小説むすび | 2022年4月26日発売

2022年4月26日発売

雌犬雌犬

これはわたしの犬《むすめ》。 もし何かしたら、殺してやる。 この世から忘れ去られた海辺の寒村。子どもをあきらめたひとりの女が、もらい受けた一匹の雌犬を娘の代わりに溺愛することから、奇妙で濃密な愛憎劇《トロピカル・ゴシック》が幕を開ける…… 人間と自然の愛と暴力を無駄のない文体で容赦なく描き切り、世界15か国以上で翻訳され物議をかもしたスペイン語圏屈指の実力派作家による問題作が、ついに邦訳! 【古川日出男さん推薦!】 全篇に乾いた〈距離〉が満ちる。 人が愛に渇いて、世界中が愛の雨を枯渇させて、乾いて。 物語はまさに〈断崖〉の上に立つ。 【スペイン語圏の錚々たる作家たちも絶賛!】 『雌犬』は、真の暴力を描いた小説だ。作者キンタナは、私たちが知らないうちに負っていた傷口を暴き、その美しさを示して、それからそこに一握りの塩を擦り込んでくる。 ーーユリ・エレーラ この本は、あなたを変える。残忍であると同時に美しいコロンビア沿岸の荒々しい風景のなかで、母性、残酷さ、自然の揺るぎなさに注ぐまなざしがここにある。結末は忘れられない。 ーーマリアーナ・エンリケス この飾り気のない小説の魔力は、一見何かまったく別のことを物語りながら、多くの重要なことについて語ることにある。それは暴力であり、孤独であり、強靱さであり、残酷さだ。キンタナは、冷静で、無駄のない、力強い文体により、読者を驚嘆せしめるのだ。 ーーフアン・ガブリエル・バスケス ☆2018年コロンビア・ビブリオテカ小説賞受賞 ☆2019年英国PEN翻訳賞受賞 ☆2020年全米図書賞翻訳部門最終候補 ☆RT Features制作による映画化決定! Pliar Quintana, La perra(2017)

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2022年4月26日 発売

ーーこの本は、なんだかわからないうちに人生をしくじった僕と、その周辺について書いたものである。 青春が終わっても人生は続く。若さゆえの生きづらさを描いてきた小説家が、新たな苦しみに直面した三十八歳から四十歳までの日々。web好評連載、待望の書籍化! 中年男性は生きにくい。 結婚しても結婚しなくても地獄だ。 どうすれば我々は救われるのか? そんな疑問への答えが描かれたメタフィクション。 面白い! ーー滝本竜彦氏推薦!! 《本文より》 三十八歳だというのに暮らしが崩壊寸前で、キッチンに山積みになった皿を洗う前に、ビールを飲まないと気合いが入らず、夜遅くに帰ってきた妻と顔を合わせるとき、変に緊張してしまうような僕は、まあざっくり云って人生がしんどい。 ーーーーーーー ナイフはすっかり研がれている。僕はそんなナイフを見て、自分と他人のどちらに突き刺すべきかを考える。答えはすでに出ている。臆病者の僕はそもそもナイフなんて使わないし、他人を殺すよりも自分を殺すほうがいいし、自殺するときは首吊りってむかしからきめているから。 ーーーーーーー Q.疲れた人生を救うものはなにか? 殺人と自殺以外で答えなさい。 A.失踪と不倫! 佐藤友哉(さとう・ゆうや) 1980年北海道生まれ。2001年『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞受賞。2007年 『1000の小説とバックベアード』で三島由紀夫賞を最年少で受賞。他の著書に『クリスマス・テロル invisible×inventor』『世界の終わりの終わり』『デンデラ』『ナイン・ストーリーズ』『転生! 太宰治 転生して、すみません』等がある。

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