2024年9月3日発売
貧困、ネグレクト、いじめ……幼い頃から心と体を削られ続け、それでも必死に生き抜いてきた女子高生・ミコト。 しかし、決してそれらからは逃れられない現実に絶望し、自らの命を断つことを決意する。 高校三年生、18歳の誕生日。ミコトは人知れず決意を行動に移すーー。 ■著者コメント 毎日のように目や耳にする、子供たちが置かれている悲惨な現状や、それによって引き起こされる痛ましいニュース。 そこに新型コロナという禍が直撃し、僕自身が、精神的、経済的に、生きてきて味わったことがないほどの苦しみの中で、書き殴った作品です。 親として、大人として、また、ミコトのような死の決断が頭をよぎった人間として、特に若い方々に、少しでも何かが届けられることを願っております。
フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。 しかし、書籍化企画を通すには『オカルトヤンキーch』のチャンネル登録者数は心許ない。企画内容で勝負するべく、過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。 池田と小林はネットなどで集めた情報をもとに、読者が喜びそうな考察をでっちあげていくーー。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (『オカルトヤンキーch』ファンブックより一部抜粋) 『変態小屋の真相判明!』 もともと変態が盗撮した写真のコレクションを保管するための場所ではないかという噂で有名だった当スポットだが、我々の追加取材によりここが実は全く別の目的で使われていたことが判明。 さらに動画内に映っていた一枚の写真が、とある女性の自殺直前に撮られたものであることを突き止めた。この写真に写った女性について、次項で詳しく考察していくーー。
明治二十五年から続く政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。右園死児という名の人物あるいは動物、無機物が規格外の現象の発端となることから、その原理の解明と対策を目的に発足した。
一気読み必至のエンタメ警察小説! 神奈川県警少年捜査課の高尾と丸木のもとに、旧知の高校生・賀茂が失踪したという報せが届く。賀茂は古代の霊能者・役小角の呪術力を操る不思議な少年だった。賀茂は失踪前、半グレに追われていたという。高尾たちが失踪の経緯を調べると、外国にルーツをもつ若者たちと半グレ集団の間で抗争が起きつつあることが判明する。事態はやがて、カルト的人気を誇る女性ボーカル・ミサキを巻き込んだ誘拐事件へと発展しーー!? 【編集担当からのおすすめ情報】 ミステリ界の第一人者・今野敏さんによるエンタメ警察小説シリーズです。少年捜査課が事件を追う警察捜査小説でありながら、謎の高校生が関わる伝奇ミステリでもある本作。テンポ良く展開するストーリーは一気読み間違いなしです!
キュンキュンするようなヴァレンタインストーリー、遠い未来を舞台としたAI料理人のお話、こだわりぬいたスープのレシピの秘密…etc. よりどりみどりの食べ物にまつわるグルメな8つの短編小説集。 第1話 天空の苺 第2話 ブーカ 第3話 最高のスープ 第4話 13. Feb チョコレーション 第5話 お菓子の城 第6話 将軍たちの晩餐会 第7話 つりやど 第8話 レミング
就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。 利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。 どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうかーー。 第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞受賞作品。 CARE1 俺の仕事は◯◯ CARE2 介護職なんて底辺でしょ? CARE3 尊厳の保持が私の使命 CARE4 人生に、彩りを添えて CARE5 求める人が、いるのなら エピローグ
多和田葉子さん絶賛! “移民文学の母”の初邦訳 「移民文学の母」と称されるトルコ出身のドイツ語女性作家の短篇集。 著者は、ドイツ文学の最高賞であるビューヒナー賞を2022年に受賞、ドイツ語圏以外の出身作家の受賞は史上二人目となり注目を集めた。著者の作品は20か国語に翻訳されている。 著者初の邦訳となる本書は、移民文学の原点として重要視されているデビュー作4篇に、ビューヒナー賞受賞記念講演を併録。母語の喪失の痛みとともに、歴史、性、宗教、文学を横断し、生まれたての言葉で世界を奔放に写し取る、圧倒的な語りの魔術! 「母の舌」:トルコ人女性の「わたし」は、祖国の政治的混乱から逃れ、ドイツのベルリンで暮らして17年がたつ。祖国での母との対話や祖母の姿、覚えている単語、友人が殺された記憶などを回想しつつ「わたし」は、どの瞬間に母の舌をなくしたのか、繰り返し自問する。そして母語を取り戻すために、祖父の言葉であるアラビア語を学ぼうと決心する…… 「祖父の舌」:「わたし」は失われた母語の手がかりを求め、ベルリンのアラビア書道の偉大な師、イブニ・アブドゥラーの門をたたく。指導を受けるうちに互いに愛しあい、「わたし」はイブニ・アブドゥラーの魂を身内に宿すと、アラビア文字たちは「わたし」の身体の中に眠りこんだ獣たちを目覚めさせた……
精霊と人間が共存する鬱ゲー『精霊契約』の世界に転生したシン。公式公認の隠れ最強キャラの彼は誓った、この力、推しの為に使おうと…。推しーヘラ・ドラゴンスレイが「冷徹令嬢」と呼ばれていようとゲームのラスボスであろうと関係ない。シンだけが彼女の優しさも可愛さも知っている。愛に飢えたヘラを闇堕ちさせない為に、陰からサポートしたいシンは入学前に『禁忌と雷の森』で能力を極限まで鍛え、設定にない神級精霊ゼウスと契約!万全の体制で彼女のいる精霊学園に潜入するが、入学早々にヘラに絡まれるし、主人公の親友アーサーに最強キャラとバレるしー!?目立ちたくない神霊契約者シンの推し一筋ラブファンタジー、開幕!
精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。 犯行を淡々と語る犬崎に、葛西はある違和感を抱く。 精神状態が安定しすぎているのだ。 犬崎の中に、本来の自我を麻痺させ、代わりに彼の精神を支配している〈なにか〉が存在するのではないかーー。 葛西が疑いを深める中、全国各地で不可解な動機による傷害・殺人事件が起こりはじめる……。