2022年発売
日々穏やかに、仲良く暮らすフラワーショップ店主の九条と医師の甫。ふたりの家には、甫の弟でコッペパン専門店を営む遙と甫の部下である深谷も時々遊びに来る。特に四季折々のイベント事は4人で賑やかに過ごし、美味しい食事を楽しんで…。四季の暮らしを楽しむ彼らの日常、ちょっと覗いてみませんか?サイト掲載のブログを改編+書き下ろし短編も収録。
埼玉古墳群の被葬者を武蔵国造と想定し、6世紀頃の无邪志を古代史ロマンとして再現。物語は笠原直使主を中心に展開され、独自の考察と史実をもとに当時の背景が臨場感あふれる表現で描かれている。伝承性が強く、事実が未だ明らかになっていない武蔵国造の乱の真相にも迫る画期的な作品。
この身体こそ、文明の最後の利器。 29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。 子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかったーー。 北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。 『OUT』から25年、女性たちの困窮と憤怒を捉えつづける作家による、予言的ディストピア。 【著者略歴】 桐野夏生(きりの・なつお) 1951年金沢市生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。2015年には紫綬褒章を受章、21年には早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。『バラカ』『日没』『インドラネット』『砂に埋もれる犬』など著書多数。
前世の愛読書の世界に転生していたことを自覚したティララ。しかし魔力ゼロの王女ティララは、父であり冷酷無慈悲な魔王・エヴァンに監禁され、非業の死を遂げる脇役姫だった。シリアス展開を回避するため、最恐暴君のパパを攻略しつつ、錬金術をマスターして生き延びようとしたらー前世の知識&浄化の魔力で、チートな錬金術の才能が開花!レア聖獣を作ったりもふもふ錬金術師に弟子入りしたり、念願のほのぼのライフと思いきや…なぜかパパの嫉妬が爆発して!?パパも師匠も、超絶過保護はご遠慮くださいっ!
国家簒奪を企んでいた宰相ゼフの陰謀を挫き、ささやかな平穏を取り戻したグラン王国は、アリシア姫の姉・クラーラの帰還と共ににわかに騒がしくなる。なんとルーン魔術師のヴァンを見るなりクラーラは夫にすると宣言!ヴァンに対し、ぐいぐい迫るクラーラを見て、アリシアはある決心をするー。そんな中、次期国王であるアレクシスも国へ帰ってくるが、彼はヴァンを王宮から追放しようとする。彼に滞在を認めてもらうためにはヴァンは剣術大会で優勝しなければならないが、大会では魔法の使用が禁止されていて…。
もし朝起きたとき、大切な人が消えていたら? もしあの時、別の決断をしていたら? もしもう二度と会えないと思っていた人と会うことができたら? 人生で誰もが出会う〈if〉を問いかける物語 ある朝仲内佳奈が目を覚ますと、彼氏の坂橋亮が世界から消えていた…… LINEに履歴はないし、電話帳の中の番号もなくなっている。不安になって亮のマンションに行ってみるが、亮の部屋はずっと空室だという。親友に亮の話をしても「そんな人には会ったことがない」と言われてしまう。 自分の頭がおかしくなってしまったのか、それとも世界の方が壊れてしまったのか? 佳奈は混乱しながらも、亮の手がかりを探し始めるーー 『響け!ユーフォニアム』シリーズは累計170万部を突破、『愛されなくても別に』で吉川英治文学新人賞を受賞。人気、実力を兼ね備えた気鋭が放つ、ハラハラドキドキのファンタジー青春恋愛小説。
わたしにはモノの声が聴こえるーミコは、依頼された家の“片づけ”を手伝う仕事をしている。服を手放せない主婦、本を捨てられない新聞記者、なんでも溜め込んでしまう夫婦、好きなものが見つけられない少女、死の間際に片づけを決意する老婦人…。部屋の数だけ、そこに暮らす人と、おしゃべりなモノたちとの思い出がある。近藤麻理恵が片づけてきた1000以上の部屋にまつわる実話を基に、川村元気が紡ぐ7つの部屋の物語。
新央出版の編集者・葛城梨帆の元に突然、原稿が届く。それは以前新人賞で落選した志村多恵からのもので、学生時代の友人が時を経て再会するところから物語は始まっていた。立場の違う二人の会話はすれ違い、次第に殺意が募っていく。「いっそのこと、最後にこの女を殺してやろうか」-。そんな登場人物の苦境に思いを馳せるうち、梨帆自身の忘れられない出来事と原稿内容がリンクし始める…。私たちのシスターフッドがここにある、著者渾身のミステリー!
どんな紙でも見分けられる男・渡部の紙鑑定事務所には今日も、紙にまつわる一風変わった依頼が舞い込む。紙粘土のようなものをぶつけられて怪我をした野良猫たち。漫画の単行本を「不良品だ」と言って、心を閉ざす少年。そして、凶器が消えた奇妙な殺人事件ー。プラモデル造形家・土生井やフィギュア作家・團の知識を借りながら、渡部は複雑な謎を解決していくが…。紙・フィギュア・アメコミ・印刷・コスプレなどさまざまな分野の蘊蓄を詰め込んだ、全三作の連作短編集!
晴海ふ頭近くの空き地で男性のバラバラ死体が発見され、捜査一課の長谷川班が捜査に乗り出す。司法解剖の結果、遺体の傷すべてに生活反応が認められ、被害者が生きたまま四肢と首を切断されたことが判明。しかも、頭部には「生ゴミ」の貼り紙まであり、長谷川班のエース・東條有紀は、事件の猟奇性の裏にある動機を探る。しかし…。
世界を救った元勇者ブラムと魔導師アルカノンは、とある事情で国から追われるハメとなる。かつてブラムを勇者として鍛え上げた、フレデリカの実父でもある冷酷な男ヴァンクリーフは、ついに元勇者討伐へと動き出す。任務に就いたのは勇者のスペアとして造られた最強の騎士レオクロフト、そして魔王討伐パーティの戦友、聖女ノアー。王国が誇る刺客たちに、ダンジョンの住民たちは未曾有の危機を迎える!