小説むすび | 2023年9月11日発売

2023年9月11日発売

エセ物語エセ物語

てんでんこな言葉遊び、饒舌きわまる文字もじり、けれど真剣この上なく、無限の繰り言が日本語の原郷を、東アジアの無意識をあぶり出す。ジョイスと柳田、モンテーニュと易経が哀野のユートピアに出会い、死者の言葉を結んでは開き、継いでは重ね、天地のコトワリをめぐらせる。日本語の幽霊的宿命がエコーする室井文学の未完の遺作、易占トリックで最高に文学的な寓話、空前絶後な試み(エセー)の物語。 一の巻 《甲子》むちゃくちゃティーパーティー 《乙丑》夜明けの晩に 《丙寅》上下を脱ぐ 《丁卯》キンセンにふれる 《戊辰》蝕言 《己巳》ある蜥蜴の探究 《庚午》断片プロレタリアート 《辛未》うしろを強くするということ 《壬申》三寸オペラ 《癸酉》一巻の終り 《甲戌》二の舞 《乙亥》衣衣 二の巻 《丙子》おらおらでてんでんこにいぐも 《丁丑》若菜 《戊寅》手習い 《己卯》野分 《庚辰》追風用意 《辛巳》総角 《壬午》三寸 《癸未》夕顔 《甲申》ゴドーとバッコ 《乙酉》千不当万不当 《丙戌》ムカゴランド 《丁亥》アイノカゼ 三の巻 《戊子》後人追和 《己丑》復水、盆に返る 《庚寅》[思わずうつってしまう……] 《辛卯》口裏合わせ 《壬辰》幻 《癸巳》雲隠れ 《甲午》ヤドリギ 《乙未》橋姫 《丙申》苦手 《丁酉》ニガデ 《戊戌》ウタカタ 《己亥》心ゆくもの 後記 編集協力 川口好美 装丁   高林昭太

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