2023年6月7日発売
君の六月は凍る君の六月は凍る
三十年前に別れたままのきみが凍死体となって発見され、わたしの中であの町での思い出が甦るーー文芸界最注目の新鋭が、前代未聞の手法で叙情的に紡ぐ、切ない恋情。貧困・警備員腐女子生活を半私小説的に描く「ベイビー、イッツ・お東京さま」を併録。「君の六月は凍る」--30年前に別れた君が凍死体で発見されたと聞き、わたしはあの町での君との記憶を呼び覚ます。鶏小屋の前で、私たちは会っていた。お互い孤独だったわたしたち、初めて訪ねた君の家にはZがいた。学校の鶏小屋で生まれたばかりの鶏の子供を、君はある日連れて帰った。「鶏に名前はいらない」しかしある日、養鶏場で鶏の病気が発生するーーわたしは忘れない、別れの時に、君があげた叫び声をーー。名前につきまとう性別のニュアンスをあえて削ぎ落とすという試みを、叙情豊かに描いて絶賛を浴びた傑作。
恋する殺人者恋する殺人者
“読書”の快楽が存分に味わえる、これぞ本格ミステリ。大好きな従姉の転落死に不審を抱く大学生・高文は、彼に片思いするフリーター女子・来宮を“助手”に真相を探っていく。大型猫科肉食獣を思わせる担当刑事・鷲津にあしらわれながら“捜査”を進める高文だが、彼が協力を依頼した人が次々と殺されていく。一体、何がどうなっているのかー?
シャーリー・クラブシャーリー・クラブ
ワーキングホリデーで訪れたオーストラリア。「シャーリー」だけが入れるクラブがあるって知って、興味津々訪ねてみたら、そこには白髪のおばあさんたちが。そうしたら…背の高い、東洋人とも西洋人とも、女とも男ともつかない彼が…。「誰を探してるの?」って“完璧な紫色の声”で呼びかけてきて…。この出会いって、運命?それとも偶然なの?差別に傷つき、アイデンティティに迷い、そして恋に奮闘して…。人種や世代を超えて痛みや喜びを分かちあうピュアな“愛”の物語。
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