2022年9月26日発売
群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。かつて容疑者だった男。取り調べをした元刑事。娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。若手新聞記者。一風変わった犯罪心理学者。新たな容疑者たち。十年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのかー。
老舗の陶磁器店を営む熟年の貞彦・暁美夫婦は、近くに住む息子夫婦や孫と幸せに暮らしていた。ところが息子が何者かによって殺害されてしまう。犯人は、息子の妻・想代子の元交際相手。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。暁美は残された想代子を疑う。貞彦は、信じたいと願うが…。家族への「疑念」を描く静謐なミステリー!
1978年6月。ナディアは著名な作家のシスモンディに、友人・矢沢駆を紹介する。シスモンディのパートナーであり、戦後フランス思想家の頂点に立つクレールが彼女にあてた手紙が消失した謎を駆に解き明かしてほしいというのだ。しかし手紙をネタに誘い出されたシスモンディとナディアは、セーヌ川に係留中の船で全裸の女性の首なし屍体を発見する。事件の調査のためリヴィエール教授を訪ねると、彼は若き日の友人、イヴォン・デュ・ラブナンのことを語り始める。39年前、イヴォンも首なし屍体事件に遭遇したというのだー。増殖する不可解な謎を、矢吹駆が解き明かす!
時空を超えて、因果はめぐる。“シャッター通り”となって久しい商店街に突然現れた記憶喪失の男。人々は男を「サブちゃん」と呼び、1ヶ月交代で預かることにするが、やがて彼を預かった家には大きな福が訪れることがわかりー。『三郎商店街のサブちゃん』ほか、世にも不思議な物語全5篇。
著作累計100万部を突破した 小説家・喜多川泰が紡ぐ心の再生物語。 [あらすじ] 中学校の社会科教師として30年のキャリアをもつ石橋嘉人は、心が不安定な新米教師・山吹日奈の面倒をみながら、コロナ禍で大きく変化する教育現場や子どもたちの心情に憤りを感じていた。ある日、愛媛県警からの連絡で実父が亡くなったことを知る。父親とは38年前、逃げるように母親と家を飛び出してから会っていないうえに、自分の記憶からも消していた存在だった。時はちょうど「西条まつり」が行われる秋の10月。江戸時代から続く日本一のだんじり数を誇る祭りの高揚感が、唯一の父親との記憶を蘇らせた。義人は、生まれて初めて父親の実像と向き合う決心をする。それは、自分の心を癒す再生の時間でもあった。 [本文より] 自分に与えられた条件のなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。 「よくがんばりました」 そしていつか自分も人生を終えるときに、誰かが、誰でもいい、たった一人でもいいから、自分に対してそう言ってくれたら、自分の人生は報われるんじゃないか。そう思えた。 人間の凄さっていうのは、 すべての人が、その人の人生を 懸命に生きているところにある。 春の風のようなひかり 1978 パノプティコン 2022 湊哲治 2022 離郷 1984 故郷 2022 祭りの記憶 御旅所 1982 真鍋陽子 2022 ひかりに照らされて 宮出し 2022 人の凄み 2022 御旅所 2022 同行二人 1984 あとがき