2022年9月5日発売
バーテンダーの雫は、ある日突然店ごと異世界に飛ばされた。すぐには元の世界に戻れないと知った雫は、生活のためバーを始めることに。すると店には訳ありの住人が次々とやってきてーー。力不足に悩む冒険者の少女、親友と喧嘩し荒ぶる男、田舎を捨てた獣人の娘、亡き夫の言葉を確かめにきた婦人……雫はそんな住人たちを自慢のお酒で癒していく。 プロローグ 〜とあるショットバーのありふれた風景〜/新天地/営業に向けて/営業開始/別の道で/報われた瞬間/素晴らしい仕事/バーテンダーとして/変わった注文/消えない愛/決断の時/エピローグ
エルピーダ孤児院の院長先生となったイストは、冒険者兼ギルドマスターとしても認められ、生徒たちとともに難題解決へと乗り出す。エルピーダには新たな天才少女たちが加わり、やがてそこから旅立つ者、自分の道に思い悩む者も…。スキル“覚醒鑑定”を駆使して皆を護り、導いていくイストだったが、そんな彼の前に力の魔王クドスが現れてー!?
安楽死が合法化されている2040年、神奈川県・江ノ島を望む“ラストリゾート”。この場所で死を願う人々と向き合う“人命幇助者”の東峰渚は、かつて自らも安楽死を望んでいた。だからこそ、寄り添える痛みがあると信じたい。あの時の自分を照らしてくれたような、誰かの希望の光になりたいと願っている。それがたとえ、最も許せない人であっても。生きる辛さ、その孤独に優しく寄り添う。SNSで話題を呼んだ『レゾンデートルの祈り』、待望の続編。
「勧進帳は不敬である!」 昭和十年、東京。満州国皇帝溥儀が来日し、亀鶴興行は奉迎式典で歌舞伎の名作「勧進帳」を上演。 無事成功するが、台詞が不敬にあたると国粋主義者が糾弾。 脅迫状が殺到した直後、亀鶴興行関係者が舞台装置に首を吊った姿で発見ーー。 江戸歌舞伎狂言作者の末裔、桜木治郎が大いなる謎に挑む、驚嘆の“劇場×時代ミステリー"! あの戦争へ、日本が最後の舵を切った時代を彫刻する渾身作。 『壺中の回廊』、渡辺淳一文学賞受賞『芙蓉の干城』に続く、昭和三部作完結! ■著者略歴 松井今朝子(まつい・けさこ) 1953年、京都市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了。歌舞伎の企画制作に携わった後、故・武智鉄二氏に師事し歌舞伎の脚色・演出を手がける。 1997年『東洲しゃらくさし』で小説デビュー。同年『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞、2007年『吉原手引草』で第137回直木賞、2019年『芙蓉の干城』で第4回渡辺淳一文学賞 を受賞。著書に『壺中の回廊』『師父の遺言』『縁は異なもの 麹町常楽庵月並の記』『料理通異聞』『江戸の夢びらき』などがある。
「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」 金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ「ラ・シルフィード」。 交通事故の保険金で帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。 お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。 演じること、観ること、観られること。ステージの彼方と此方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。 ■著者略歴 小川洋子(おがわ・ようこ) 1962年岡山市生れ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。21年紫綬褒章受章。『小箱』『約束された移動』『遠慮深いうたた寝』ほか著書多数。
ミステリ作家vs連続放火犯 のどかな集落を揺るがす闘い! 東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは? 地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園"小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。 【著者プロフィール】 池井戸潤(いけいど・じゅん) 1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『ノーサイド・ゲーム』『シャイロックの子供たち』などがある。
東京に来なかったほうが幸せだった? Twitterで凄まじい反響を呼んだ、虚無と諦念のショートストーリー集。 「3年4組のみんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。大型チェーン店と閉塞感のほかに何もない国道沿いのこの街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話をします。」(「3年4組のみんなへ」より) 「『30までお互い独身だったら結婚しよw』。三田のさくら水産での何てことのない飲み会で彼が言ったその言葉は、勢いで入れたタトゥーみたいに、恥ずかしいことに今でも私の心にへばりついています。今日は、彼と、彼の奥さんと、二人の3歳の娘の新居である流山おおたかの森に向かっています。」(「30まで独身だったら結婚しよ」より) 「私、カッパ見たことあるんですよ。それも二回。本当ですよ。桃を持って橋を渡ると出るんです。地元で一回、あと麻布十番で。本当ですよ。川面から、顔をニュッと目のところまで突き出して、その目で、東京にしがみつくために嘘をつき、人を騙す私を、何も言わず、でも責めるようにじっと見るんですよ。」(「カッパを見たことがあるんです」より) 14万イイネに達したツイートの改題「3年4組のみんなへ」をはじめ、書き下ろしを含む20の「Twitter文学」を収録。 【推薦コメント】 面白すぎて嫉妬した。俺には絶対に書けない。 ーー新庄耕さん(作家,『狭小邸宅』『地面師たち』) 【著者略歴】 麻布競馬場(あざぶけいばじょう) 1991年生まれ。
00’sのアメリカ西海岸サンフランシスコ。ヒッピーが愛したこの街で綴られる、世界一バカなある日本人の話。《“研究”をするために渡米した》というマーの日々を、友情、音楽、そしてドラッグが歪に彩っていく。身も心も包み込むトリップの先で、「決してあの世界で見たことを話してはいけない」と告げられたマーの目に映ったのは、虚構かそれとも真実か…この瞬間を生きる若者の不安定な青春を描いた新感覚「論文」!
“県警のアマゾネス”の異名を持つ高頭冴子は、留学生の不審な失踪が相次いでいるという噂を耳にする。その数日後、中国国籍で新疆ウイグル自治区出身の留学生カーリの死体が発見された。冴子と部下の郡山は、事件に中国公安部が絡んでいることを掴むが、冴子に助けを求めていたカーリの同僚・レイハンも容疑者に連れ去られてしまう。彼女を救い、事件の真相を暴くため、中国へと渡った冴子と郡山を待ち受けていたのは、ウイグル民族のあまりにも凄惨な現状だった。
★2021年間ベストセラーランキング第1位、ついに日本上陸★ ★韓国で20万人が共感!★ ★世界的人気K-POPアイドルグループNCTのリーダーTAEYONG(テヨン)が VLIVEで紹介した話題の本★ 誰にでも輝く瞬間はあるだろうが、いつも永遠ではない。 ふと心に闇が舞い降りる瞬間があっても、転んでも倒れても大丈夫。 また立ち上がればいいから。 いちばん大事なことは、その間も成長しているということを忘れないこと。 時には堂々と、時に淡々と、私らしく輝けばいい。 小さくても大丈夫。星は、小さいほど長く残って輝くから。 夜空のような日常で、あなたという星もすでに輝いている。 人生はいつも幸せというわけではなかったけれど、不幸もあったからこそ、幸せにもっと価値が生まれるのでしょう。多くの人間関係をつくってきたからこそ、いま大切な人たちと一緒にいられるのかもしれません。 *** 無理だとわかっていても、できないとわかっていても、しがみついたこともある。でも、これからはぴんと張った人生との綱引きをやめて、ゆるく生きていこう。悪いことがいくつか続いたあとの、うれしいことひとつ。それが、わたしを生かしてくれるのだから。 *** いつだったか、マリリン・モンローが語った人生の助言を読んだことがあります。星に関するものでした。「わたしたちはみんな星、誰もが輝く権利がある」。その一言に、心臓がどきりとしました。 *** ある本で読んだことがある。人は愛【サラン】から人【サラム】になった、愛の存在だと。だから、いちいち他人の言葉に傷つく必要はない。自分の愛し方を知っていれば、他人の言葉に振り回される理由もない。自分より大切な人も、自分よりいい人もいない。 *** 人間関係に意味をつけ加えるのは、時間ではなく記憶だから。意味のある記憶があれば、関係が崩れることはない。それは、お互いを生かす救いとなる。 *** 人生が文章なら、どんな単語たちが、わたしの人生を説明してくれるだろう。どんな文章でも、愛が抜けていませんように。 *** 自分の努力で得たものじゃないなら、自分のものじゃないのだから、うらやましがらないこと。自分の失敗で起こった結果じゃないなら、自分のせいじゃないのだから、がっかりしないこと。 *** 「思う存分」という言葉が大好きだ。短くて簡潔だけど、すべてを与えてくれるような、頼もしさが感じられるから。それは完全無欠の許可の言葉だ。 *** 一度くらいは自分の好きに、一度くらいは何も考えずに、がんばらない時間も必要だから。これからわたしは、人生という戦場で、これまでのように走らないで、ゆっくり歩く準備をしよう。 1 正解がなくても輝くのが人生 2 たぶん、愛じゃないかな 3 誰もが、少しずつ成長痛を経験する 4 あなたとわたしへの挨拶 おわりに 世界の多くの小さな星たちへ
家族に虐げられて育った令嬢・クリスティーナ。ある日妹が「聖女」と認定され帝国への輿入れが決まるが、我侭な妹はそれを拒否。クリスティーナが妹の身代わりで「聖女嫌い」と有名な皇帝マクシミリアンに嫁ぐことに。冷遇されるも、自由を手にしたクリスティーナはむしろ大喜び!祖国では隠していた魔術を存分に発揮し、古城を快適な空間に大改造。人々の暮らしまで豊かに変え、クリスティーナこそ「本物の聖女」であることが次第に明らかになっていく。そして、打算のない真っすぐな姿にマクシミリアンも心動かされ2人の距離は一気に縮まっていき…。
上位精霊に愛されたエリスは、聖女として強大な力を持っていたが、それを疎んだ古参の聖女から追放されてしまう。それならと隣国で能力を隠しのんびり暮らす決意をするエリス。しかし、ケガを負った商人・アレスを精霊力で治癒すると「奇跡の御業を持つ錬金術師だ!」と崇められてしまい…!?無自覚に最強なエリスが作る薬はとんでもなく規格外で、人々を救い暮らしを豊かに変えていく。アレスとの距離も縮まり、自由と仲間を手にしたエリスは幸せな第二の人生を満喫!その一方で、祖国は、力を失い困り果てていて…。
「愛妾が懐妊した、離婚してくれ」-天才魔道具開発者として王太子である夫に能力を搾取されてきたロザリア。初夜もないまま結婚6年目の記念日を迎えるが、名ばかりの妃生活はあっけなく終了する。しかし、ようやく自由を手にしたロザリアの心は羽のように軽かった!-「すぐに王城を去ります!」執事のアレスとともに、竜人国でのセカンドライフをスタートさせたロザリアは、規格外の力を発揮して魔道具を作り、悠々自適な時間を大満喫!そんなある日、ずっと支えてくれていたアレスが実は竜人国の王子だったことが判明して…!?
ブルゴー王国の宮廷魔術師アニエスが転生した幼女リタは、見た目は愛くるしい4歳児だが、無詠唱で高度な魔法を操り、魔人の召喚も朝飯前。しかし、その噂を聞き付けた役人を撃退したために、リタ一家は村を追われてしまう。父親フェルの故郷・首都アルガニルへ向かう道程は当然、平坦なものではなくー!?一方で、リタの消息を気に掛ける勇者ケビンや冒険者たちの人生にもそれぞれ変化が訪れる。ピクシーの里で新しい仲間も加わり、リタの周囲はますます賑やかに!
目標も無く毎日をダラダラと過ごしていた梶川光流は、ある日唐突に森の中で目を覚ます。巷で流行りの異世界転移かと喜んだのも束の間、ステータスはオール0。さらにはスキルもチートも無しでモンスターに襲われるハードモード!見習いパラディンのアルマティナに助けられて人里にたどり着くも、不遇職のアルマともども冒険者からバカにされてしまう。しかし、魔力操作を身に着けた光流はアルマと共に常識外れの成長を遂げていきー?