小説むすび | 2023年4月21日発売

2023年4月21日発売

最後の祈り最後の祈り

著者

薬丸岳

出版社

KADOKAWA

発売日

2023年4月21日 発売

娘を殺した男がすぐ目の前にいる。贖罪や反省の思いなど微塵も窺えないふてぶてしい態度で。 東京に住む保阪宗佑は、娘を暴漢に殺された。妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し、死刑判決に「サンキュー」と高笑いした犯人。牧師である宗佑は、受刑者の精神的救済をする教誨師として犯人と対面できないかと模索する。今までは人を救うために祈ってきたのに、犯人を地獄へ突き落としたい。煩悶する宗佑と、罪の意識のかけらもない犯人。死刑執行の日が迫るなか、二人の対話が始まる。動機なき殺人の闇に迫る、重厚な人間ドラマの書き手・薬丸岳の新たな到達点。 〈著者・薬丸岳さんから〉 「死刑になりたいから人を殺した」 「誰でもいいから人を殺したかった」 世間で無敵の人と呼ばれる凶悪犯には心がないのか。いや、そんなはずはないという祈りを込めました。 ぼくの作品の中で最も重く苦しい物語です。どうか覚悟してお読みください。 〈担当編集者から〉  「罪を憎んで人を憎まず」と言いますが、実際に愛する人を殺されたら、そうすることはできるのでしょうか? この究極の問いを突き付けられるのは、牧師であり、無償で受刑者の精神的救済もしてきた主人公・宗佑です。品行方正に生きてきたのではなく、過去に犯した罪の罪悪感に苦しんできた宗佑。自分が救われたように、人々を救いたいという強い気持ちを持って真摯に仕事に取り組んできた彼が、何よりも大事にしてきた娘を惨殺されたらーー。復讐という動機で犯人に接する宗佑に湧きおこる、まさかの感情。犯人と、彼をこの世で一番憎んでいる宗佑との対話。重いテーマではありますが、読む人の心を揺さぶる傑作です。ぜひご一読ください。

香港警察東京分室香港警察東京分室

出版社

小学館

発売日

2023年4月21日 発売

テロリストを追え! 圧巻の国際警察小説。 香港国家安全維持法成立以来、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力するーーインターポールの仲介で締結された「継続的捜査協力に関する覚書」のもと警視庁に設立されたのが「特殊共助係」だ。だが警察内部では各署の厄介者を集め香港側の接待役をさせるものとされ、「香港警察東京分室」と揶揄されていた。メンバーは日本側の水越真希枝警視ら5名、香港側のグレアム・ウォン警司ら5名である。 初の共助事案は香港でデモを扇動、多数の死者を出した上、助手を殺害し日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕すること。元教授の足跡を追い密輸業者のアジトに潜入すると、そこへ香港系の犯罪グループ・黒指安が襲撃してくる。対立グループとの抗争に巻き込まれつつもユー元教授の捜索を進める分室メンバー。やがて新たな謎が湧き上がる。なぜ穏健派のユー教授はデモを起こしたのか、彼女の周囲で目撃された謎の男とは。疑問は分室設立に隠された真実を手繰り寄せる。そこにあったのは思いもよらぬ国家の謀略だったーー。 アクションあり、頭脳戦あり、個性豊かなキャラクターが躍動する警察群像エンタテイメント! 【編集担当からのおすすめ情報】 「機龍警察」シリーズの著者が放つ、警察小説の新たな傑作がここに! アジアを舞台に、今、現実に起こりつつあることさえ呑み込み、リアルとフィクションのあわいに生み出された珠玉の物語。必読です。

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