2022年7月22日発売
まず牛を球とします。まず牛を球とします。
培養肉の広報員から、大正電気女学生、箱男まで大活躍。牛は食べたいが、動物は殺したくない。そんな人類の夢が実現した未来「まず牛を球とします。」、ミステリ少年漫画家の苦悩「犯罪者には田中が多い」、昭和二〇年八月、広島に世界初の原子爆弾が投下されたが、なぜか爆発しなかった…ありえた過去を描いた書き下ろし「沈黙のリトルボーイ」他、全一四編。ハンバーガー屋の待ち時間に気軽に読めて、味わい濃厚、サクッと読めてザクッと刺さる、極上のSF作品集。
色えんぴつのワルツ色えんぴつのワルツ
事務職のアルバイトをそつなくこなしながらもどこか物足りない毎日をすごす、琴。ある有給休暇の金曜日、気が付くと知らない場所にいた。そこは夢と現実が交差する不思議な空間でー。彼女の「自分を探す旅」がいま始まろうとしていた。気がつくとそこは静寂に包まれる森の中だった。傍らには眠りこける黒猫に、鉛筆と消しゴムとスケッチブック。あざやかに紡がれる幻想的な物語。
君という生活君という生活
親密な関係なのに、心がすれ違う、「君」と「私」の変奏曲。『娘について』『中央駅』など、疎外された人々の視点から韓国社会を描いてきたキム・ヘジン。胸に迫る8つの傑作短編!さびれた教会前で野良猫に餌をあげていた私に話しかけてきた君と、地域の再開発話。大学新聞に所属する私と君と、ある嫌疑をかけられる先生の話。パーティで好奇と同情の目にさらされ、当惑する同性カップル。同等な存在だと思っていたのに、亀裂が入る君と私。寂寥感と抒情があふれる。
木々、坂に立つ木々、坂に立つ
いつの時代も戦争で被害に遭わない若者はいない。戦地に送られ生死の境をさまよったあげく、除隊後も不安定な精神状態から逃れられないのだ。残され、ただ待ち続けた女性たちも例外ではない。南北分断と朝鮮戦争をめぐる若者群像。
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