2023年3月発売
警察庁外事課長、防衛省情報課長、警備責任者、元総理の息子、内閣情報調査室主幹、新聞記者、さまざまな人間たちが運命と闘っていくー。長く公安・警備部門で活動し国際情勢に精通する著者が非現実の中に現実を織り込んで『限界突破』に挑んだ衝撃のデビュー小説!
ある輝かしい夏の日。生物化学の研究をする大学院生のウォレスが夏のすべてを費やした線虫の培地に、カビが生えていた。ウォレスはただ、笑った。数週間前に父が死んだ。心配してくれる友人たちをよそに、ウォレスはこれっぽっちも悲しみを感じなかった。感情と向き合うことを避けていた中、同級生の同性の友人と一夜を共に過ごした。ウォレスの中に眠っていた過去のトラウマ、温もりへの渇望が目を覚ましたー。ニューヨーク・タイムズ紙ほか、欧米の各紙誌で年間ベストブックに選出。デビュー作にしてブッカー賞最終候補作となった注目の一冊。
ひと月前に大学へ長期休暇を申請して以来、一切の連絡がとれない黒猫。付き人は、学部長の唐草教授の頼みで、失踪直前に彼の研究室を訪ねた四人の来訪者ー元歌手の赤城藍歌、俳優の平埜玲、現代画家の網野美亜、写真家の魚住ゆうから事情を訊き、黒猫の行方を調べることになる。K大学教授の灰島浩平にそのことを打ち明けるが、依然として手がかりは掴めないまま、気持ちばかりが焦ってゆく。黒猫は何の目的で彼らと会っていたのか?そしてその行方は。アガサ・クリスティー賞受賞の人気シリーズ最新作、衝撃の結末。
いま最も注目される作家の初SF作品集。真実の愛を証明できる「回樹」をめぐる、ありふれた愛の顛末。骨の表面に文字を刻む技術「骨刻」がもたらした、特別な想い。すべての映画には魂があった。「BTTF葬送」への抵抗の物語。人間の死体が腐らない世界で、あるテロリストが達成した「不滅」。奴隷制度下のニューヨーク、白人と黒人と宇宙人の融和は「奈辺」?回樹に愛を託した人々は、年に一度の「回祭」を催していたー。誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇。
昭和ー平成ー令和。それぞれの時代の風俗を巧みに取り込みながら、容姿への疑問と不安を物語に昇華させた連作集。美貌も知名度も偏差値も功績もすべてをぶっとばす、あの部分。ルッキズムの悪口は蜜の味?ヒメノ式「家族の寓話」へようこそ。
陸上自衛隊・神家正成「迷彩の天使」。新型コロナ感染症という「災害」の渦中にある豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号に「派遣」された陸上自衛隊二等陸尉の看護官・畠山知重。妻として、母として、看護師として悩みながらも懸命に現場に立つ彼女の前に、意外な感染者がー。海上自衛隊・山本賀代「氷海」。コロナ禍の中、砕氷艦「ゆきはら」は南極に向かい前代未聞の無寄港無補給航海に出た。初めての南極への航海で、二等海尉の航海士・三津田流至は航海長・川尻の連日の厳しいしばきに耐えながら、思いがけないものを見つけた。航空自衛隊・福田和代「空のプライド」領空侵犯への対応のため常に待機する飛行隊のパイロット、盛岡保二等空尉は単身赴任。コロナ下で家族にも会えない日々だ。彼が働く築城基地で、ハトが着陸時の戦闘機に接触し機体が破損したのにハトの死骸がない、という考えられない事故が起きた。その謎を追う盛岡はさらに謎にぶつかる。「新型コロナ下」という限界状況を設定し、各自衛隊を熟知した作家たちが、その隊の特性特徴を活かした趣向で書き上げた、読み応えあふれる新しいエンターテインメント!
一膳飯屋「だいこん」を知人に譲ったつばきは、父安治と母みのぶと、新たな三人暮らしを始めた。不景気風が吹く江戸の商いはどこも経営不振でどの店も苦労していた。ある日、富岡八幡宮に参拝した安治は、薬種問屋「蓬莱屋」が看板の思案を求めていることを知り、渡世人の弐蔵と講釈師で絵心のある三太郎を仲間に、巨大提灯という壮大なスケールの看板を提案する。
病に冒されながらもピアノを弾き続けた妻がこの世を去った。シューマンの楽譜の間に短くもあたたかい手紙を残してー。無慈悲な現実の中、明るく生きた家族の物語。第25回日本自費出版文化賞入選、話題作が文庫化。
アルカナ判定の儀式で最低ランクの☆1を引いた少年、アストル。彼はその類い稀な魔法の実力から“魔導師”の二つ名で呼ばれるようになっていた。ある日アストルは、異常繁茂した『茨の壁』を発見する。その内部では精霊達が巨大な城を築いていた。調査により、過去に植物を大暴走させ、一国を滅ぼしたという魔物『金色姫』の出現の可能性を突き止めたアストル達。人類領域を脅かす悪意なき侵略者を排除するべく、稀代の“☆1”魔法使いが再び立ち上がる!
貴族の養子である青年リュークは、神様からギフトを授かる一生に一度の儀式で、「スマホ」というX(エックス)ランクのアイテムを授かる。しかし養父から「それはどうしようもなくダメという意味の『X(バツ)ランク』だ」と言われ、役立たず扱いされた上に勘当されてしまう。だが実はこのスマホ、鑑定、能力コピー、アイテム複製、装備合成などなど、あらゆることが可能な「エクストラ」ランクの最強ギフトだった…!!Xランクギフトを活かして異世界を自由気ままに冒険する、成り上がりファンタジー、開幕!
部屋で眠りについたのに、見知らぬ森の中で目覚めたレン。しかも中学生だったはずの体は、二歳児のものになっていた!混乱する彼だったが、弱っていた青い小鳥を助けたりしていると、その後白い虎の魔獣ースノーラに拾われ、そのまま小鳥、虎、レンの三人で暮らすことに。レンは小鳥にルリと名付け、森のもふもふ魔獣達ともお友達になって、森での生活を満喫していた。そんなある日、スノーラの提案で、三人はとある街の領主家で暮らすことになる。初めて街に足を踏み入れたレンを待っていたのは…異世界らしさ満載の光景だった!?最強魔獣スノーラや優しい大人達に見守られながら、レンの異世界生活が幕を開ける!
異世界に迷い込んだ猟師兼料理人のヒュウガ。彼は兎族の孤児ノエル、フェンリルのセツと三人で家族として暮らしていた。ある日ヒュウガは、食材確保のために異国を訪れる。ところが、訪問先で魔物の大暴走が発生。住民達が逃げ惑い、味方兵士が倒れる中、彼は王の要請に応えて出撃する。ここで名声を得れば、自分の店を出すという夢が一気に現実味を帯びてくる。異世界で生きる覚悟を決めたヒュウガはついに己の力を解き放つ!
高校生達の勇者召喚に巻き込まれた、サラリーマンの健吾。彼はスキルが『言語理解』しかないことを理由に誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。転移先の部屋でケンゴが偶然目にしたのは、天井に刻まれた未知の文字。彼がその文字を読み解くと、なんと一億年前から眠っていた巨大な船が突然目の前に現れるのだった!船に搭載された超技術を自在に使えるようになったケンゴは、その力を頼りに、自由で豪快な異世界旅を始めるー。
俺はとある王国の第三王子、アルス。現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていたが、過労死した後に、何も脈絡もなく異世界転生を果たした。この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、王族ともなれば“軍神”“剣聖”“賢者”とエリートな天職を得るのが常なのだが…しかし、俺が授かったのは、なんと“牧場主”。かくして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりと暮らし始めるのだった。さすがにお先真っ暗…と周囲からは憐れまれたが、実は俺、前世の疲れから、働くのはもううんざりなのだ。新しく使えるようになった牧場魔法は意外に便利だし、ワケありクセありな奴ばかりだけど、領民(労働力)も増えていくし…あれ?もしかして念願のスローライフ、始まっちゃった?
校舎ごと異世界に転移した上、クラスメイト達から役立たずと糾弾されて追放された水沢優樹。しかし、とある偶然から万能にして最強の“創造魔法”を手に入れると、立場は一転する。態度を一変させすり寄ってくる彼らをしり目に自由な冒険者となった優樹は、この世界を脅かす魔王を倒すため仲間を集めていく。ついに結成された魔王討伐軍は、手始めに魔族に支配されているカラロ城の奪還を目指す。しかしそこには、人族を裏切り新たな七魔将となった『元』クラスメイト、霧人とエリナがいてー
「Sランク以上の魔物しか使役出来ない」そんな不思議な能力を持つ少年、ティーゴ。個性豊かな聖獣たちと旅を続ける途中、彼はミスリルドラゴンのキラと出会う。空が飛べない落ちこぼれのキラは、仲間のいる遠い渓谷へ歩いて向かおうとしていた。そんなキラを放っておけず、ティーゴたちは一緒に旅をすることに決める。しかし、渓谷への旅は楽しいだけでなく波乱含み!凶悪な冒険者や、魔物を苦しめる連中を成敗したり、渓谷に着いてからもムカつくドラゴンが絡んできたり!?美食に冒険、たびたび世直し!お人好しテイマーとユニークすぎる聖獣たちの旅、ここに完結!