2023年4月14日発売
千秋国際空港で大型旅客機が爆破された。県警捜査一課の内藤は初動捜査に当たるが、捜査本部は手口から国際的なテロと断定、テロを専門に扱う公安部に捜査の主導権を奪われてしまう。捜査の本筋から外された内藤には、無数にある防犯カメラ捜査が割り当てられたが、空港内のありとあらゆる風景を記録していたはずのカメラに、犯行の様子を記録したものは一つもなかった。本当に国際テロ組織による犯行なのか。四十年前の開港前夜、空港反対派による過激な反対運動があったが、今はもう、その火は完全に消えている。関連はないのか。もし反対派なら、今さら何に反対しようというのか。内藤が頭を悩ませる中、厳戒の警備態勢をあざ笑うかのように二機目が爆破されるー。
アネリーズはパリにある会社に就職し、忙しい日々を送っていた。1度しか会っていないCEOのニコラと彼女が交際中だという、根も葉もない新聞記事のせいでパパラッチが押し寄せてくるまでは。彼はヨーロッパじゅうの王族が結婚相手に望むほどの大富豪だ。このままでは私の存在が迷惑になる。会社を辞めて田舎に引っこもう。ところがニコラはアネリーズを呼び出し、驚くべき提案をしてきた。記事を書かせた者をさがすため、彼の婚約者を演じてほしいというのだ。もちろん自分では分不相応だからと、アネリーズは断ろうとした。けれどニコラに手を握られ、黒い瞳で情熱的に見つめられるうち、唇はいつの間にか「はい」と言っていて…。
目が覚めると、彼女は記憶をなくしていた。列車事故が起き、偶然現場にいた医師スチュアートに命を救われたが、彼女は意識を失う前、赤ん坊を大事に抱えていたという。その子は彼の姪で、彼女は亡き兄の妻デザレイだと聞かされる。彼は兄と長く疎遠だったため、その妻である彼女とは初対面らしい。わたしに夫がいたなんて、まったく身に覚えがないけれど…。これまでの人生を失った不安に押しつぶされそうななか、親身に支えてくれるスチュアートに、いつしか心を許していた。そこから、彼女のデザレイとしての人生が始まるかに見えたーだが、やがて驚きの真実が判明する。彼女はデザレイではなかった!
看護師のハリエットは、休暇でオランダの友人宅を訪ねた。色鮮やかな花々にあふれる早春のオランダは世界一美しい。胸を高鳴らせて町を闊歩する彼女の前に、信号待ちの車が停まった。端整な顔立ちの運転手と目が合い、ハリエットは思わずほほえんだ。なぜか、ずっと昔に会ったことがあるような気がして…。ところがその男性は冷ややかなまなざしのまま走り去り、ハリエットは恥ずかしさに、一瞬でも浮かれた心をたしなめた。翌日、診療所を経営する友人の父親を、医師のフリソが訪ねてきた。まあ!あの車の男性だわ!驚くハリエットに、彼は詰問した。「昨日、君はなぜほほえんだ?僕のことなど知らないはずなのに」
「あの夜のことは、なかったことにしよう」秘書として働き始めたペイジに、社長のジェイリッドが告げた。先日の大停電の夜、エレベーターに閉じこめられたペイジは、見知らぬ男性に慰められるうち、一線を越えてしまった。自分らしからぬ行動を恥じ、逃げるようにその場を去ったが、新しいボスのジェイリッドこそ、あのときの男性だったのだ!ボスの言うとおり、あのすてきな思い出はもう忘れてしまおう…。だが4カ月後、ペイジは彼の子供を妊娠していることに気づく。身の縮む思いで、正直にジェイリッドに打ち明けたーまさか、金欲しさに彼を罠にはめたと疑われるとも知らず。
「君との間に子供を作るようなまねはしなかったはずだ」イタリア富豪ラファの言葉に、アイヴィーはひどく傷ついた。最後の蓄えを使ってローマまでの格安航空券を買ったのは、亡き姉が育てていた子の父親に会いに行くためだった。しかし、父親のはずのラファはアイヴィーを赤ん坊の母親と誤解して事実無根だと否定し、彼女は追い払われてしまう。十代で白血病になってから、私は恋愛も出産もあきらめた。女らしさはなくしたと思ったのに、なぜあんな人に胸がときめいたの?ところがその後ラファは再び現れ、アイヴィーに結婚を迫ってきた。そしてとまどう彼女に熱い視線を向け、無垢な唇を奪って勝ち誇った。
ちょっとだけ。今夜だけよ。公務で訪れたニューヨークで王女シャーロットは、迫る政略結婚をひととき忘れたくて、こっそり会場を抜け出した。おそるおそる足を踏み入れたバーで、たくましくセクシーなイタリア人男性ロッコに声をかけられる。金融関係の仕事をしていると言う彼と、身分を隠して話すうちすっかり心奪われ、彼のペントハウスで熱い一夜を過ごした。だがシャーロットがバージンと知るや、ロッコは激怒する。「知っていたら誘わなかった!」と。そして立ち去ったー。やがて妊娠に気づいた彼女はやむなくニューヨークへ向かう。王女という身分を明かし、お腹の子は自分で育てると言うために。
レイラは母亡き後、横暴な義父に虐げられ続けてきた。ついにはビジネスの道具として、多額の金と引き替えに、見知らぬ男性との結婚を決められても、彼女は逆らえなかった。結婚すれば義父から逃げられる。相手は誰でもかまわない…。強欲で好色な老人を想像していたレイラは、現れた相手を見て、目が釘付けになった。たくましくてセクシーで、なんて魅力的。大富豪ジョス・カーモディーわたしはこの人の妻になるの?思わず胸がときめいたが、彼はレイラを蔑んだ目で睨みつけた。“金のためなら、誰にでも身を委ねる女だ”とでも言いたげに。
砂漠の王国を長期の仕事で訪れたサマンサは、宿泊先で大柄な男性と衝突し、弾みで抱擁とキスを交わした。以来、エメラルドのような瞳の男性の面影が心から離れなくなる。数カ月後、オアシスのほとりでの再会にサマンサの心は躍った。彼が私を捜しだし、会いに来てくれたんだわ!だが彼は、以前とは別人のように厳しい表情で立ち去ってしまう。ほどなく公式な謁見の場で、その理由が明らかになる。彼こそサマンサを呼び寄せた国王ビアハムだったのだ。あの熱いキスは戯れだったのよ…。傷心の癒えぬ彼女は、予期もしなかった。王に誘惑され、愛人の地位を用意されるとは!
アンバーは突然の元夫バロンからの電話におびえた。世界的スター俳優のバロンが数年前、町を撮影で訪れたとき、たちまち熱い恋におち、結婚した。若さゆえの情熱に駆られるままに。彼が女好きのプレイボーイだと知ったのは、結婚後のことだった。離婚してからはいっさい連絡を取り合わなかった。今日までは。妊娠に気づいたあとひっそりと彼の子を産み育ててきたことをバロンは知るよしもない。彼とかかわるわけにはいかないわ。電話を切ろうとするアンバーに、彼は冷ややかに言った。「なぜ君がぼくを避けるかわかっている」まさか…この子の存在を知っているの?
少女の視点から世界の残酷さとシングル・マザーの寄る辺なさが浮かび上がるアニーバル・マシャード「タチという名の少女」、20世紀ブラジル社会の活力と喧噪を伝える全12篇。
お祭りの縁日で出会った綺麗な青色の亀。8歳の少年ブルーノは、その亀を「アイビー」と名付け、ともに暮らすようになる。手のひらサイズだったアイビーはすくすくと成長し、ブルーノを背中に乗せられるようになり、ブルーノの身長を追い越し、さらにはブルーノの家より大きくなり…。そして大きくなりすぎて森の中で過ごすようになったアイビーを恐れた村人たちは、アイビーを討伐するために冒険者を雇いーアイビーを守るために駆けつけたブルーノが見たのは、返り討ちにされた冒険者たちだった。この事件をきっかけに知り合った魔物学者、ゼニファーの提案により、ブルーノはアイビーとの平穏な暮らしを手に入れるため、テイマーとして冒険者になることを決意する。自由にサイズを変えられるようになったアイビーを肩に乗せて冒険者デビューを果たしたブルーノは、静かに暮らしたい彼らの気持ちとは裏腹に、様々な騒動を巻き起こしていくー。巨大化!口からビーム!重力魔法で宙を舞い、回復魔法もお手の物!スーパータートル・アイビーと普通に暮らしたい新米テイマー、ブルーノの大冒険が始まる!
早駆け祭りが終わり、ついにクーヘンの店『絆と光』がオープンする。行列につぐ行列で大騒動になりながらもケンは元営業マンの手腕を発揮し、従魔や神様たちと協力し、なんとか店を回していく。クーヘンが営業に慣れてきた所で、ケンたちは別れることになった。7色のスライムを揃えたい!というシルヴァとグレイの要望からスライムを求めてテイムしたり、未開の地下洞窟が見つかったからと探索したりするなか、ケンの死亡フラグが次々に立ちまくり…!?従魔も神様たちも、もちろんケンにも予想がつかない災難続きの第四巻!
孤児院時代の仲間や、かつて戦場を共にした戦友たちがイルク村へと集い、再会を喜び合うディアスたち。そんな仲間たちとともに隣領で起こった反乱を鎮め、イルク村では盛大に宴が開かれたのだったー。再び日常へと帰ってきたイルク村に、ある日獣人国から客人がやってくる。それは「獣人国のお偉いさん」で、かの国との友好のために会談を行うが…。獣人国との国境の関所作りにナルバントは立候補し、その作業のために洞人の一族をイルク村に呼ぶことに。洞人たちのため酒作りを進めることになるが、それを複雑そうに見るディアスに伯父のベンがディアスの酒嫌いの原因を語り始め…。セナイとアイハンは森での養蜂に成功し、上質な蜂蜜が定期的に手に入ることに。一方で酒蔵での酒造りも順調で、ついに洞人の一族を呼ぶための儀式を行うことになり…。あま〜い蜂蜜においしいお酒。イルク村の文化レベル急上昇中!
辺境の地ルガンダの領主に任命されたヤハギは、ミシェルやルーキー冒険者たちと共に開拓に乗り出す。改心したティッティーの活躍や、隣領に支店を出す話などもあり開発を進めていくなか、“機械神”を名乗るおじいさんマニが現れる。マニの協力であの懐かしの四駆のおもちゃや動物型メカが登場!あっさり開拓ができるようになると思われたが、彼はボケているうえにメカに問題もあって…!?
鬼門にて禍神を倒し、主君の杏樹を護り抜いた月潟零。隣国・錬州と共謀して紫州候の座を纂奪しようとした副堂親子は行方をくらませ、零たちに一時の平穏が訪れる。しかし、錬州との州境の山で異変が発生したとの情報が届く。杏樹の命で零は調査へ赴くのだが、そこで魔獣に襲われている錬州の巫女姫と遭遇し!?失踪した副堂親子、宿敵・錬州から突然の来訪者、そして裏で糸を引く煌都の勢力。平和を望む零と杏樹にかつてない試練が待ち受けるー!
勇者から婚約破棄された聖女・メイリーンはお子さま魔王のおやつ係に任命され、料理に奮闘する毎日。魔界では抹茶にあんこ、おせんべいと『日本のおやつ』が空前の大ブーム!メイリーンのおやつを求めて魔王城に求人応募が殺到、キッチンは大忙し!?おやつ係の活躍は留まるところを知らずお子様ランチを作ったり、魔獣のお肉でバーベキューしたり、栽培したミント畑にもふもふ達がうっかり集まってきたり!!慌ただしくも楽しい日々の中、メイリーンは一大決心をするのだった。一方、メイリーンが去った人間界では国を揺るがす騒動が起こってー!?捨てられた聖女の自由気ままなスローライフ、第二弾!
水属性の武技習得に悩むルーシェのため、ネルにアドバイスをもらおうと精霊の庭を訪れたウィルたち。そこでレクスと並ぶ大幻獣の一柱、大海を守護する水の大幻獣ユルンガルとの邂逅を果たすことに。一方、ウィルたちのソーキサス帝国親善訪問の日程が近づくなか、不穏な気配が立ち込めてきていたー。