ようやく戦争が終わり、焼け残った東京の我が家へ戻ってきた悠太は、深い喪失感を抱きながらも都立高校へ進学して、新たな生活が始まる。離ればなれになっていた一家がともに暮らせるという喜びも束の間、長年、時田病院を牽引してきた祖父・利平が七十二年の生涯を終える…。戦争という惨禍に彩られた時代を生き抜いてきた時田家、小暮家三代の物語がついに大団円を迎える。芸術選奨文部大臣賞。
「人」から始まり「人」で終わる連作詩集。言葉遊びで描く喜びと悲しみ。