2023年5月発売
せやせや、あんた、若いさかい、 〈おたやん〉言うてもわかりまへんわな。 いまでは死語になってるかもしれまへんけど、 大阪ではお多福人形のことを〈おたやん〉と呼んでましたんや。 「夫婦善哉」を軸に、家族の“時”が結ばれる、こころに沁みる「大阪」物語。 表題作ほか2篇収録。
「本当に賢い人間は自分以外誰も騙さない」 生きづらい時代だからこそ、 フィリップ・マーロウの誠実な生き方が身にしみる。 ハードボイルド不朽の名作を新訳でお届けします。 ===== 「チャンドラーの文章には特徴があり、描写が細かく、読むと映画の一シーンを見るようにその情景が彷彿としてくる。その一方、記述を省くことがままある。つまり文章によって極端な粗密があるのだ。だから粗の部分をそのまま訳しても、ときとして意味不明になる。これが訳者として頭の痛いところだ。そこで本訳ではそのような場合、原文に一言加えて意味を明瞭した、補助線だ。」(「訳者あとがき」より) ◉本訳には、より楽しく作品を読んでもらうために、ロスアンジェルスの地図や登場人物たちの邸宅の見取り図など、数点の挿し絵が入っています。 主な登場人物 参考地図 ザ・ロング・グッドバイ 訳者あとがき
人類の救世主・鬼三郎…降臨! 2010年発刊当時、公開には時期尚早であると判断し、省かれていた8700文字もの衝撃的な文章を追記した完全版がついに解禁! 人類の7割が滅亡するというXデーは本当にくるのかーー すでに始まっている気象異常、大地震、火山噴火、パンデミック、戦争etc.…… 本書は、来るべき世界の終焉をいち早く見据えていた予言の書。 ドキュメンタリーでもあるその物語は、ロミオとジュリエットのような純愛から始まり、純粋が故に抱え込んだ孤独、無垢な魂の叫びを恐ろしいほどのリアリティで綴っている。 後半では日本社会の闇を鋭く考察、警鐘を鳴らすとともに、現実的なアプローチを示す。 これからの日本を生きていく指針となる必読の書。 本書は、今後2000年間ベストセラーを続ける本です。 漢字やルビ等、1000か所以上に及ぶ再校正も行っています。 プロローグ 母との思い出1 出会い 運命の輪 氷の世界に閉じ込められた咲きかけのバラの花 ロミオとジュリエット 中学時代のトラウマ きらめく風のなか 17歳の春 ふたりの世界 自転車の帰り道 ガラスの小瓶 魔法の制服 母との思い出2 ジュリエットの誓い 君だけに愛を 時計をとめて 白いハイビスカス 首 母との思い出3 あたしらしくない 初夏の出来事 ふたりの世界2 ニュースなふたり 母との思い出4 忘れていた恨み あなただけのもの 母との思い出5 悲しい約束 朝陽の中で微笑んで 大きな消しゴム バラ色の雲 衝 突 いちご白書をもう一度 だれのために 僕達の恋がまだ本当の悲しみを知らなかった頃 純 愛 真実の愛といばらの道 母との思い出6 卒 業 秘密のたからばこ 儚く短い春休み 未来への手紙 引き裂かれたふたり 捨てられた恋 突然の刺客 君を許す 通 告 さゆみーー取り戻した自分 荒野の罠 不在の代償 テルミー 写真交換 知らない人 母との思い出7 ふってあげる 偶然の再会 ラブサイン 赤いスイートピー 愛してるは言わない 美しき愛の掟 破壊衝動 妊娠中絶 裏切りの予感 母との思い出8 モナリザの微笑み 母との思い出9 母との思い出10 繰り返される地獄 雪の箱根 罪と陶酔 青春惨殺 決 別 永遠の後ろ姿 母との思い出11 追い返された天使 愛と運命の沈黙 母との思い出12 二十四年目の真実 都 会 母との思い出13 ケンカともだち 先生との内緒話 エピローグ〜あとから生まれ来る恋人たちのために〜 あとがき〜滅びゆく者たちのものさしを見直そう〜
「力道山を刺した男」として事件直後、日本一有名なヤクザになった村田勝志 あの日、あの場所にいて、あの男と遭遇した運命…… 力道山と村田の間にはいったい何が起きたのか? 国民的ヒーロー刺傷の烙印を生涯背負った男と娘の激闘譜。 世間では父のことを、 力道山を刺殺した犯人のように誤解している人が多かった。 まるで一方的に父を、 力道山殺しの極悪人みたいに決めつけている人が、なんと多いことか。 それが彼女には我慢ならなかった。(本文より) 傷害致死罪による服役を終えた村田勝志はその後、住吉会の強豪・小林会において幹事長、理事長を歴任。銀座の重鎮として睨みを利かせ、渡世を全うした。昔気質のヤクザそのものの豪快なエピソードとともに、これまで多く語られることのなかった真相が、力道山没後六十年目に明かされるーー。 ーー
老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。 風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。 子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。 商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。 やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う? 笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編! 一 めでたしの先 二 三つの縁談 三 商売気質 四 櫛の行方 五 のっぺらぼう 六 隠居おてだま
笑いしか生み出さない異彩を放つ文章を生み出し、Twitterとnoteで配信し続けるやーこのデビュー作。 Twitterで30万以上のいいねが付いた「猫の診察で泣きそうになった話」や「新幹線で座っていたら予想のつかない事態になり悔しい思いをした話」、「カツアゲにあった話」、「男が玄関に入ってきて悲鳴を上げた話」など話題作の他、書籍のために描き下ろした新作10篇以上も収録。長篇も含む全33篇をお届けする。 また、やーこのファンアートを投稿し、ファン界隈では神絵師とも言われているイラストレーターの栖周ともコラボ。文章の世界観をリアルに再現した迫力あるイラストは笑いの起爆剤となり、最初から最後まで笑いしかない1冊に。 思わず声を出して笑ってしまう可能性があるので、念のため周りに人がいないか確認してから読むのをおすすめする(気にしない方はそのままお読みください)。
前世の“推し”だったジュダール将軍の悪女妻に転生したアンジェラだが、初夜を無事乗り切り旦那様の愛を得て溺愛の日々を送っていた。前世の知識を活かしたドレスデザインや美術知識などで社交界でも名を上げ、悪女の噂も払拭していく。極め付きは収穫祭パーティでの新ドレスデザインお披露目と、三大公爵との交流で、その立場は盤石かと思われた矢先、何者かがアンジェラを罠に嵌め、“悪女”へと押し戻そうとする事件が次々と起こる! これは原作の強制力? 断罪は免れない? 愛し合う二人は力を合わせ真実解明に挑み、ハッピーエンドを迎えられるのかーー。 悪女に転生した前世喪女と無骨でマッチョな将軍閣下の、“初夜”から始まる溺愛ストーリー第2巻!
インターネットですべてが変わる。だから今のうちに体験しておくべきなんだ。1995年、宇都宮。高校2年の達也は東京に憧れ、広告業の父は自宅の「スタジオ」で取引先のためのアンプ製作に腐心する。父の指示で、黎明期のインターネットにいち早く接続した達也は、ゲイのコミュニティの存在を知り、おずおずと接触を試みるー。バブル崩壊後の20世紀末を疾走する、父と息子の冒険譚!
息をひとつ吸い、またひとつ吐く。生のほうへ向かってーー。喘息の一息一息の、生と死のあわいのような苦しさ。その時間をともに生きた幼い日の姉と弟。弟が若くして死を選んだあと、姉は、父と母は、どう生きたか。喪失を抱えた家族の再生を、息を繋ぐようにして描きだす、各紙文芸時評絶賛の胸を打つ長篇小説。新潮新人賞受賞作「わからないままで」を併録。注目の新人、初めての本。
実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。
嘉永六年(一八五三)元日、異例の暖冬に加賀藩は弱りきっていた。この夏の重要行事である将軍への「氷献上」に不可欠な氷が全く作れないのだ。ひと月後、信州の旅籠の氷室で見つけた氷には、八十名以上もの先約が。事態を打開するため御用飛脚宿「浅田屋」の面々が立ち上がる!氷の確保、献上日の調整、他藩の説得、新しい氷室の普請、運搬中のアクシデントー怒涛の展開があなたを待つノンストップ時代小説!
入社5年目、何をやっても冴えない平凡な男 斎藤郁馬は先週、仕事で大ポカをやらかし絶望の真っ只中にいた。 郁馬が密かに想いを寄せている、神川環季部長にも見放されたと嘆いている中 たまたま駅でその神川部長と遭遇。声をかけようとしたその瞬間 突然、彼女の身体がぐらりと揺れ線路の方へと落ちてしまう。 なんとか一命は取り留めたものの病室で目覚めた彼女は、 まるで別人格が乗り移ったような豹変具合に挙句の果てには自分は 「ヴァルライド王国の魔法騎士」と名乗り 「異世界より、タマキに転生した者である!」と言い出す始末。 そんな彼女に困惑しつつも、郁馬は彼女と共に過ごすことになって…… 憧れの女上司が異世界の魔法騎士へと転生!? 笑いとドキドキ必須のドタバタラブコメ×ファンタジー!
わたしはこれから、お父さんの死体を棄てにいく。怪獣の暴れる東京に。 短編として初めて日本SF大賞候補作となった表題作をふくむ全四編。 『七十四秒の旋律と孤独』の久永実木彦、驚異の新境地。 運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、妹が父を殺していた。立ち尽くす姉妹。その時、テレビから東京湾に怪獣が出現したという緊急ニュースが流れる。つかさは父の死体を棄てに東京にいくことを思いつく。短編として初の日本SF大賞候補作(「わたしたちの怪獣」)。伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。参加者たちは館内に籠城しようとするが……(「アタック・オブ・ザ・キラー・トマトを観ながら」)。『七十四秒の旋律と孤独』の著者、新境地。 ■目次 「わたしたちの怪獣」 「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」 「夜の安らぎ」 「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」 著者あとがき
日本SF史にその名を刻む、≪銀河英雄伝説≫愛蔵版 全7集完結 【《銀河英雄伝説》刊行40周年記念出版】正伝を2作ごとにまとめ5集に、外伝全編を時系列順に再編して2集に収め、全7集を四六判上製・函入りで贈る。この外伝第2集には順に、長編(外伝1)『星を砕く者』、短編「汚名」、長編(外伝2)『ユリアンのイゼルローン日記』を収録。創元SF文庫版を飾ったカラーイラストを口絵に再録。全7集完結。 ■目次 「星を砕く者」 「汚名」 「ユリアンのイゼルローン日記」
半身を覆う蘇芳色の痣と虚弱な心臓を持ちながら、同級生からの揶揄に対して苛烈なまでの矜持を示した少女・夏野。小学校時代、ほんの一瞬だけ彼女と交流を持った瑞葉は、高校生となって再会したとき、さなぎから蝶に羽化したような夏野に魅了された。数年前に奇妙な自殺を遂げたかつての同級生の死を調査するなかで、二人は距離を縮めていく。自殺した少年・要は夏野の痣の絵を描いたという理由でいじめを受け、それを苦に死を選んだと思われていた。彼を罰するかのように、要の死体は肌の半分を赤い絵の具で痣のように汚されていたー
英雄に討伐された死霊術士フランケルの転生した姿であるユリィシアは女学園に入学し、その不思議な魅力から「白銀の美少女」と呼ばれていた。成長した魔力をさらに伸ばすため、“死者の軍団”復活へのアンデッド素体を探すため、そしてなにより女の子のお友達をたくさん作るために、乙女の園でもマイペースな活動を続けている。イケメン剣士ウルフェや、ヴァンパイアメイドのネビュラちゃんを使役しつつも、出会った良家の子女たちと次々に「約束」を交わし、軍団強化を遂行するユリィシア。周囲の期待にまったく応えないユリィシアなのに、社交界デビューのデビュタントでも、生徒会活動でも人気を集めてしまったことで、“最高のお友達”との修羅場を迎えてしまって…。
魔界最強種族・オーガ族に生まれながらも、趣味のゴーレム造りで毎日を過ごす坊ちゃん。次なるダンジョン経営は孤島のビーチに陣取り、幼なじみメイドのリーデルと南の海を楽しむ計画だ。しかしそんな予定は、来訪者にあっさり覆された。夜の浜辺で出会った人魚・ロナの話によれば、この海域には魔魚がいて、魔力を吸い取っているという。コアが魔力で満たされなければ、返済失敗確定だ。ロナと共闘することになった坊ちゃんは、水上ゴーレムに乗り、魔魚狩りへと繰り出すことに。人魚の歌で誘い出し、魔槍で貫く死闘の中で、暴走エルフ・エリザベスのチート魔道具が猛威を振るう。ひ弱オーガとサキュバスメイドのバカンスに、武闘派人魚と姫騎士までが集まる大混戦。そんな中でも、恋の進展を目指す乙女たちには、ある密約があって…。