小説むすび | 2023年10月6日発売

2023年10月6日発売

無限遠点無限遠点

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彩流社

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2023年10月6日 発売

「歴史」はポリフォニックな言葉の存在感である。 「言葉だけが自我を純粋に言い表すことができる」(G・W・F・ヘーゲル) 1845年9月29日、鄭琉崑17歳はコケンタラ国賢者の奉仕者として川舟で上京途中、戦争遺児の尋樽緋蘭と邂逅。緋蘭は母の死後、父戦死の経緯の探求が目的だった。上京後、首都に滞在中、琉崑と再会。英東インド会社所長夫妻ら英人とも友人となった。図書館などでは亡父の関係書類はすべて閲覧拒否された。カフェでは新聞記者ジンジャロから記者業を教わる。情報省の諜報員音樋との会見も設定してくれ、音樋は父の元部下と判明、生前の父がビルマでは好感されたと知らされる。琉崑は午前中チーロロ賢者に仕えながら、午後、同僚の奉仕者たちと交流。西の賢者の奉仕者セキジュが西洋を称揚し、国家転覆を狙う反体制の活動を吹聴。琉崑は緋蘭から西洋思想を習い、反論に転じた。激論が一段落すると図書館で民俗的調査をしたり、民話の収集活動に移る。偶然、波止場で見かけた下働きの女児サーリと再会、貧民の暮らしに心を痛める。緋蘭はジンジャロを通じて、ギービン工場地帯で、工員たちがオルグの指導で権利に目覚めたことを知る。……暴動の最中、緋蘭は音樋から撲殺された老工員が琉崑の祖父だと知らされた。英人殺害事件の犯人は警察の協力者ア・ドンとわかった。同郷の琉崑を虐めていた少年だった。琉崑の祖父殺害の共犯ともわかった。主犯は公安職員で、川舟の船頭として最初から緋蘭や琉崑らを監視していた男と判明。この情報は琉崑には伏せておいた。互助会出納長の強盗事件もア・ドンの仕業だった。琉崑は帰郷し、友人と新たな暮らしを企図。首都で身を立てる計画だった。……アジアを舞台にした「ザ・グレート・ゲーム」。波瀾にとんだ歴史的「哲学小説」の誕生!

わんすけ先生、消防団員になる。わんすけ先生、消防団員になる。

家族や学生たちから「わんすけ先生」の愛称で親しまれる教授が主人公。ある日、葛飾区へ引っ越し、次男家族と二世帯住宅生活をスタート。稀代の食いしん坊で、趣味はマラソン。下町で出会った人々と交流を深め、仲間たちと「招き猫」を救出し、地元の消防団に入団!? 古希を迎えてなおパワフルな、わんすけ先生の活躍を描く私小説。実在する名店・名所も多数登場するので、下町散策のお供にぴったり! オープニング(幕開け) 第1章 下町生活に馴染む 1.亀有警察署から“両さん”が巡回訪問に来る 2.柴又帝釈天、草団子の「大和屋」 3.ベーカーさんのパーシモン(渋柿) 4.庭師の雄太郎さん、自信満々に「素敵な庭ができますよ」 5.水元公園、下町に残された緑豊かな自然 第2章 鉄ちゃん家族とマーニーさん 1.昭和の町にやってきた 2.京急線、ラッピング車両で家族は騒然 3.おもちゃ屋は過去を振り返らない 4.41年目の結婚記念日@「とうふ屋うかい」 5.わが家に「マーニー」がやってきた日 第3章 ご近所さんの店じまい 1.わんすけ、消防団の制服とヘルメットに魅せられる 2.味噌の請け売り、かつしか小町 3.柴又の老舗、川魚料理「川甚」が閉店になる 4.豊顕寺の桜吹雪、美代子おばさんのこと 第4章 東京下町を歩く、走る 1.創業129年、「土手の伊勢屋」へ行ってきました 2.街ランで隅田川七福神を巡る 3.事件発生、突然、歩けなくなる 4.三重苦:膝腰の損傷、花粉の到来、原稿の山 5.駅前の24時間ジムに通い始める 第5章 下町情緒:江戸から、明治・大正の風物詩 1.「山本亭」の白日夢:大正浪漫の庭と建物 2.秘書さんと浅草デート:「桜なべ中江」、「浅草演芸ホール」 3.明治の柿茶色が令和のいまに蘇る 4.Shall we Dance? 斜行ダンス 第6章 遠い時間、子供たちの未来 1.誕生日と命日、その赤ちゃんは生まれ変わり? 2.古希のお祝い、ケーキのローソクはなぜ7本? 3.不思議と静かな東京マラソン2021 4.みどりバス、ピンクバス、お稲荷屋さんのバス停 5.新しい門をくぐる、孫たちの入学式 第7章 この街と暮らす 1.通勤道、ランニングコース、サイクリング・ロード 2.天使の分け前 3.「やきとりTOP」:旦那は骨を折った。わたしは心が折れた 4.われら葛飾本田消防団 あとがき

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