2023年1月14日発売
デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。主人公は、アダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。彼女が祖母と共に暮らすのは、森の中に佇む、意匠を凝らした西洋建築の家である。まさに「聖と俗」と言える対極の世界を舞台に、「性と生」のあわいを繊細に描いた新境地。
三歳になり、たどたどしかった言葉も少しずつ抜けてきたリーリア。ウェスターからの招待を受け、フーリアやニコラスといった王族や四侯の跡取りたちに加え、ファーランドの王子カルロス一行を伴った領都シーベルへの長い旅が始まった。小さな衝突はあったものの道中で互いの理解を深めながら、一行は目的地であるウェスターへ到着する。懐かしい人たちと再会し、楽しい時間を過ごすリーリア。そんな中、今回の旅の目的である結界箱を起動する式典が始まるのだが…。
ロードベルグ伯爵家の長男メルキスは十五歳になり、“根源魔法”という一度でも見た魔法は完全にコピーできる才能“ギフト”を授かる。剣に関連するギフトを授からなかったことに父は激怒し、辺境領地の領主としてメルキスを追放するのだった…。このことを知り、メルキスの婚約者である第四王女のマリエルは辺境領地に押しかけてくる。そんなマリエルとともに村人たちの悩みを解決するうちに、領地はみるみる発展していきー。
クイシュイン公爵家の長女であるベルラはある日、魂だけとなり身体を別の魂に奪われてしまう。魂の受け入れ先を失いさまようベルラは、魔導師のディオノレと出会うのだった。彼から、魂だけの存在はいずれ消えてゆくと教えられ悲嘆にくれるベルラに、ディオノレはひとつの提案をもちかける。それは、彼が長年研究している人造の身体“ホムンクルス”をベルラの身体とすることー。こうして、ディオノレがパパとなり新たな生活がはじまった!!