2022年3月11日発売
鎌倉源平大河ロマン! 13人衆イチの洞察力に優れた武士梶原景時が見つめた、 峻烈の人頼朝×戦の申し子義経 乱世の光と影、そして生と死。なぜ兄は弟を拒絶したのか? 武者たちの世が拓かれた時ーー 天は晴れ、潮の匂いが濃かった。しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。(ぶざまではないか。みじめではないか)景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。(あれほどの天賦の才を……)景時は、くやしかった。なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。(本文より) これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。
『アーモンド』を生んだ「チャンビ青少年文学賞」受賞作品! 十八歳のユ・ウォンは有名な女子高生だった。十二年前のマンション火災事故の奇跡の生存者として。ユ・ウォンの姉は、幼い妹を布団で巻いて十一階から投げ落とした後、帰らぬ人となった。地上で彼女を受け止めたおじさんは、足に重い障害を負った。ユ・ウォンは奇跡の象徴として、おじさんは英雄として、一躍、時の人となった。 あれから十二年。いまだに世間は「あの事件の子」という眼差しで彼女を見る。姉は神格化され、「英雄」のおじさんは家をたびたび訪ねてきてはお金を無心していく。 そんななか、ユ・ウォンは同じ高校に通うスヒョンと知り合う。自分とは正反対のスヒョンに影響され、初めて他人に心を開いていくが……。 過酷な運命を背負った少女の軌跡を描く、感動と希望の成長小説!
時は平安。越後の山村で暮らす童女ヒナの前に不思議なひとが落ちてきた。そのひとの名はフェノエレーゼ。悪行三昧の末、罰として翼を封じられた天狗でした。翼を取り戻すには人間の願いを叶えなければならず。しぶしぶ旅立つフェノエレーゼに、ヒナもついていく。果たしてフェノエレーゼは、翼封じの呪いを解くことができるでしょうか。
『女ふたり、暮らしています。』の著者が贈る、「話し方」についての珠玉のエッセイーー 人と話す、人前で話す、不特定多数を相手に話す。オンラインを含め発信方法が増え、人と人のつながりも多彩になった現代では、「話す」ことには練習が必要だ。 ・思ったことが正確に伝わるように「話す」 ・相手が気軽に話せるように「話す」 ・人の心に響くように「話す」 ・人を傷つけないように「話す」 ・謙遜しすぎないように「話す」 これらは、生まれ持ったよほどのセンスでもない限り、経験と気づきと学習と訓練がなければ上達しない「技術」である。本書では、韓国の人気ポッドキャスト司会者であり、敏腕コピーライターである著者が、日常の会話や講演、配信、インタビューなどあらゆる場面で人と話して見つけた、小手先のテクニックや話術とはひと味違う、「話し方の技術」について語る。 〈序文〉ついでだから言いますが 内気な子ども あなたは話す人になる 役柄と本当の自分 間(ポーズ)の技術 話し方の先生たち 植木鉢から森へ 言葉から力を抜く つらいときは力を抜けばうまくいくーー「世界を変える時間、十五分」講演録より 講演で緊張しない方法 「チェキラウト」を始める 私の声ってこんなだっけ? 良質な対話のために考えること 音楽としての話し方/聞いて、その瞬間にいるということ/会話のエネルギーバンパイアたち/集中力の限界を知る/私の話し方の道具ーーマインドマップ いいものをいいと言うこと 建国以来最大の女性作家の集まり 女性たちへーー私たちには謙遜する権利はない 「チョ」とは何か 最高の酒の肴は会話 沈黙について そんなことまでいちいち言わなければダメなのです 説得は魅惑に勝てない 私の好きな声 誰も傷つけない言葉 対話の悦よろこび 声を上げよう
窓の外でヘリコプターが着陸するのを見て、ギャビーは仰天した。あれはテモスの国旗!アンゲル王子がなんの用でこの田舎へ?ギャビーは大学時代、誰もが憧れる彼に熱烈な恋をしていた。5年後アンゲルと再会した彼女は、熱く誘惑されて純潔を捧げる。翌朝、姿を消した彼の赤ん坊を身ごもるとは想像もせずに。ところがギャビーが妊娠を伝えに行っても、アンゲルは信じず、弁護士を従えて“僕の子のはずはない!”と言い放った。あの屈辱から1年、彼は赤ん坊が我が子だと突きとめたらしい。結婚か裁判か迫られ、ギャビーは泣く泣く結婚を選んだ…。
冷たいプレイボーイ富豪に恋したら、 悲しい結末が待っているだけなのに……。 ローズが仕える敏腕でハンサムなボスは、 ハイテク企業を経営するスペイン富豪ラファだ。 ラファの妹の結婚式に花嫁付添人として参列したローズは、 式後のパーティで彼と一緒にダンスを踊り、否応なく惹かれる。 だが、ローズは弾む気持ちに歯止めをかけた。 故郷の実家には母亡き後、難しい病気で苦しむ父が残され、 治療のためにお金を送らなければならない。 職場での恋愛沙汰で失業するような事態は絶対に避けなければ。 ボスは誰も愛さず、結婚などしないと決めている男性なのだから。 ボスとの関係は仕事の上だけと自分に言い聞かせたローズ。ところがパーティの数日後、彼に出張への同行を命じられます。ボスの所有するメガヨットで地中海をクルーズし、彼と共に上流階級の人々をパーティやイベントでもてなすうち、禁断の情熱が燃えて……。
セシリアは上司のルカに密かな恋心を抱いていたが、彼のあまりの放蕩ぶりに退職を決めた。もう限界だった。だが、ルカに辞意を告げた日の夜、サプライズが待っていた。彼が豪華なネックレスをくれたのだー誕生日プレゼントとして。誰にも祝われることなく終わると寂しく思っていた彼女は、ルカの心遣いに胸を打たれ、情熱の赴くまま彼に身を委ねた。数週間後、彼女はもうひとつ、贈り物を受け取ったことを知る。放蕩者の彼は、きっと父親になることなど望まない…。セシリアは妊娠を誰にも告げぬまま、会社を去った。
ロバートに会える…!ソフィーの胸は高鳴った。寄宿学校を卒業した彼女は、列車で故郷へ向かっていた。彼女が4歳のときに父が再婚し、ソフィーには2人の義兄ができた。どちらの兄も優しかったが、とくに長兄のロバートは特別な存在だ。忘れもしない。一昨年、クリスマス休暇で実家へ帰ったとき、ふいに彼にキスをされた。それは初めて味わう大人の口づけだった。ロバートはすぐに身を引いて謝ると、翌朝早く家を出ていった。あれ以来、顔を合わせていない。ところが久しぶりに再会した彼は、まるで別人のように冷淡でよそよそしく、ソフィーは深く傷ついた。それもそのはず、彼の傍らには、美しい婚約者が寄り添っていた。
記憶喪失の乙女と、孤独な伯爵。 傷ついた魂が出会ったとき……。 1年前の夜、ルースは婚約者と共に暴漢に襲われ、記憶を失った。 気づいたときには婚約者は消えており、今も捜し続けている。 彼がイタリアの名家バグネリ家の一員だという情報を頼りに ベネチアを訪れた彼女は、嵐の夜、その大邸宅の前に辿り着いた。 雨に打たれずぶ濡れになっていた彼女を迎えたのは、 精悍な顔つきにどこか陰を感じる、ピエトロ・バグネリ伯爵。 彼は婚約者が見つかるまで邸宅に滞在することを勧めてくれ、 ルースはしばらくピエトロの手伝いをすることになった。 白紙のままの彼女の記憶に、ピエトロとの日々が描かれていくーー 彼を愛し始めた頃、後ろめたそうな顔をした婚約者が戻ってきた。 ハーレクイン・イマージュの過去の珠玉作を、選りすぐりでお贈りする《至福の名作選》。イタリアを舞台にした、伯爵と記憶喪失の乙女のロマンスです。
結婚半年の記念日の朝、サン・ヴィターノ王国の皇太子妃ルーナは、王家所有の金鉱視察に赴く夫リーニと別れのキスを交わした。昨夜、妊娠が判明し、彼女は幸せの絶頂にあった。夫が帰宅したら、この朗報を伝えて特別な日を祝おう…。だが彼は帰ってこなかった。地震による落盤事故に巻き込まれて。打ちひしがれながらもルーナは夫の死を受け入れ、気丈にもほかの犠牲者の弔問のため隣国まで足を延ばした。そして、奇跡が起きた。病院で治療中のリーニを発見したのだ。「君は誰だ?いったい僕は何者なんだ?」ルーナの喜びは一瞬で消えた。夫はすべての記憶を喪失していた。
もはや結ばれそうもないと思われた相手との、奇跡と運命の恋物語を集めたシンデレラ短篇集! いずれ劣らぬ大人気作家たちによる珠玉のロマンスは、春の季節にふさわしい幸せな読後感です。
〈愛と命を見つめて〉 わたしに残された時間は少ない。なのに、 私を捨てたあなたと、再会するなんて……。 白血病に冒された教師アントニアは、残された日々を家族と過ごすため、 二度と帰るつもりのなかった故郷の町へ戻ってきた。 9年前の、壊れてしまいそうなほど傷ついた記憶がよみがえるーー 愛する恋人パウエルとの結婚を控え、幸せの絶頂にいたさなか、 アントニアには愛人関係にある別の男がいるという噂が立てられた。 もちろん根も葉もない作り話だったが、パウエルは怒って婚約を破棄し、 あろうことか、噂を流した彼女の親友と結婚してしまったのだ。 思い出すだけでもつらいのに、今、さらなる皮肉な運命が待っていた。 代任教師を務めることになった母校の担任クラスに、 町の有力者となったパウエルと、今は亡き妻の娘がいるとわかったのだ! 理不尽に捨てられてもなお、心の痛みを癒やせぬままパウエルを愛し続けたアントニア。まさか再会するとは思ってもみませんでした。日に日に体力は衰えていき、さらに彼と感情をぶつけ合うことに心の限界を感じた彼女は、ふたたび逃げるように町を出ますが……。
仕事を失い、子も奪われ、夫の愛も消えた。 私は“別人”になり、愛し愛される道を選んだーー 事故で顔を激しく損傷したジャッキーが望んだのは、 顔を復元する手術ではなく、別人に生まれ変わること。 整形手術で新しい顔を手に入れた彼女は、過去の弱い自分を捨てた。 ブルック・アダムソン。それがいまの彼女の名前だ。 夫のレイフに奪われた息子との再会を果たすため、強くならないと! 大企業のトップで仕事人間の夫との結婚はつらい思い出ばかり。 何がいけなかったの? どこを間違えたのだろう? そこにあると思っていた愛は、最初からなかったのかもしれない……。 でも、どんなことをしてでも息子に会いたい。 たとえレイフにどう思われ、どれほど邪魔をされようとも。 大スター作家たちの名作を厳選してお届けする《プレミアム・セレクション》。初版の刊行当時、感動の嵐を巻き起こした話題作をお贈りします。ジャッキー改めブルックと会ったレイフは、元妻とは気づきませんが、ときおり目の色や表情に類似点を見つけ……。
ドクター・グレンフェルの下で働く看護師のユージニア。外科医長の彼とはもう3年も一緒だというのに、いまだにお互い他人行儀でよそよそしい態度のままだ。長身で悠然としていて、誰からも尊敬されるドクターが相手では、ユージニアが緊張してしまうのは無理もなかった。それでもふとした拍子に、こちらを見ている彼と目が合うと、なぜかユージニアの頬はぽっと赤く染まるのだった。そんなある日、彼女はグレンフェルから突然、驚きの指名を受ける。「海外に出張する予定が入ったので、君を連れていくことにした」なぜ私を?思わず湧いた恋の期待をかき消すユージニアだったが…。
元社畜、愛するモフモフたちと共に最悪の敵に立ち向かう! 超巨大モンスター・ペオニーとの地獄のような戦いを制し、新たな安全地帯を手に入れたカズトたち。 だが、まるで「システム」を無視するかのように安全地帯を抜けて襲い来る、ありえざるモンスターが現れた。 「初めまして、クドウカズト。私は君を殺しにきたーー」 正体不明にして、カズトを一方的に知る黒衣のスケルトン。 カオスフロンティアが秘めた「ある可能性」のために、カズトを執拗に求めるスケルトンの真の目的とは……? モモをはじめ、可愛いモフモフたちも大活躍の、元社畜最強サバイバル、待望の第5弾!
出漁中の遭難から10年、アメリカから鎖国中の日本に命がけの帰国をした万次郎。琉球に辿り着いた時の万次郎の行動と心情、日本の混迷を初めてつぶさに描いた物語。
貧しい百姓の娘・みつ。学校には行けず、少しでも家族を助けるため懸命に仕事を手伝う日々。肩を寄せ合いながら生きる一家を襲う過酷な運命とは。(第一部) 大人になり、夫と障害のある娘と慎ましく暮らすみつ。だが、戦争は日増しに深刻さを増していたーー。(第二部) 貧に生まれ、貧に育ち、貧に生き、貧に死んだ一人の女の明治、大正、昭和三代にわたる六十余年の生涯。時代に翻弄され、貧しさに耐え忍びながら、ひたむきに生きたその姿を静かに、力強く描いた佳作。 【著者プロフィール】 金井 未来男(かない・みきお) 1931年生 「季刊作家」同人 埼玉県在住