在の状況を毎日のように目の当たりにし、贖罪とは何かを考える由衣だったが、当直の晩、糖尿病を患っていた前科四犯の受刑者が亡くなった。これは医療事故か、あるいは殺人事件なのかーー。
武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。看板娘の孫、お君。 親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗「南星屋」には、味と人情に惹かれやって来るお客が列をなす。 麹町を大火が襲った夜以来、姿を見せなくなった気のいい渡り中間を案ずる一家だったが、ある日、思わぬところから消息が届き……。 「誰だって、石の衣は着ているもんさ。中の黒い餡を、見せねえようにな」 ほろりとやさしく切ない甘みで包む親子の情、夫婦の機微、言うに言えない胸のうち。 諸国の銘菓と人のいとなみを味わう直木賞作家の大人気シリーズ、最新刊! 〈収録作〉 饅頭くらべ 母子草 肉桂餅 初恋饅頭 うさぎ玉ほろほろ 石衣 願い笹 饅頭くらべ 母子草 肉桂餅 初恋饅頭 うさぎ玉ほろほろ 石衣 願い笹
廃屋で全裸の男が遺体で発見された。動物用の檻に閉じ込められ、腹部には深く大きな傷があった。そして傷口には、薬品が付着している。混乱の中、捜査が始まるが、今回の事件、刑事・如月塔子の相棒は鷹野秀昭ではなかった。いったい、なぜ?戸惑っている塔子を嘲笑うかのように、その夜、第2の事件が発生ー。闇夜から犯人を、引きずり出すことができるのか?大人気警察シリーズ、2年ぶりの最新刊!
誰かと生活することは、めんどくさいけどあたたかい。鎌倉駅から徒歩8分。木々と小鳥に囲まれたシェアハウスには、今日もカレーとコーヒーの香りがいっぱい。まだ空室アリ〼。男手一つで育ててくれた父が死んで、鎌倉のカフェを引き継いだ香良。ある日離婚した親友が押しかけてきて、いつの間にかシェアハウスをはじめることに! 次々やって来る入居者たちは、みんなちょっとワケあり。慣れない他人との共同生活に、イラっとしたり文句を言ったりもするけれど……。家族だから言えない、家族だから甘えられない。そんなひとりぼっちになった住人たちが見つけた新しい形のきずなに、あたたかい気持ちになる1冊。
東大出身、元厚労省のキャリア官僚、真波莉子。問題は解決せずにはいられない「何でも屋」で、退官後もファミレスや病院を立て直したり大忙し。その評判を聞きつけまた新たな問題が舞い込み何故か限界集落を活性化させるハメに。そこに勝気な敏腕コンサルが現れてー。