2023年3月発売
私は天国に行くのかしらー27歳の若さで?ハーパーは腹部の痛みに耐えかね、救急外来に駆け込んだ。そこで医師から告げられた診断に、驚愕する。激しい痛みは陣痛で、まもなく母親になるという。9カ月前、ハーパーは億万長者のジャックと熱い夜を過ごしたが、住む世界が違うと悟り、翌朝、彼の前から姿を消したのだった。ああ、気づかないうちに身ごもっていたなんて!頼れる人もおらず、仕方なくジャックに連絡すると、彼は出産に立ち会ったうえ、娘のための結婚を申し出て…。
父を知らず、幼くして亡くした母の記憶もないジョゼフィーン。母方の祖父母と大叔母たちの愛に育まれ成長したが、祖父の死後、財政は悪化し、今や屋敷を失う寸前だった。万策尽きて、隣家の富豪で初恋の男性ジャンニを頼ることにする。その逞しい肉体と美貌で女性たちを虜にしても、当の彼は女性を一時の快楽を満たす相手としか思っていない。そんなプレイボーイに頼み事をするのはそら恐ろしかったが、意外にも彼は援助を承諾した。交換条件は、5年間の契約結婚!?女性はみな自分のベッドに身を投げ出すと自信満々のジャンニに、彼女は言った。「あなたとはベッドをともにしないわ。絶対に」。
ギリシアの海運王、サキスの有能な秘書ブリアナ。ロボットのように黙々とボスの命令に従いながら、じつは彼への恋心を胸の奥に秘めている。だがサキスに熱いまなざしを向けられるたび、彼女はおびえた。いくら興味を持たれたからといって、恋に目がくらんではだめ。愛なんてなくても生きていけるはずよ。名前を変えるほどの事件が起きた過去を彼に知られたら、私は生きていけない。ああ、もっと早く彼に出会えていたら。だから今は秘書としてそばにいられればそれだけでいい…。
突然、屋敷を訪ねてきた女性をひと目見て、裕福な陸軍中佐ケイド・グラントは言葉を失った。雨でびしょ濡れのウエディングドレスを着た女性リブは、彼が出した“家政婦募集”の張り紙を見て、面接に来たという。どこにも行くあてがなく震える彼女を、ケイドは雇うことにした。いずれは自分の屋敷を、戦争で傷ついた兵士のためのリハビリセンターにしたいと考えていたケイド。看護師の資格を持つリブは、まさに願ってもない女性だ。だが、彼女がその引き換えに求めた条件は“愛のレッスン”で…。
オーストラリアで暮らす16歳の少女アンナは、三人きょうだいの長女で、思春期の妹と幼い弟がいる。香港で生まれ育った両親は、幼かったアンナを連れてオーストラリアに移住したものの、母親は異国での暮らしになじめず、部屋に引きこもることが増えていく。中華料理店を営む父親は、妻のそんな状態から目を背け、仕事を逃げ場にして夜も帰宅せず、家のことは長女に任せきり。アンナは両親の教えを守って常に家族を最優先に考え、家事をこなしたり弟の面倒をみたりと、知らず知らずのうちに“ヤングケアラー”の立場にたたされ…オーストラリアの独立系書店の書店員が選出する賞インディ・ブック・アワーズ2020ブック・オブ・ザ・イヤー(YA部門)受賞作!
孤独死した「俺」は積みゲーとなっていたRPG「ブライトファンタジー」のゲームキャラに転生していた。ソロ冒険者“グレイ”として平穏に暮らしていたある日、街中で暴漢に虐げられる少年少女を救出。なんと、その少年はゲームの主人公とその幼馴染だった!不遇な生活を送る主人公たちを思わず自分の養子にすると決意したがその選択が世界の運命を大きく変えることに。
長かった夏が終わり、季節が秋へと移り変わる頃。シーカー魔法学院では、生徒会長ティベリオの発案により初めて文化祭が開催されることとなった。シウもまたティベリオから直々に頼みこまれ文化祭実行委員として参加することに。同じく実行委員となったプルウィアと共に早速作業に取り掛かるシウだったが、企画の確認やスケジュール調整など仕事は山積み。さらには友人たちの出し物の手伝いまで引き受けてしまい、シウの文化祭準備はてんやわんやの大忙しで…!?大人気異世界スローライフ物語、第14弾!
インカ帝国がスペインにあっけなく征服されてしまったのは、彼らが鉄、銃、馬、そして病原菌に対する免疫をもっていなかったから…と言われている。しかし、もしも、インカの人々がそれらをもっていたとしたら?そしてスペインがインカ帝国を、ではなく、インカ帝国がスペインを征服したのだとしたら、世界はどう変わっていただろうか?『HHhH-プラハ、1942年』と『言語の七番目の機能』で世界の読書人を驚倒させた著者が挑んだ、大胆かつ魅力溢れる歴史改変小説。常に事実とフィクションについて考え続けるローラン・ビネならではの傑作。アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞。
一年前、偶然出会ったお婆さんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に良い匂いの沈丁花が咲いていたことと、その庭でお婆さんが発した不可解な言葉だけー。思わぬトラブルによりサッカー部を辞め鬱屈した日々を送る航大。春を告げる沈丁花の香りに、親切にしてくれたお婆さんのことを思い出し、記憶を頼りにその家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な大学生拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大と共に謎に向き合う。植物が絡むささやかな“事件”を通して周囲の人間関係を見つめなおす、優しさに満ちた連作ミステリ。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。
魔法使いの国を脱出したメイとフィーリ。メイは異世界でマイナーな錬金術を世に広めるため、フィーリは師匠である大魔法使いを探すために、ともに世界をめぐることに!新しい街で出会った人たちを錬金術や魔法の力で手助けしていると、二人の前に変わった道具を売る商人が現れて…錬金術師×魔法使いのガールズふたり旅第二弾!!
「帝都までクレアを護送する」という任務を前に、なぜか姿を消した白魔導師・ロイド。氷晶の勇者・セリオンも姿を見せないまま、ユイたちは拭えない不安を抱えてクレアの護送に当たる。その頃、当のロイドは、なんと誘拐の憂き目に遭っていた。誘拐したのは他でもない、ロイドの師匠・美貌の大賢者マーリンで…!?
家父長制のもと戦争の波に流され、戦後を生き抜いてきた“女ともだち”の人生の終焉(自殺)を、ヴァージニア・ウルフに重ねて描いた表題作ほか、長年連れ添った夫婦のかたちを静謐な筆致で描いた短篇群に、随筆を加えるー円熟味の増した著者が達した新境地!
いつも4人で集まって遊び、ダブルデートも当たり前なトモと夏凛・寛治と涼子のカップル2組は親友同士でもある。ありふれた日常が続いたある日、ムードメーカーの寛治が突飛なことを言い出した。自分の彼女である涼子との関係に新たな刺激を求める寛治は、安心安全な関係性の親友同士で恋人交換がしたいとのこと。トモの彼女の夏凛は拒絶するも、経験を積んで大人になれと寛治に諭され、悩みつつも了承をする。当の涼子はスワッピングを通して更にみんなと仲良くなれると乗り気で、トモはみんなを止められず流されてしまう…。各々の思惑と身体が絡み合った男女4人の行き着く先はー!?
2036年ー気候変動や争いにより人類存続の危機が迫る。政府は人々の意識をバーチャル世界、Kyu-KyoKuに移管、肉体を冷凍保存することで人類存続を目指していた。肉体と意識を持ったまま、恋人のカオルコと生きたいと願う風次は、全く違う世界で別の人格として生きるリアルな夢を頻繁に見ていた。2221年、統合され平和な世界で生きるフータも、風次が生きる2036年の世界の夢を見ていた。痛みも感覚もなく体を徐々に消し去る謎のウイルス“KYOMU”が2221年の世界で流行。夢で見たサインに導かれ仮想空間へ移行すると、ライジと名乗る風次の死んだはずの兄・雷太と出会う。ライジから、Kyu-KyoKuは権力者が世界掌握のために創った世界であること、この世界がKyu-Kyokuの中であり、フータは風次のアバターであること、KYOMUは、虚構の世界を破滅させるため雷太が仕掛けたウイルスであること、そして、ウイルス発動の鍵を握るのが自分であることを告げられる。破壊され重なっていく二つの世界。気づくと風次は、世界が生まれる“以前”の場所にいた。宇宙はひとつの愛でできていた。愛を解き放つ祈りこそがすべてのプログラムの始まり。この世界を創るのは自分自身だったー。
異世界転生したものの、魔物しか持たない“闇属性”を持つことで、国を揺るがす騒動に巻き込まれた大河。王座の転覆により自由の身となり、亡き両親との思い出の「家」を手に入れ幸せに暮らすはずが、恋人となった最強騎士・シェイドに架された「隷属の魔法陣」を解くために隣国の魔法学校へ潜入することに。校内に横行する他国民苛めを放っておけず、早速敵を作ってしまう大河。王子たちの次期王位争いにも巻き込まれ、さらに教授としてあの人までやってきて…!?
お人好しサラリーマンの佐久間郁実がストーカーから逃げるためにマンションから飛び降りるとーそこは、異世界だった!?スローライフどころか食べ物にも困る生活を送っていた郁実だが、半魔の子どもであるロイが“バケモノ”として迫害されているところを庇って保護することに。人間に対して強い恨みを持つロイは傲慢で警戒心も強かったが、ある日高額な賞金を目当てに襲われそうになっていたロイを守るため、郁実は致命傷を負ってしまう。なんとか一命を取り留めた郁実だったが、その日を境にロイは異常ともいえる執着を郁実に対して向けてきて!?