2023年9月13日発売
認知症が心配になるほどのもの忘れ、墓じまいをめぐる親戚騒動、定年後の夫とのうんざりする暮らし。問題解決を試みるも頭は回らず、集中力は続かず、あまつさえひざに水まで溜まる始末。それでも明日はやって来る。それどころか明後日も。思ったよりも人生長い。それならばー人生100年時代の新・シニア像を描く書き下ろし7編。
四人で暮らす兄弟が、ぎんなみ商店街で起きた事件に迫る。同じ事件、同じ手がかりを見ているのに、三姉妹とはまったく違う推理の展開に…?
史上初! ひとつの事件にふたつの真実 古き良き商店街で起きた不穏な事件。探偵役は四兄弟と三姉妹、事件と手がかりは同じなのに展開する推理は全く違う!? 〈Sister編〉との「両面読み」がおすすめです! ぎんなみ商店街近くに住む元太・福太・学太・良太の兄弟。母は早くに亡くなり父は海外赴任中だ。ある日、馴染みの商店に車が突っ込む事故が起きる。運転手は衝撃で焼き鳥の串が喉に刺さり即死した。事故の目撃者は末っ子で小学生の良太。だが福太と学太は良太の証言に違和感を覚えた。弟は何かを隠している? 二人は調査に乗り出すことに(第一話「桜幽霊とシェパーズ・パイ」)。 中学校で手作りの楽器が壊される事件が発生。現場には墨汁がぶちまけられ焼き鳥の串が「井」の字に置かれていた。学太の所属する書道部に犯人がいるのではと疑われ、兄弟は真実を探るべく聞き込みに回る(第二話「宝石泥棒と幸福の王子」)。 商店街主催の「ミステリーグルメツアー」に随行し、長男で料理人の元太は家を空けている。学太が偶然脅迫状らしきものの断片を見つけたことから、元太が誘拐事件にかかわっている可能性が浮上。台風のなか兄の足跡を追う福太たちに、ある人物が迫る!(第三話「親子喧嘩と注文の多い料理店」) 【編集担当からのおすすめ情報】 ドラマ化された『探偵が早すぎる』など、緻密なトリック構築に定評のある井上真偽さんの最新作は、ひとつの事件をふたつの面から暴くという、まさかのパラレルミステリー。もちろん〈Brother編〉だけでも楽しめますが、〈Sister編〉で明らかになる、「もうひとつの真実」で物語はさらなる進化を遂げます。このまったく新しい読書体験を、ぜひお楽しみください!
戦国史に新たな光を当てる驚きと興奮の歴史ミステリ!!申してみよ、秀吉はいったい誰に毒を盛られたのじゃ?信長・秀吉・家康の囲碁の師として対局を重ねた本因坊算砂。この男だからこそ知り得た豊臣家の秘密と天下人の死の真相ー。
21歳の理子は金銭面で厳しい生活を送ってきたが、ある女性と出会い、人生が好転する。彼女に誘われてラウンジで働き、高い評価を受け、新規の店を任されることになったのだ。充実した暮らしぶりをSNSに投稿する一方で、その飛躍を妬む者も増えていく。百貨店で閑職に追いやられ、しまいには墓穴を掘ってクビになった小島もその一人だ。そんななか、世間では無差別殺人事件が立て続けに起きる。模倣犯なのか。警視庁サイバー犯罪対策課の長峰は一連の事件の奇妙な共通点に気づく。折しも、小島の理子への嫉妬心は殺意に変わっていくー。虚弱体質。群れたくない。ITオタク。刑事らしくない男が社会の暗部を暴く。
中学一年の薗村海斗は、最近は学校に来なくなってしまっている同級生・桶屋太市、同じく同級生の女子・烏丸未夢と、オンラインゲームを通して交流を深めていた。ある日三人は、廃園になった遊園地“ハピネスランド”で撮影されたと思われるある動画を見てしまい、その動画が一体何なのかを突き止めるため、ハピネスランドに侵入することに…。思わぬ方向へ展開していく事件を追いながら、海斗たちは少しずつ真実に近づいていくー。少年少女たちの瑞々しい感情と友情を描き出す傑作青春ミステリが誕生!
数学科に通う大学生の神前裕人は、新入生歓迎会の帰り道、ひょんなことから殺人事件の現場に遭遇。被疑者として警察署に連れていかれることとなる。一旦は拘束を解かれるも、嫌疑をかけられたままの状態に不安を感じた裕人は、捜査一課の刑事の促しに応じる形で、自身が通う大学の古びた会館に足を運ぶことに。怪異研究会のサークル部屋で、ソファに寝ていた哲学科の水無月透華との出会いを果たした裕人の日常は、その日を境に一変。透華に振り回されながら、さまざまな事件の現場に足を踏み入れていくことに…。街中で突如燃える女、棺の内側から響く物音、目だけくり抜かれた死体…怪異の仕業とも取れる事件の真相を、思考実験をもとに導き出す。超常×解決ミステリー!第1回黒猫ミステリー賞受賞作。
東京豊洲の高層マンションで見つかったミイラ化死体。不可解な点がある…三日もしない間にミイラになったのだ。これを機に次々に発見されていくミイラ化死体…。日常生活に忍び寄るとてつもない恐怖を描くボタニカルサスペンスの傑作誕生!!
「俺ばこの町で一番頭が悪く、なんのコネやツテもなく、やる気も金もないクソみたいな道具屋だ」。伝説のテキストサイト運営人にして破格の経歴をもつ古道具屋店主による、金と汗と汚物と愛にまみれた痛快“冒険”私小説。
「ブルーチーズと瓶の蓋」夫の単身赴任に息子がついていくことになり、突然、誰かのためではなく自分のためだけに料理をつくることに。「教会のバーベルスクワット」四十歳を目前に妊活をやめた私は、夫との間に距離を感じ、魔が差したかのようにネットで知り合った男と逢瀬を重ねるように。「保健室の白いカーテン」年中体調不良の私は、現実社会のスピードに追い付けず、将来のことを考えるのが苦手で、焦燥感や後ろめたさをいつも先送りしてしまう。「森林限界のあなた」タトゥーを彫り付けようと山麓の店を訪ねた私には、その山をかつて、先輩イサミさんと登った思い出があった。「コンバッチ!」夫から突然、不倫相手の妊娠、離婚の申し出を受けた四十四歳の私は、言われるがままに条件を呑みこみ、さらに仕事も不調だったのだが…。