2024年8月21日発売
たった3ヵ月のトレーニング期間を経て、人気アイドル大峰颯太がボディビルの大会で上位入賞を果たした。SNS上では「そんな短期間であの筋肉になるわけがない、あれは偽りの筋肉だ」とドーピングを指摘する声が上がり、炎上状態となってしまう。当の本人は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように、「会いに行けるパーソナルジム」を六本木にオープンさせるのだった。文芸編集者を志しながら、『週刊鶏鳴』に配属された新人記者・松村健太郎は、この疑惑についての潜入取材を命じられ、ジムへ入会する。あの筋肉は本物か偽物か。松村は、ある大胆な方法で大峰をドーピング検査することを考え付くのだがー?真実を巡る潜入の日々が始まった。第70回江戸川乱歩賞。
「教えて?復讐のやり方を」 一人ぼっちの少女が頼ったのは、あと7日で消滅する幽霊。 伏線、伏線また伏線! 2年連続本格ミステリ大賞ノミネート作家による 終着点が心震わせる本格ミステリ ☆☆☆ なにもできない二人が、 逃げ、考え、罠にかける! 頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚! 黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。 臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、 両親を殺された少女・音葉に出会う。 彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。 「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。 でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」 天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。
ニッポン大好き留学生探偵×LA帰りキレモノ美人刑事!?名刀の殺人、花札のダイイングメッセージ、海パンで阿波踊り、お化け屋敷の謎、呪われた会社ー不穏だけどちょっと愉快でチャーミングな日本文化×ミステリ。
平賀源内の隠しものを奪え! 密命が下ったのは『解体新書』の絵師だった。鉱山の指導で秋田を訪れた平賀源内にその画才を見出され、『解体新書』の絵師に大抜擢された下級武士の小田野直武。故郷に戻って安穏と暮らしていたが、江戸出仕の密命が下る。源内は老中・田沼意次と秋田の佐竹家を強請ろうとしていた。講釈の発禁本、銀札の改定、蘭画、相次ぐ変死など、史実に基づく歴史ミステリの佳品。
その刹那、秘奥が炸裂したー隻眼の獣にして女形の如き妖艶さ、魔道を歩んできた者のみがもつ気迫に満ちた男、平山雷蔵。汚れ仕事を引き受け、死屍累々のしゃれこうべを野に放つことから、独狼の名で知られていた。いま人を一人、高祖藩から江戸藩邸へと護って連れてゆく。藩主が病没してさらに跡継ぎの定まらぬなか、忠臣たちが血筋の女子・寧乃を男と偽らせて大名跡継ぎに仕立てようということらしい。政争の愚も一切の私情も、独狼には関係の無いこと。昼も夜もと区別なく、寧乃の命を狙う刺客どもに、独狼は血塗られた愛刀・扶桑正宗をただただ斬り上げる。血煙が一面に舞いあがる、斬撃時代小説。
血のインクで綴られた本に導かれ、再会した姉妹の運命が動き出す。バーモント州の片田舎に屋敷を構えるカロテイ家は、祖父の代から収集した魔術書を守って暮らしてきた。本に記された、命を奪ったり火を放ったりするような数々の魔術は世界の理を揺るがすもので、魔術書を手に入れ、その力を手にしたいと狙う人間が後を絶たなかった。カロテイ家の異母姉妹、エスターとジョアンナは、父エイブとともに、本を守る結界の呪文が張られた家でひっそりと隠れ暮らしていたが、魔術が効かない姉エスターは家を離れ、各地を転々とする生活を送るようになる。いっぽう、父の死後、魔術を使う力を父から受け継いだ妹のジョアンナは家に閉じこもり、魔術書と生きる生活を続けていた。だがエスターに魔術書を狙う者の魔の手が迫り、それをきっかけに姉妹は再会し、魔術書をめぐる陰謀渦巻く世界に足を踏み入れることになるー。“ニューヨーク・タイムズ”紙の「2023年ベストSF&ファンタジー」の一冊に選ばれた、秘密の書物と姉妹をめぐるミステリアス・ファンタジー。
二〇二九年、フランスで「新革命」が起きた。ひとりの男性が性暴力被害を告発。法は頼れず、自ら加害者を殺害した。世間は彼に共感し、取りこぼされた被害者たちは各地で一斉に行動を起こした。これを期に、黙殺されてきた暴力の可視化と予防のため、あらゆる建物をガラス張りに改装し市民が監視し合う都市計画が進んでいった。-それから二十年。あらゆるプライバシーを犠牲に都市計画を受け入れた地区の犯罪は激減。警察官は役割を終え、平和な街を見守る「安全管理人」となった。そんな中、街きっての富裕地区で暮らす一家三人が忽然と消えた。事件を担当する元警察官のエレーヌ・デュベルヌは、捜査をとおして、社会への疑念を抱きはじめる。わたしたちはこんな世界を望んでいたのだろうか。透明性の理念と実情の狭間で悩み、傷つき、すれ違う人々を描いた注目作。フランスの高校生が選ぶルノードー賞受賞。
無人のはずの工場で爆発が起き男が死んだ。現場に残されたパソコンから、国際テロ組織の指示による爆弾製作中の事故の可能性が浮上。警視庁がその線で捜査を進める中、花房京子が男の遺留品を辿り接触したのは、元公安警察の犯罪評論家としてメディアを賑わす角松麻由子だった。だが、週刊誌が角松と男の決定的な繋がりをスクープし、事態は予想外の方向に向かい…。
クラスメイト襲撃事件を捜査する小学校の名探偵。滅亡に瀕した人類に命運を託された“怪物”。郭町の連続毒殺事件に巻き込まれた遊女。異星生物のバラバラ死体を掘り起こした三人組。見世物小屋の怪事件を予言した“天使の子”。白井ワールド炸裂!心を掻き乱す五つの本格ミステリ!
銀河貨物輸送業者組合に所属するショウン・ライアット。愛船“ホワイトカーゴ”は旧型でスピードが出ないうえ、無事故無違反を心がけ安定速度で運転するので、速度のノロさから“カタツムリ”と揶揄されることも。それでも安全が一番と日々の業務をいたって普通にこなしているのだが、トラブルや難題がいつも向こうからショウンに降りかかり!?
「たとえそれが歴史の流れに逆らうことであってもーー」 平和な現代の記憶を持ちながら、戦国の世で奮闘を続ける勝千代。だが、またしても命の危機に直面することに!? 勝千代は襲撃により壊滅的被害を受けた岡部城を出て、父・福島正成らと国元へ向かおうとした。しかし、病み上がりなうえ、もともと体力もない勝千代は、何者かに命を狙われる危険を感じながらの冬山での強行軍によって、またしても瀕死の状態に陥る。 山のふもとの神社で神職を務めているらしき公家の男・東雲に助けられながら、勝千代の快復を待つことになった一行は、岡部家の子で行方知れずになっていた姉妹が人買いに売られているかもしれないという噂を入手する。姉妹を助けるために真相を調べようとする勝千代。だが、さらなる危険が勝千代を待ち受けていてーー!? 転生×戦国サバイバル物語、第二弾登場!