2022年6月23日発売
日本文藝家協会が毎年編んで読者に贈る年間傑作短篇アンソロジー。2021年の1年間に文芸誌などの媒体に発表された全短篇のうち12篇を厳選。あらゆる境界線を相対化し、人間存在の根本を問おうとする、この国の文学状況を1冊で俯瞰する。 解説:磯崎憲一郎 休学(国産のため) 高瀬隼子 部屋と喫水 山尾悠子 もふとん 酉島伝法 マジックミラー 千葉雅也 消滅 藤野可織 時計と船 田中慎弥 川のある街 江國香織 永遠年軽 温 又柔 ハジケテマザレ 金原ひとみ はこのなか 紗倉まな 行かなかった旅の記録 宮内悠介 フィリフヨンカのべっぴんさん 乗代雄介
「上質でおもしろくてきれいな、短篇小説の雑誌を作りたい! 同人誌でなくプロフェッショナルな!」 こんな考えで始まった『吟醸掌篇』の第4号。 「最近は短篇小説が減ったなあと思います」「短篇の受け皿としての雑誌の存在がとても大切だと思います」(頭木弘樹「コラム・短篇礼讃」)との応援の言葉を巻頭に頂き、中堅・無名のプロ小説家による新作短篇6本、翻訳(19-20世紀米女性作家)、版画と詩のほか、「わたしの愛する短篇作家(ブッツァーティ)」「去年の読書から、短篇ベスト3」(斎藤真理子、寺田和代、林浩治、踏)などコラムも好評。短篇小説好きにはこたえられない一冊です。 気鋭の現代日本画家、有冨禎子はじめ実力派イラストレーターによるさし絵も充実。装幀装画のネコ作家シリーズ(山崎まどか)は、ニャ宰治。 【エッセイ】 ・「短篇礼讃(結晶とスナップショットと未完・断片)」頭木弘樹(画・木村千穂) 10 ・わたしの愛する短篇作家4「ディーノ・ブッツァーティ〜残された宿題」空知たゆたさ(画・三堂懐古)59 ・去年の読書から わたしの短篇ベスト3 「霊魂は如何にして闘うか」林浩治 89 「閉塞の日日、思いがけない救い手は」寺田和代 93 「行動しない男たち〜コロナ禍のなか、徒然に〜」踏 96 「たくさんの他人の話」斎藤真理子 100 【翻訳】 ・「黄昏どき」 スーザン・グラスペル/まえだようこ訳(画・八木橋幸子) 103 【詩と版画】 ・「ひかり」 武藤玲 2 【創作】 「お水とり」 なかむらあゆみ(画・とどろきみゆき) 16 「爆心地ランナー」 志賀泉(画・有冨禎子) 22 「白化かしの村」 松本薫(画・三堂懐古) 44 「ヌスット透視図」 片島麦子(画・とどろきみゆき) 63 「鳥の餌を盗む」 藤本紘士(画・奧津直道) 79 「蟻の王様」 栗林佐知(写真・踏) 114 【装幀・装画】 山崎まどか