2023年12月14日発売
高校時代から社会主義運動に興味を持っていた著者は、運動の仲間と中国東北部などを転々とする。その途上で女児を産むが、母子ともに栄養失調だったため、子どもは間もなく死亡ー。金持ちが優遇され、そうでない者は薬すらもらえないという現実を記した出世作「施療室にて」に、重い腹膜炎で入院中の左翼活動家が、思想犯として逃亡していた夫の無事を祈りつつ、それよりも切実に自らの生還を願う第1回女流文学者賞受賞作品「こういう女」をカップリング。
リスは夏のはじめについて考えたい。クマは二度とケーキを食べたくない。スズメは冷静さを身につけたい。アリはリスと真剣に話したい。イカはだれかに招かれたい。カブトムシはみんな陰気になってほしい。マンモスは絶滅をとりやめたい。カメはカタツムリにやさしくされたい。トカゲは目立ちたい。ザリガニは最悪なことに見舞われたい。カゲロウは明日話したい。ハリネズミはなにもほしくない…。63のどうぶつそれぞれに、まったくばらばらの、奇妙で切実な願いがある。その奇妙さが鏡となって、わたしたちの心をうつしだす。『ハリネズミの願い』『きげんのいいリス』『キリギリスのしあわせ』につづく、トーン・テレヘンの“どうぶつ物語”第4弾。
千年読み継がれる物語は、かくして生まれた。帚木文学の集大成にして最高到達点の長編小説“全五巻”。大河ドラマの主人公・紫式部(香子)の生涯×『源氏物語』。1巻:父とともに越前へ、そして物語を書き始め…桐壺〜末摘花の帖。
品川桜警察署の刑事・橋口志郎は、サラリーマンの変死事件に臨場する。同じ署の刑事である妹の紀子と共に捜査を進めるうちに、志郎は、死亡した男が勤めていた建設会社に不信を抱くがー。組織の裏切り、緻密な計画。巨大な敵に翻弄される志郎が掴んだ、驚くべき秘密とは。怒涛のクライムサスペンス!
金の匂いを嗅ぎつけた人々を引き寄せる、大富豪の地所“ハッピー・クロフト”。殺人、盗難、変死が続発し、平和な土地に暗雲が立ち込める…。事件関係者が口にした“ビリー・ボーイ”とは何者なのか?美術評論家でもあったマシュー・ヘッドのデビュー作、80年の時を経た初邦訳。
静寂を好み、花々を愛で、愛豚を慈しむ。都会の喧騒を嫌い、“地上の楽園”に帰ってきたエムズワース伯爵を待ち受ける災難とは…。豚盗難計画や富豪令嬢の婚約問題など、次々と巻き起こる珍騒動を円満解決するために奮闘するフレッド叔父さんの“微笑”と“奉仕”。“ブランディングズ城”シリーズ長編第八弾!