2023年12月22日発売
ひかりの家の押入れにいる、形も声もなんにもない影みたいなやつ、ナイナイ。その秘密の親友をいじめっ子のありさちゃんに見せた日から、ひかりの生活は一変。クラスでも家でも、こわいくらいに持て囃されるようになった。それから数年、“よみご”と呼ばれる霊能者・志朗貞明のもとに、母子心中事件の原因を探ってほしいという依頼が持ち込まれる。無関係に思える二つの“事件”は、“よみご”だけが取り扱える呪い“きょう”と複雑に絡み合い…。第8回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞作(ホラー部門)。
白川研究室は「出る」と言われる場所や噂を調査する対怪異アンドロイド・アリサを開発した。機械は呪いも祟りも受け付けない。ゆえに、恐怖心もないー。深夜に山奥の廃村を調査したアリサは、搭載された機能を駆使して様々な異常を検知した。白川教授の研究テーマに興味を惹かれて研究室を訪問した新島ゆかりが、アリサが持ち帰ったデータを見ると…。第8回カクヨムWeb小説コンテスト“ホラー部門”特別賞受賞作。
オペレーション“梟”の担当を変更するという指令がロイドのもとに。一方、ヨルはロイドと謎の女の不審なやり取りを目撃。アーニャは、“星”を賭けた調理実習に挑むことに。3人のそれぞれの思いを秘めた、予測不能の家族旅行がはじまる…!!劇場版が完全小説化!!
千数百年間、隠されてきた「謎の神」、驚天動地の真実!軒先の括り猿、祀られる猿田彦神、庚申堂の三猿ー奈良を歩く編集者の橙子の目に、次々に「猿」が飛び込んできた。それは『記紀』で天孫降臨を先導しながら奇怪な死を遂げた「謎の神」の正体に迫る手掛りなのか?博覧強記の民俗学者・小余綾俊輔の推理と論証は、古代から現代に至るまで秘められてきた歴史を浮上させ、ある「血統」を巡る論争に終止符を打つ!
気鋭の学者が舌禍事件により教授に負の烙印を押され、病に見舞われながらも生き抜こうとするが、苦痛のあまり、自死を選ぶ。親友として学者の苦悩に寄り添ったつもりだった医師もまた、学者の妻からの辛辣な言葉に、自己嫌悪に苛まれ…。学者と医師、ふたりの絶望を通して、「愛の不在とは」「宗教とは」「精神医学とは」を問う。
準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功が何者かにより別荘に監禁された。彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行が入れ替わり就いていた。そして実行は早恵里にも近付こうとしている。「奪われたものは、奪い返さなければ」成功は、事件の真相究明と自らの復権のために奔走するがー。異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント!
拒食症に陥った彼女の苦悩と葛藤の日々…。食べ物の前ではただ黙ってひれ伏し、服従するしかない。その頑なな心を溶かしたのは、理想の彼との出会いだった。いつも一人で我慢して、いつも一人で頑張ってしまう女性たちにエールを贈る物語。
子供の頃から太平洋を旅してきた亜美は、最近ある夢を見る。それに導かれるようにパラオを訪ねた亜美を待っていたのは、両親が残したメッセージだった。父からの手紙や戦時下を生きた兵士たちの足跡、残された糸を手繰り寄せるうちに、亜美は隠されていた歴史の真実に触れ、自分自身の前世を辿ることになるー。
ある夜、恋愛から遠ざかっていた咲村冬和が拾ったのは、お腹を空かせた年下の美男子。一晩だけの人助け…のはずが、家もお金もないという、名前以外教えてくれない彼・水月航となぜか同棲をはじめることに!“誰か”と過ごす生活は心地よく、気づけば航に絆されていく。そしてある晩、冬和のベッドに航が潜り込み二人の距離は急接近してー。あの日拾ったのは、猫のように人の心に入り込む男と、新しい恋。“幸せ”に手を伸ばす冬和だけど、彼にはある秘密があり…。
身に覚えのない罪により、処刑された伯爵令嬢マグノリア。彼女は時を遡り、自身の運命を変えようとしていた。ただ穏やかに、普通の人生をおくることができるように。けれど、何度人生をやり直しても、人々は彼女をこう呼ぶ。-稀代の悪女、マグノリア・キャリントン。そして最後に待っているのは、いつも断罪だった。やがてすべてを諦め、もう何度目かもわからない処刑の瞬間を待つマグノリアだったが、小さな変化が生じた。それは、マグノリアの処刑に深く関わる人物の一人、王太子レイがある疑問を抱いたこと。悪女らしからぬ彼女の一面を知り、レイの心は揺れはじめる。彼女は、本当に悪女なのだろうかー悪女の真実を王太子が紐解く、逆行ラブ・ファンタジー。
よるべなき若者たちの孤独と、痛みと、共生を活写した鮮烈な「トー横文学」の誕生! 「これが新宿の片隅のリアル。どこまでも希望のない物語だ。だからこそ、深く胸を穿つ」--カツセマサヒコ(『明け方の若者たち』) 家庭にも学校にも居場所がない女子高生ジウは、救いを求め単身東北から東京を目指す。 たどり着いた新宿歌舞伎町の東宝ビル周辺、通称・トー横で出会ったのは、自分と同じ境遇の仲間たち。 売春、オーバードーズ、リストカットーー。 彼らの生き方に憧れ、引き込まれて行くうちに、ジウは生きる意味を見出していくが、幸福な時間は長く続くはずもなく……。 ずっと隣にだれかがいてほしかった。 それ以上のこと、わたしは望んでない。 混沌として、人間の掃き溜めみたいな街。 でもそれがわたしたちの居場所なんだ。(本文より)
謎の魔術師登場に、身バレの危機ーさらなる急展開の中、王子との恋が加速する!乙女ゲームのバッドエンドを回避したくて距離を置いてきたはずなのに、それでもフェリクスに惹かれていく自覚をするレイラ。そんな中、新入生を歓迎するための学園パーティーが開催され、レイラは医務官助手として参加することになった。目立たないようにメイド姿で会場を奔走するレイラをよそに、攻略対象達に囲まれてリーリエが登場する。リーリエをエスコートするフェリクスの姿を見て胸が苦しくなったレイラはバルコニーに出るが、なぜかそこにフェリクスが現れ、ファーストダンスに誘ってきて…?Web版から大幅加筆&書き下ろし短編2作掲載!
苦学生の身で妊娠して実家を追い出されたジーナは、今は仕事に就き、太陽のように明るい3歳の息子と平凡ながら幸せに暮らしていた。息子の父親カル・マッケンドリックと出逢い、愛し合った4年前、ジーナは彼の叔母に身分をわきまえて身を引くよう諭され、別れを告げることもなく、彼の前からそっと姿を消した。それなのに今、突然カルが玄関前に現れ、ジーナは卒倒しそうになった。なぜカルがここに?もし親権争いになったりしたら、名門マッケンドリック一族の彼に太刀打ちできるはずがないわ!案の定、自分と同じエメラルド色の瞳の息子を見て、カルが冷たく言った。「どうやら話し合わなきゃいけないことがたくさんありそうだ」
ああ、自分の名字すら思い出せない。わたしはいったい誰なの?記憶を失ったリギアがたどり着いたのは、荒れ野にぽつんと立つ屋敷。当主のエイブリーは医師で、親切に面倒を見てくれたが、近くに住む彼の従兄弟ロバートははなから彼女を疑ってかかる。記憶喪失と偽って財産を狙う女狐め!ロバートは意地悪な秘書とともにリギアに冷たく当たった。つらい、もうここにはいられない…。リギアがいたたまれない思いをしていたある日、ロバートの愛犬を助けたことで、彼の態度が和らいだ。そして雨宿りで寄った彼の家で、ついに記憶の扉が…。
ディーは父の遺志を継ぎ、故郷のために慈善活動に力を尽くしている。あるとき、不幸な若者たちを救うアイディアを思いつき、大学の恩師に相談しに行くと、そこに思わぬ再会が待っていたー同じゼミで学び、今は国連で働く元恋人ヒューゴがいたのだ!長身で現実離れした美しい顔だちの彼は、女子学生の憧れだった。その強烈な魅力は10年経った今もまるで変わらない。けれども、彼との再会はけっして甘いものではなかった。ヒューゴがことさらに冷たく接してきたのだ。10年前、私が一方的に彼の人生から身を引いたせい?彼にやむなく別れを告げた本当の理由は、今もまだ言えない…。