2023年11月24日発売
人見知りで要領の悪い日和は、なんとか滑り込んだ就職先でも叱られてばかり。 会社を辞めようか悩んでいると、社長から気晴らしに旅に出ることを勧められた。 初めて行った熱海で、ひとり旅の魅力にとりつかれ、どんどん行動範囲を広げていく。 日和は、仲の良い会社の先輩・麗佳の結婚を機に、これまで貯金をしてこなかったことに焦りを感じる。 今後は計画的に旅をしようと心に誓い、9ヶ月我慢したのちに選んだ行き先は石川・能登『のとじま水族館』! お目当ては日本でジンベエザメを飼育している水族館をコンプリートすることだった。 その後も土地のおいしいものに舌鼓をうち、春日山神社、海釣り、笹川流れ遊覧船など、旅を大満喫する。 ある日、麗佳から、想いを寄せる蓮斗が転勤をするという話を聞く。 本人と連絡を取っているにも関わらずその素振りはなく、 教えてくれなかったことにモヤモヤしていたが、それには理由があってーー。 今回の旅先は石川、新潟、山口! 第一話 能登 極上刺身定食 第二話 妙高 ドロエビと新潟味噌 第三話 村上 新潟 村上牛と日本酒呑み比べ 第四話 山口 瓦そばとフグ
1975年、横浜。少年アキラと“犬”とのひと夏の冒険が始まるーー 4年前、海水浴中にはぐれてしまった父さんは今もまだ帰ってこない。 あれ以来、母親のマチ子は時々どっかから拾ったオスをつれてくるようになった。 日出男はその「オス犬」のひとりだった。 欠落を抱えて生きる大人たちと、鬱屈を抱えて生きる子どもたち。 ままならない世界の哀しみと愛しさが胸にこみ上げる、すばる文学賞受賞作『ミシンと金魚』著者待望の最新作! ■著者紹介 永井みみ(ながい・みみ) 1965年神奈川県生まれ。 2021年『ミシンと金魚』で第45回すばる文学賞を受賞しデビュー。 同作は三島由紀夫賞、野間文芸新人賞にノミネートされ、「ダ・ヴィンチ編集部が選ぶプラチナ本OF THE YEAR! 2022」に選出された。
一章完結形式の新感覚の歴史大作! 日本古典文学史上の名作を、作家林真理子氏が換骨奪胎。「鹿谷の謀議」「一の谷の合戦」「壇ノ浦の戦い」「大原御幸」など、誰もが興味を惹かれる著名な場面、現代人の心に響く部分だけを抽出して鮮やかに再構築しました。スピード感あふれる展開! 美しい情景描写! さらに、平安時代末期の平家源氏皇室を取り巻く、ドロドロとした抗争に翻弄される人々の内面を、丹念に、リアルに描き出した部分は圧巻! 治部卿局、平清盛、平維盛、平敦盛、建礼門院徳子、二位尼時子、後白河法皇、源義経、阿波内侍と、人物ごとに全九章で構成される本作は、一章完結形式なので、前から順番に読んでも、どこから読み始めても楽しめる仕掛け。これまで「平家物語」には興味はあるけれど、前から長々続く展開に“途中で挫折した”という読者も、本作ではグイグイと引き込まれていくことでしょう。歴史ファン、古典文学ファンのみならず、現代小説のような感覚で楽しめる“令和の平家物語”になっています。 “滅びゆくもの皆美しく…。「平家物語」には日本美のすべてが凝縮している” と語る、林真理子氏、渾身の歴史大作、ここに誕生です! 【編集担当からのおすすめ情報】 かつて、「源氏物語」に範をとった小説『六条御息所 源氏がたり』『STORY OF UJI 小説源氏物語』で、平安中期の王朝文学の名作に新解釈を加え、話題をさらった林真理子氏が、今度は平安後期を舞台にする戦記物の名作「平家物語」を再構築して小説化しました。 原典となる古典の「平家物語」では描かれることのなかった、登場人物たちの心情、葛藤、心の闇に大胆に切り込み、細やかに描き上げたところが本作の最大の魅力。章タイトルには入っていませんが、小督、小宰相といった女性登場人物の、せつなすぎる心情描写はさすが恋愛小説の神様といわれる、林真理子さんならでは! 紫式部が主人公の大河ドラマで、平安期の文学に関心が高まる2024年に向けて、平安末期を舞台にした、林真理子氏の歴史大作を、ぜひともお楽しみください!
大学病院の若きエースである整形外科医の高良惣太は、命を救ったヤクザの若頭・伊武征一郎とラブラブ同棲中。ある日、たまたま乗った飛行機で急病人の応急処置を行った惣太。後日、勤務先の大学病院で偶然にも助けた謎の美青年に再会してからというものの、熱烈なアタックを受け続ける。どこか既視感を覚える猛アプローチに戸惑う惣太だが、なぜだか伊武には相談できずにいてー。人気作家・谷崎トルクが贈る、いまだかつてないホスピタル・ラブコメ待望の第4巻!
「もっともっと幸せにしてあげたい。今の僕ができる、全部で」 美しい庭に惹かれた夏のある日、幼いリリィが出会ったのは公爵子息のローレンスだった。 身分の違いを知りながらも恋に落ち、 毎年彼が帝都を訪れる夏にだけ“貴族の令嬢”として密かに逢瀬を重ね、心と身体を近づけていく。 けれどある年、彼の許嫁を名乗る令嬢が現れ、リリィとの関係は『女性を学ぶ、結婚までの練習台』だと告げられる。 ーーローレンスを信じたい。そんなリリィの想いを裏切るように、彼からの連絡も途絶えてしまい……。 運命に引き裂かれても、ただお互いだけを愛し続けた、十年に渡る切ない恋の行く末はーー。
伯爵に選ばれてシンデレラに。 でも魔法が解けたら、ただの家政婦。 家政婦のキャリーは人生のどん底で雇ってもらってから、 4年間、リンデン伯爵マッシモに忠実に仕えてきた。 すべての女性にとって憧れの的である伯爵をひそかに想いながらも、 彼の華やかな恋人たちに嫉妬する資格は自分にはないと思っていた。 ある日、彼女はマッシモから舞踏会への同行を頼まれる。 給仕や後片づけをするのが仕事の私が、着飾って伯爵と舞踏会へ? マッシモの指示によってキャリーは美しいドレスや宝石を身につけ、 夢の一夜を経験した。そのうえ彼に誘惑されて、身を任せてしまう。 甘い日々はそれからも続いたーーキャリーが双子を身ごもるまでは。 ヒロインは、ヒーローが同じ女性とは二度とベッドをともにしないのを知っていました。なぜかヒロインは何週間も彼の恋人でいられますが、妊娠したとき、子供を一人で産んで育てる決心をします。恋人から家政婦に戻り、今までどおり働くことになるとしても。
本物の妻になるか、城の囚われ人になるか。 清らかな花嫁は冷徹な夫に迫られた。 最愛の父を亡くし、途方に暮れていた18歳のクロエ。 頼れる人は富豪のラオしかおらず、居城のあるシチリアに飛ぶと、 彼は書類上の結婚という形でクロエを守ると約束してくれた。 ラオの庇護の下、彼女はロンドンで自立の道を探す猶予を得たが、 5年後、突然ラオから呼び出され、再びシチリアへと赴いた。 ついに名ばかりの結婚の解消を言い渡されるんだわ……。 怯えるクロエはカリスマ的オーラを放つ富豪の言葉に耳を疑った。 「僕たちの結婚を本物にする時が来た。毎晩僕のベッドに入れ!」 彼女は承諾するしかなかったーー跡継ぎ作りのためだけと知りつつ。 昔ながらの方法で子供は4人以上もうけたいと言い放つシチリア富豪ヒーローに、純真なヒロインは胸を切り裂かれます。それでも受け入れたのは、ずっと前から痛いほどの憧れを彼に抱いていたから。ヒロインのけなげさが心を打つ、大人気作家C・クルーズの意欲作。
誰にも心を開かない氷のような夫。 彼に愛されたいと願うのは愚かなの? 3年前、イザベルは秘書の代理として派遣された先で、 イタリア人侯爵で実業家のコンスタンティンに見初められた。 貧しい炭鉱の村で育ったイザベルとでは身分が違いすぎたが、 二人の情熱は激しく燃え上がり、彼女はやがて妊娠。 コンスタンティンは責任を取って結婚を申し込んだ。 だが、ほどなくして不幸にもイザベルは流産してしまう。 急によそよそしく冷淡になった夫に、彼女は言葉を失った。 大切な我が子が亡くなったというのに、なぜ平気でいられるの? 結局、あなたが愛情深く振る舞うのはベッドの上だけ── 傷心のイザベルは家を出るが、彼から復縁を打診されて……。 情感豊かな作風で人気のシャンテル・ショーが描く、夫婦再生ロマンスです。身分差を乗り越えてシンデレラ婚を果たしたヒロインでしたが、流産後に夫婦関係は冷えきり、離婚寸前に。夫から復縁を迫られたヒロインは、彼が抱えてきた秘密を初めて聞かされ……。
イヴの母は妊娠と同時に恋人に捨てられ、未婚のまま出産した。そんな生い立ちのせいでイヴは強い男性不信の念を植えつけられ、ひどく地味で生真面目な暮らしを送っている。だがある日、イヴの乾いた人生を一瞬にして覆す男性が現れる。ひったくりに遭ったところを助けてくれたイタリア富豪ドラコー出会ったその日のうちに、イヴは彼から甘美な悦びを教えられた。翌朝ドラコは、これからも大人の関係を楽しもうと巧妙に説き、恋愛に関するすべてに無知なイヴは彼の手管に絡めとられていく。ドラコが“地味で無害な女性”を求めていた事情など露も知らず。
天涯孤独のシンデレラ。 ついに見つけた幸せは、儚い幻なの? 生後すぐに捨てられて施設で育った看護師のエマにとって、 クリスマスは独りで自宅で過ごすのが常だった。 ある日、町へ買い物に出かけた彼女は、 容姿端麗な新任ドクターのダニエルに出くわした。 親を亡くした幼い姪を引き取って育てている彼は、 エマの身の上を知り、クリスマスを一緒に過ごそうと提案してきた。 看護師たちがこぞって憧れる彼と特別な時間を過ごせるなんて! 人生で初の幸せなクリスマス。そのまま自然と二人は結ばれた。 ところが翌朝出勤すると、入院患者の指輪がないと大騒ぎになっていて、 エマが犯人扱いされてしまうーーそして、ダニエルからも疑われ……。 親を知らぬ身寄りのないヒロインと、親を事故で亡くしたばかりの姪を引き取って育てているヒーロー。それぞれ心に傷を抱えた者たちが出逢い、クリスマスという一年で最も特別な時間を分かち合うーーロマンスの名手ジェニファー・テイラーが贈る、温かな感動作!
身代が傾いたシャーロットの一族の屋敷を買い取ったのが、かつて愛を捧げた恋人ローハンと知り、彼女は打ちのめされた。シャーロットの兄が川で溺れて亡くなったあと、兄と一緒にいたローハンは責めを負って、追われるように町を出ていった。その彼が、幾年もの年月を経て今、大富豪となって再び彼女の前に現れた。「これはわたしへの仕返しなの、ローハン?」あまりの衝撃に気が遠くなり、その場に倒れ込んだシャーロットは、彼の強くたくましい腕に抱え上げられたことにも気づかなかった。ただ、ローハンに知られることが怖かったー7歳になる息子が、彼と同じブルーダイヤモンドのような瞳をしていることを…。
彼を思い出さないと決めたのに、 夢に見るのは彼のことばかり……。 うぶなベスは恋人と信じていた男性の手酷い裏切りに傷つき、 傷心を癒やそうと、世界でいちばん美しい街プラハへ旅立った。 自身の店に並べるクリスタルを買いつける旅でもあるため、 現地で出逢ったギリシア神のごとき美男子アレックスに通訳を頼むことに。 「ベス、ぼくはどうやらきみに恋をしてしまったらしい」 あるとき彼から言われて、ベスは極度の男性不信に陥っていながらも、 優しくて知的な彼に急速に惹かれ、とうとう枕を交わしてしまう。 でも、アレックスに本気で恋をしたって、どうせまた傷つくだけ……。 臆病になるあまり、ベスは彼に愛の存在をきっぱりと否定し、帰国した。 数週間後に、後悔の嵐に襲われることになるとも知らずーー 中世の面影を残す町ライ・オン・アバートンに住む女性たちのロマンスを描いた4部作〈美しき報復〉の第3話をお贈りします。恋心と疑念が交錯して、悲しいほど空回りしてしまうベスの恋の行方は?
愛が深まるほど、言えなくなるーー 本当の私は、貧しい孤児だということを。 ロージーは早くに両親を亡くして貧するしかない身だったところを、 資産家の娘で親友のアラベラに救われ、居候させてもらっていた。 今、アラベラが意に反して結婚させられそうになっていると知り、 恩返しをしようと、ロージーは身代わりになることを決意する。 “アラベラ”に扮した彼女が花婿候補の公爵アレグザンダーに会い、 奇行を演じて嫌われることで、縁談を台なしにする計画だ。 だが、強欲で鼻持ちならないはずの公爵は実際、ハンサムで高潔だった。 心ならずも惹かれ、彼につい唇を許してしまったロージーはしかし、 自分が本当はアラベラではないことを言い出せなかった。 しかも、元婚約者に騙された経験のある公爵は、嘘が何より嫌いで……。 本作で日本デビューを飾るエヴァ・シェパードは、ヴィクトリア朝時代の英国に造詣が深いヒストリカル作家。ロンドンのリッツやハロッズやサヴォイなどの華やかな雰囲気と、古い公爵領の美しさが堪能できる、ロマンティックさ満点のシンデレラストーリーです!
無垢な花嫁につけられた、 不名誉な名前の秘密とは……。 マリアンはある日、好色な輩に絡まれていたところを助けられ、 見知らぬ救世主の魅力的な瞳が脳裏から離れなくなった。 でも、私は“ロバートソンの淫売”と呼ばれ、一族から追放された身。 誰かに恋をするなんてありえない……。 一方、美しい娘を助けたダンカンは彼女のことが気になりつつ、 同盟を結ぶためにロバートソン氏族長のもとを訪れた。 友好の印に酒がふるまわれ、不覚にも酩酊したダンカンは、 マリアンの家に行くと、彼女を胸に抱いて唇を奪い、地面に倒れ込んだ。 それを氏族長に見咎められ、二人は結婚を余儀なくされる。 だが初夜の床でダンカンは驚いたーー悪名高き妻はなんと、純潔だった! スコットランドを舞台に熱く激しく深い愛を描くハイランド・ロマンスは海外ロマンス小説の中でも大人気のジャンルです。粋なハイランダー・ヒーローを数多く生んできた名作家テリー・ブリズビンが書いた本作でも、惚れ惚れするようなヒーローが大活躍します!
傲慢富豪から逃れた先に待っていたのは、 甘美な罰と、愛の脅迫。 サンドリンは10歳年上の実業家ミシェルと電撃結婚した。 知的で官能的な夫を愛していたが、新婚半年で早くも暗雲が垂れ込めるる。 彼女が4週間海外の仕事をすることに、彼が強硬に反対したのだ。 妻を鳥かごに閉じ込めようとするなんて、と若いサンドリンは抗い、 書き置きを残してNYを飛び立った。 だが仕事でトラブルが発生し、滞在が延びて資金が底をついたとき、 長身で黒髪の男性が救世主さながら現れ、援助を申し出たーーミシェル! 彼は怒りを込めたキスで妻を罰し、投資の対象はきみだと告げる。 サンドリンが断れないことを承知で、彼は激しく妻を求めた! 夫婦の愛の復活をテーマに激愛ロマンスを描いて絶大な人気を誇るヘレン・ビアンチンの名作です。ルネッサンスの貴公子を彷彿とさせる魅力的な大富豪ミシェルの“脅迫”にも似た強烈な求愛行為。サンドリンはなすすべもなく彼が仕掛ける深い愛の沼にはまり……。
『失われた時を求めて』を裏返しに読む。マルセル・プルーストと同じ1871年に生まれた天才芸術家マリアノ・フォルチュニ。作家は彼の創造する“衣装”をいかに効果的に織り込むか、その効果を周到に計算していた…「官能を刺激し、詩的イメージを喚起し、そして苦痛をもたらす役割を、かわるがわる果たす」(プルースト)フォルチュニの絢爛たる衣装がもつ記憶の喚起力を紡ぎ出す。
火山の噴火でカリブ海の故郷を追われ、世界を彷徨し、最期にパリの施設にたどり着いたマリオットが紡ぐ、ある一族の歴史=人生の物語。奴隷たちの先頭に立って戦い、出産後すぐに処刑された実在の黒人女性から始まる家族の物語、ユダヤ系フランス人アンドレとグアドループ出身のシモーヌによる代表作!
ありのままでいいなんて綺麗事だ。だって自分が変わらなきゃ何も変えられない。 学校で親友を刺そうとする事件を起こした高2の茉優。自宅にも居場所がなく、叔母の亜実の家に居候することになった。そんなある日、亜美の行きつけの喫茶店に行くと、“あの日”茉優が怪我を負わせてしまった朔がいた。無口で近寄りがたい印象だったのに、責めるどころかどんな時も味方でいてくれる彼に、茉優の心は解きほぐされていく。そして、彼もまた心に深い傷を持っていた。“あの日”なぜ茉優は親友を刺そうとしたのか──。 見えない傷を抱えた人へ。ラストに明かされる秘密に心が震える感動物語。