2022年4月26日発売
大学院でサルトルを学ぶ中条珠絵は、亡き祖母と母と暮らした一軒家で一人暮らしを続けていた。生後すぐに母は離婚し、父とは二十数年会っていなかったが、ある日、伯父から再会を勧められる。迷った末に銀座のバーで出会うが、なりゆきから娘と名乗らないままに食事を重ね、恋愛にも似た感情を覚える。自身の結婚を機に、改めて父娘としての再会を果たすも、二人には共通の思い出がないことに気づく。郷里への旅や父の闘病を経て、ようやくたどり着いた父娘の在り方とはー。二十数年ぶりに出会う父娘の再生の物語。著者の自伝的フィクション。
田町家が取り壊され増谷家・会沢家として生まれ変わろうとするなか、ついに“かふぇ あさん”の夜営業が始まる。見慣れないお客さんとともに、不思議な事件も舞い込み…。そして、藍子とマードックのイギリス生活にも大きな転機が。さまざまな変化や初めての試みに、堀田家は「LOVE」を胸に挑んでいく。人気シリーズ待望の第17弾!
〈メグレ警視〉シリーズの作家が、人間であることの病いをどこまでも灰色に、“イヤミス”以上にほろ苦く描くーーシムノン初期の、「純文学」志向の〈硬い小説〉の傑作2篇がついに本邦初訳で登場! シムノン研究家の顔をもつ小説家・瀬名秀明による、決定版シムノン「解説」を収録。
筋金入りの腐女子から侯爵令嬢に転生したフィニは、今日も今日とて国王ロランの“総受け”妄想に心血を注ぐ日々。月のように冷たい美貌と哀しい生い立ちを持つ彼が、腹心の部下たちに愛される物語を創作して、腐女子の血を滾らせていた。それなのにある日、父である侯爵の勘違いによって、なんとロランの妃候補として後宮入りすることに!?ちょっと待って、私が推しの隣に立ってほしいのは素敵な“攻め”であって、私自身ではないんですけどー!!
伯爵令嬢クローディアは幼い頃、血筋と財産目当ての子爵家に嫁ぐ羽目になり、以来夫と顔を合わせることもなく七年放置状態。こんな男、自立の準備ができたら離婚してやる! と日々奮闘していたが、なぜか公爵令息セオドリックが近づいてきた。しかも「どうせなら派手に復讐してみないか?」って何ですか!? そこから離婚前に一流の貴婦人となりクズ夫一家を見返してやろうとの計画にのっとり、社交界デビューを果たすクローディア。それもセオドリックの想い人という設定でーーあれ? これお芝居よね? 最初は面白がって協力していた彼の瞳がいつしか真剣なものになっていることに、クローディアの心臓も高鳴ってーー。結婚で落ちぶれた令嬢と隠れ腹黒な貴公子との共同戦線ラブストーリー!