2023年4月発売
自分が前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したことを思い出したモブ令嬢のレイラ。 しかし、物語はすでにバッドエンドに向かって走り出していた。何故なら目の前にいた隣国の第二王子・アルベールにプロポーズされていたからだ。彼は『ヤンデレ最凶王子』と呼ばれ、まともなエンディングがない男だった。 ひとまずは最初のバッドエンドを回避するが、アルは事あるごとにレイラに「溺愛」と「監禁」を迫る。 だが、毎日一緒にいるうちにアルベール自身に惹かれてしまいそうになり、追い詰められたレイラは「私がアルベールを真人間にする!」と決意する。 そして、ゲームのヒロインのミアが魔法学園に入学してきて、いよいよゲームの本編がスタートする! レイラはアルとのバッドエンドから逃げ出すことはできるのか?
五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。「非婚式にご招待します」。クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。
激動の時代の祈りと赦しと。江戸末期から明治時代へ。キリシタン信徒の境涯は時代の流れに翻弄される。物語は、明治初期の長崎から始まり、由布の里、豊後竹田へ。日本の四季折々の風情を織り交ぜながら動いていく壮大な物語。「オカネサン」(mousum´e)という一人の日本女性の波乱万丈の生涯を描くことで、フランス人からみた「japonisme」すなわち近代化に向かう日本の時代の変化を浮き彫りにする。
ーー愛そのものは人生が続いていくようにとぎれないーー 人と関わることの真摯さが洞察と優しさを育んで、アナイス・ニン の物語は齟齬や間違いさえ生の糧になることを伝えつつ、心の襞を どこまでも証していく繊細さの現在形である。 詩人・松尾真由美 第一部 第二部 訳者あとがき
ロシア、ウクライナ、そしてパレスチナ、アフガニスタン。争いに満ちた世界で、真に尊いものはなにか。紛争地を歩いた著者が贈る連作短編集。
日本文化を世界へ。伝説的プロデューサーの足跡。文化人のサロンとして知られる「キャンティ」創業者の川添浩史は1934年に21歳でパリへ渡り、モンパルナスを拠点に国際感覚を身につけた。本書にはパリで川添と親交のあった若き日のロバート・キャパや岡本太郎、坂倉準三、原智恵子をはじめ、ジャン・コクトー、ポール・ヴァレリー、オーギュスト・ペレ、ジャンゴ・ラインハルト、ゲルダ・タロー、藤田嗣治、仲小路彰、三浦環、吾妻徳穂といった国内外の著名人が数多く登場する。日本の文化を世界へ。キャンティで川添の薫陶を受けた村井邦彦は夢のバトンを託された。伝説のレコード会社「アルファレコード」を旗揚げした村井は、荒井由実や赤い鳥など優れたアーティストを世に送り出す。そして、ついにアルファから世界に羽ばたく存在が登場する。それがYMOだ。川添はモンパルナスで何を学び、後の世代に何を託したのか。作曲家でプロデューサーの村井邦彦が日本経済新聞社編集委員の吉田俊宏とともに、多くの資料と証言に基づきながら、大胆な創作を交えてつづったヒストリカル・フィクション。