2023年4月25日発売
銃弾飛び交い、炎渦巻く大塩平八郎の乱の後、大坂から脱出し、江戸へと移った泡界坊。かの地で怪しげな瓦版を売って、公儀に反抗する日々。そんなとき泡界は、江戸の汲み取りを仕切る葛西の頭領から助けを求められる。土田新吉郎なる男が、将軍のおぼえめでたいのをかさにきて悪行三昧だというのだ。土田は葛西の頭領の娘をむりやり妾にしようとし、莫大な金を生む肥料の利権を掠め取ろうとしているという。しかもこの土田、泡界が憎からず思っていた“料理屋”の女を捨てて店に叩き売っていたのだ。将軍の御忍び接待を仕込む土田を破滅させるため、泡界の怒りの一撃が炸裂する!これぞ懲悪歴史時代小説。
はるか未来、容姿も社会体制も変貌しきった人類は、古い歴史をもつ異星種族セネクシと果てしない戦いを続けていた。原始星群をめぐる巡航艦“混淆”で、敵の抹殺だけを教えられて育った少女プルーフラックスはきたる初陣に思いを馳せていたが…。圧倒的なスケールと美しいヴィジョンで人類と異星人との戦いを描いたネビュラ賞受賞作「鏖戦」。近未来、200万の人口を擁する月コロニー。そこにある天然の洞穴を利用した科学施設“氷穴”では、絶対零度達成の実験が進行中だった。ここに、100年以上ものあいだ冷凍保存されていた人間の頭部410個を地球から持ち込み、一大データベース化しようとする新たなプロジェクトが動き出す。月世界での壮絶かつ衝撃的な実験を描いた星雲賞受賞作「凍月」。2022年11月に逝去したベアの真骨頂たる、ハードSFの代表中篇2篇を収録した一冊。
1926年12月3日、『アクロイド殺し』などで注目を集める気鋭の作家アガサ・クリスティーが失踪した。ときにアガサ、36歳。最愛の母親を亡くし、夫のアーチーは年若い下流階級の娘ナンと愛人関係にあって、ひどく落ち込んでいたという。そして失踪当日の朝、離婚を切り出した夫と大喧嘩をしたアガサは、夫と幼い娘テディの乳母に手紙を残して、煙のように姿を消した。捜索には延べ数千人の警官が動員されたが、アガサは一向に見つらず、夫による殺害と遺体遺棄まで疑われたー11日後、ホテル滞在中に発見されるまでは。一方、アガサからアーチーを略奪したナンは、ある秘密を抱えていた…不可解な失踪のあいだ、アガサとナンに何が起こったのか?世界で最も有名ナミステリ作家の実際の失踪事件をもとに描かれた衝撃のサスペンス。
ヴィオレットは、ブルゴーニュにある小さな町でたったひとりで墓地管理人をしている。彼女が住む管理人用の家の一階には、墓地に来る人の待合室ーのような空間がある。墓参者はここで悲しみに浸り、故人との思い出を語り、死にまつわる秘密を打ち明ける。そして二階には、ヴィオレットだけの部屋があり誰も踏み入ることはなかった。彼女の過去と同じようにー。そんなある時、一緒の墓に入ると決めた男女の存在が、彼女の人生を大きく揺るがし、あきらめていた感情に血が通い始める。フランスで130万部のベストセラー長篇。
ヴィオレットが管理する墓地は美しい。通路には樹齢百年になる菩提樹が並んでいて、多くの墓が花で飾られている。誰も訪れなくなった墓が淋しく見えないよう、ヴィオレットが花を手向けているから。墓地管理人の仕事は、そこに眠る者たちの世話をするということなのだ。ある日、ジュリアンという警視が母親の遺言をもって突然やってきた。母親が、家族には秘密で愛人と同じ墓に入ると約束していたのだという。50歳を間近にして、何度も絶望に襲われ、新しい人生をあきらめていたヴィオレットにとって、この男女の物語は大きな衝撃を与える。花が新鮮な水で生き返るように、彼女の人生もまだ終わってはいないのだ、とー。
生命工学と情報技術を独占して見幸市を統治する大企業・佐久間種苗を襲った細菌テロは、百名超の研究員を殺害する。市境警備隊から微細走査官に異動した来未由は、ABID(アブソルート・ブラック・インターフェイス・デバイス)によって遺体の心象空間を走査、事件直後の現場の様子を調査していく。また佐久間種苗の内情を探る元刑事の尾藤は、テロの背景に人工知能にまつわる機密の存在を知る。一方、高層民の少女コチが所属する電気連合組合から命じられたのは、テロで命を落とした組合員から或る記憶装置を回収することだった。『プラ・バロック』『躯体上の翼』の著者が、令和日本に放つサイバーパンク巨篇。
高校三年生の春、雨流優花のクラスに世界初のAI漫画家リュッカ・ボーグが転校してくる。リュッカはAI開発実験に参加した中学二年生のころの優花の人格を元に作られていた。かつて漫画家を志し、夢を諦めた優花は成功しているリュッカと距離を取る。そんな中、生徒会選出馬を求められたリュッカは優花に対しある条件を突きつけてくる。リュッカが転校してきた理由とは?そして、その条件が意味するものとはー?
レンゲの故郷である砂漠の国・ロウカクで発生した地龍の騒動を解決したイツキたちは、アインズヘイルの街に戻ってきていた。そんなイツキの元に、領主・オリゴールが依頼をもっと訪ねてくる。その内容は、間近に控えた収穫祭を盛り上げて欲しいというものだった。収穫祭といえばハロウィン!ということで、定番のジャック・オー・ランタンを模したお面を彫ったり、お祭りで配るお菓子を作ったりと、賑やかに準備を進めていく。さらには、聖女・テレサや英雄・隼人の力も借りた演劇も企画。準備万端で収穫祭が幕を開けるー!一方、アインズヘイルから少し離れた地にある廃城で、とある少女が十数年ぶりに目を覚まし、活動を開始していたー。「我は夜天の女王にして『吸血鬼の真祖』である!…なんちゃって」スキルを駆使して美少女たちと送る賑やかの異世界スローライフ、第10幕!(願望)
どんぐり頭の少年によって異世界へ転移させられてしまった間宮悠人ことロキ。得られたのは『若返った身体』と『ステータス画面』を見られる能力だけ。放り込まれた樹海から抜け出して現地の人々と出会ったロキは、ベザートの町を拠点としてハンター活動を始める。パルメラ大森林で魔物を狩るうちにこの世界にも慣れ、次なる舞台はロッカー平原。そこで何の気無しに行った動作で異世界の魔法を初体験!?さっそく効率重視ならではの定点狩りを開始するが、その成果に目を付けたハンターが近づいてきてー。ギルドマスターであるヤーゴフの仲裁を受けるも、『ある言葉』を機に、ロキが異世界人である疑惑が深まってしまい…!?強さを実感として得られる世界で、ひたむきに効率を追求し『成長』していくロキの行く末は…!?“廃神”ゲーマー式異世界攻略譚、第2幕!
創造神の使徒、はじめました!? 「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。 彼は創造神デミウルゴスから、人族至上主義を掲げるエセ宗教「ルバノフ教」をとっちめてほしいと頼まれる。 ルバノフ教からは度々迷惑を被っていたこともあってフェル達がノリノリなため、デミウルゴスの頼みを引き受けるムコーダ。 一行はルバノフ神聖王国にあるルバノフ教の総本山に向かうが、それはまるでお城のように巨大で豪華な教会だった。 そこで悪事を重ねて懐を肥やしていた教皇たちに対して、デミウルゴスの神託によるお叱りと、フェル達「創造神の使徒」によるお仕置きが行われーー。 瓦礫の山を後にしたムコーダ一行は、次の目的地であるロンカイネンの街へ。 壊れた魔道コンロの代わりを探すのが目的だけど、その前に冒険者ギルドから厄介な依頼が持ち込まれて……? 「小説家になろう」12億PV超のとんでも異世界冒険譚、世界に轟く14巻!
女神の加護を持つ聖女が生まれる伝承があるレスト神官家。その家では、義妹と違い魔力を持たないリディアが「要らない子」として虐げられていた。さらに、愛を誓っていたはずの婚約者から婚約破棄されたことを機に家を出奔。聖都アスカリットで出会った素性不明の占い師に店を貸してもらい、“大衆食堂ロベリア”をオープン!第二の人生をスタートさせる。食堂をのんびり経営しながら平和に暮らしたいリディアだったが、なんとリディアの作る料理に癒やしの力があることが判明しー!?美味しい上に、力がみなぎる「奇跡のごはん」と噂になり、聖都を守護する聖騎士団団長を筆頭とする騎士たちから大人気に!さらにはもふもふ動物や超美形の宮廷筆頭魔導師もリディアの癒やしの力を頼りにやってきて!?孤独だったリディアは「奇跡のごはん」でみんなと一緒に幸せいっぱいの時間を過ごしていくー癒やしのグルメファンタジー開幕です!
エリート街道から脱落し、特技のヴァイオリンで日銭を稼ぐマスミ。バイト帰りに駅の階段から落ちた彼女は、気がつくと異世界にいた!さらにはスパイとして騎士団に捕まってしまう!当然、弁明を試みるマスミだったが、騎士団長アークに詰め寄られ、疑いは晴れないまま…。すると、ヴァイオリンに目を付けたアークから、スパイ容疑が晴れるまでは騎士団で「楽士」として働くよう求められる。なんと、そこはヴァイオリンの演奏で魔力が回復する世界だったのだ!行き場のないマスミは要求を受け入れ、早速仕事に取り掛かることに。しかし初仕事を前に、楽士の仕事は騎士の魔力が大きいほど過酷だということ。そして、彼らが「最強」ゆえに楽士に逃げられ続けた騎士団だと発覚してー!?訳ありヴァイオリニストが最強騎士団を救う『異世界再就職物語』、開幕!
召喚術に関する騒動を落着させたシャーロット。これで自由気ままな夏休みを過ごせると思ったのも束の間。風紀委員として林間合宿に参加することに!しかし林間合宿では、皇太子・レオナルドをはじめ、シャーロットの並外れた魔法の才に目を付け、自身の勢力に引き入れようとする面々による策略が水面下で張り巡らされていて…!?さらに何者かの手引きにより、一度死んだはずの動物の群れから急襲を受けてしまう!!生徒達を守るため、隣国の第三王子・グレイソンと共に立ち上がるシャーロット。危機を回避するために選んだ一手はー帝国内でも極めて少数の人間しか使えない最上級魔法の使用。だがそこには大きなリスクもあって…!?「頼むからーもう二度と、心配させないでくれ」かつてない危険が迫るなか、グレイソンとの関係にも変化の気配…?様々な思惑が絡み合う学園ファンタジー、第三弾!!