小説むすび | 2022年7月22日発売

2022年7月22日発売

木々、坂に立つ木々、坂に立つ

発売日

2022年7月22日 発売

ジャンル

南北分断と朝鮮戦争をめぐる若者群像 いつの時代も戦争で被害に遭わない若者はいない。戦地に送られ生死の境をさまよったあげく、除隊後も不安定な精神状態から逃れられないのだ。残され、ただ待ち続けた女性たちも例外ではない。 廉想渉につづき、韓国の現代文学への橋渡しをした大物作家の一人、黄順元は、廉想渉よりも十八歳年下で、南朝鮮に越南してきた。創作の質と量から見ても廉想渉に匹敵する大作家と言って差し支えない。性描写がかなり露骨であるのも当時の韓国小説としては異色である。本作を読み終えたとき、きれいごとではないどぎつい臨場感に圧倒された。戦場での苦しみは、消えることがない。日本文学ともまた違う、この時代の朝鮮文学によって、外国文学を読む意義と醍醐味を再認識したのもこの作品だった。(訳者) 【あらすじ】 戦争前はエリート候補のはずだった大学生3人は学徒兵に。一番不器用なドンホは最前線の歩哨に立って自殺。除隊後、飲み歩くヒョンテは娼婦の自殺幇助で収監される。ただ一人、ユングだけは養鶏業を始めて何とか生き抜いていこうとするが……。 第一部 第二部 「木々、坂に立つ」解説

ボイジャーに伝えてボイジャーに伝えて

出版社

風鯨社

発売日

2022年7月22日 発売

「I’m here.」「I’m glad you are there.」 私はここにいる。 あなたがそこにいてよかった……。 世界の本質を鮮やかに描いた慧眼の作家 駒沢敏器が遺した幻の長編小説が、没後10年を経てついに刊行。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  「人が遠い旅を求めるのは、自分のいる場所を知りたいからじゃないだろうか。どこまでも遠くへ行くと、 最後には自分の内面にまで戻ってくるような気がするんだよ」 「死を、いま生きている対極に置くんじゃなくて、いのちをいのちたらしめているものとして、 自分のなかに親密に取りこんで、その死との関係性のなかで生きることが、 人生を充実させるように思ったんだ」 (本文より) 世界の自然音を録音しながら音の向こうの世界を見出そうとする公平と、レコーディングスタジオで働く恭子。 セント・ギガ(実在したフィールドレコーディングを中心にしたラジオ局)に感銘を受けて自然音を採取し録音作品を作り始めた公平は、見えない音の向こう側にある世界を見出そうと日本を旅し、沖縄にたどり着く。その旅路を見守る恭子。2人は、お互いの存在を通してそれぞれ自分自身のあり方について真摯に模索し続けていく。 世界中を巡りながら紀行文を書いてきた駒沢氏の抱えていたテーマや思想が、フィクションという形で展開された作品。

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