2023年7月12日発売
残忍な男によって、目の前で妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。犯人は捕まらず、未解決のまま15年を迎えた。犯人が古書に異常な執着を持っていることを見抜いたユ・ミョンウは、犯人を誘き出すために古書だけを扱う“記憶書店”を開店した。そこに現れた4人の怪しい客。「この中に犯人がいる」と確信し、調査をはじめるが…。家族を失った怒れる男のかつてない復讐劇が、いま始まる。
ずっと愛していた。そして強く愛されている。そう思っていたのは、私だけだったの?始まりは、小さな裏切りだった。謝ってくれれば許すつもり。ずっと待っていた。でもー。病室に来たあの人は、私の知っている夫ではなかった。「私」にとって一番大事なものは、「私」にだけ見つけられない。ある町を襲った謎のハッカー。「書」を愛する中国の娘。開発中止になった夢の機械ー。恋愛小説で、大救出劇で、予測不可能なラストシーンに、決して忘れることのできない読後感。
猪瀬藍・37歳・女性・独身。「借金をして家を買おう」そう思いついたのは六年前のことだった。果たして、その物件に手をだしてはいけなかったのか…。予想外の展開に背筋が凍るー異色のマイホームミステリー。
「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」。恋人の百合子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、“隣人”を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技“耳もぐり”と、一体(「耳もぐり」)。「壊れかけた人生」を生きてきた女は、10万円の報酬金に目が眩み、とある宗教団体が執りおこなう“髪譲りの儀”にサクラとして参加する。身の毛もよだつ悪夢が待っているとも知らず(「髪禍」)。ほか、小説という名の七の熱塊
心眼で人を観察しろ。本質だけが浮かび上がる。街頭に立ち、顔を見続け、指名手配犯を炙り出す“見当たり捜査班”。新米刑事・片桐は、犯人を見つけられないー。一方、ベテラン刑事・稲本は、圧倒的な結果を残す。新たに就任した捜査一課長は、ハイテク捜査を実施、「見当たり捜査班不要論」をぶち上げた。絶体絶命のピンチを、片桐は脱することができるのか?
アイルランドの首都ダブリンに生きる様々な人を描いたジョイスの『ダブリナーズ』。この傑作短編集の作品を、十九世紀末から二十世紀はじめに書かれた妖精・幽霊譚と並べてみるとー。名作をこれまでとは異なる文脈に解き放ち、当時の人々が肌で感じていた超自然的世界へと誘う画期的なアンソロジー。