2025年10月8日発売
中国系アメリカ人のウィルは、美術史を専攻する大学生。ある日、中国人の資産家から驚愕の依頼を受けた。かつて英仏軍に盗まれた5つの美術品を奪還するというものだ。ウィルは、ハッカー、泥棒、詐欺師、ドライバー役の仲間とともに、世界中の美術館に向かう
2029年、北京。常軌を逸した速さで進行する癌で有力者の息子が死亡した。これは仕組まれた連続殺人なのか? 刑事偵査総隊の刑事アーロンは、ウイグル人の遺伝子エンジニア、マリクとともに捜査を行なう。やがてアーロンとマリクは、生命科学上の闇に直面し……
「好きだ」と言ってくれる男性と結婚するも、少しずつすれ違っていく心に気づかないふりをして生活を続けようとする「私」に、海辺の別荘で出会った隣人の画家を忘れられない「私」……。 恋に落ち、人を愛することに決まったかたちなどない。 目の前の気持ちに、ただ必死に追いつこうとする人々の姿を描いた6編の短編を収録。 一筋縄ではいかない、珠玉の恋愛小説集。 ◆◇あらすじ◆◇ 夫を亡くし、10年間の結婚生活に終止符が打たれた恵美は、夫の残した別荘に暮らしている。心は悲しくもせつなくもないけれど、思い出すと目から自動的に涙が零れる。 自分が、女を好きなわけがない。そう納得させたくてした結婚だった。 ある日、隣に画家の女性が越してきた。絹香と名乗る彼女と行き来するうち、恵美は自分の胸の奥の痛みに気づく。絹香もまた、怒ったように言う。 「恵美さん、旦那さんという人がいた人だったんだ」(「海鳴り遠くに」) 高校を休みがちになった僕の家へ、夏休みの間だけはとこの桃子さんがやって来ることになった。両親の離婚により始まった母との2人暮らしにも慣れ、告白されて彼女もでき、〈幸福が加速している!〉はずだったのに……。(「風は西から」) 自分は「普通」ではない。だから木に化ける蛾のように擬態を続け、「普通」の人間なのだ、と思い込もうとした。 そうして70手前になった学校清掃員の老人はある夏、昔想いを寄せた友人によく似た少年に出会う。「男女(おとこおんな)」と呼ばれいじめられていた彼と関わるうち、自宅に招き食事をともにするようになる。だが、2人のひと夏の終わりはすぐそこまで来ていたーー。(「赤くて冷たいゼリーのように」) --直木賞受賞作『夜に星を放つ』を超える感動をもたらす全6編 読み終えた後、「いろいろあるけど、こんな人生も悪くないな」と顔を上げられる、至極の短編集です。 海鳴り遠くに 風は西から パスピエ 赤くて冷たいゼリーのように 天鵞絨のパライゾ 雪が踊っている
『17歳のビオトープ』待望の続編! “就職”という人生の転機を迎えた4人の大学生を、就活アドバイザー・人生先生がやさしく導いていく 2025年10月、東京・名古屋にて、舞台化決定! 【主演】辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜) 自信満々で臨んだ面接練習で「“いい人”の壁」に当たる千佳。好きな人に振り向いてもらえず、「面白さ」の正体に悩む不器用な一平。就活を拒否し、自分探しの旅に出た直樹。目立つものが何もない自分に劣等感を抱き、「本当の自分」を見つけようともがく夕。 4人の前に現れたのは、謎めいた就活アドバイザー・平人生ーー通称、人生先生。人生先生との対話を通して、学生たちは少しずつ、自分の足で“人生”と向き合い始める。 第1話 いい人の見分け方はありますか 第2話 面白い人ってどんな人ですか 第3話 自分探しはどこへ行けばいいですか 第4話 自分って、なんですか
誰もが親を選べないし、 時に誰かに選ばれなくても、 自分自身を祝福していいのだ。 ーー島本理生(作家) 人はいつかは「誰かの子供」から卒業できる。 今親との関係に悩む人たちに、 そんな希望を与えてくれる物語である。 ーー瀧井朝世(ライター) 「WEB asta*」2025年10月6日より抜粋 奔放な母と自由になれない娘ーーやさしいエールに満ちた感動作 うつくしく奔放なシングルマザー・芙美子の娘として育った望。 幼い頃からひとりで寝起きし、 次々変わる芙美子の恋人にあわせて住まいを転々とする日々。 常識を教われず、どこか周囲から浮いてしまう望は、 「普通になりたい」と願いつづけてきた。 気まぐれな芙美子が唯一こだわったのが、毎食スープを飲むこと。 しぶしぶ付き合ってきた望だが、いつしかスープづくりが楽しみに変わる。 やがて、ある人物に恋心を抱いたことがきっかけで、 人生を大きく動かす選択をすることにーー。 ままならない人生に立ちすくむすべての人に贈る、「希望」の物語。
「ものすごくいいこと」があるわけじゃないけど 「特別に悪いことのない1日」がまあまあ続いているなら あなたはもう、自分で思うよりずっとすてきな人生を生きている。 韓国で20万人が共感! 爆発的ヒット中のベストセラーエッセイが、早くも邦訳で登場しました。 日々絶え間なく訪れるストレスや苛立ちから身を守る、生活感に満ちた大人の奮闘記。 目標は、「幸せになること」より「不幸にならないこと」。 読者の心を共感でつなぐ、いま最も話題の一冊です。 ──僕らは我慢することが大人だと学んできたけれど、じつは自分の子どもにも同じような人生を歩んでほしいと思っている人はいない。大人というのは自分を最初に諦める人じゃない。自分自身にプレゼントできる人だ。(本文より) CNBLUEのヨンファさん、ENHYPENのソヌさんら、 愛読書として紹介するK-POPスターも続出。 たいせつな友だち、家族、恋人、そして、ほかの誰でもない自分自身へ 「幸せになって」という言葉の代わりにこの本をプレゼントしてみませんか? プロローグ 第1章 思いやりは体力からつくられる 第2章 よく寝るのも才能だ 第3章 知らないほうが幸せなこともある 第4章 大人の幸せは静かだ エピローグ
主人公のカメラマン倉本小太郎が、彼の父の死を看取った医師、東山龍太郎が国際大学医学部の中の政治的闘争によって医大から放逐される様を仲間たちとともにつぶさに検証する物語。現代の大学医学部内部がいかに研究者不在で、なおかつ役人たちが跋扈し、大学教育がゆがめられているのかを告発する。 第一章 ジャーナリストの旅 古都の茶会 鍵善での追想 父健太郎の苦悩 家路 レトロとモダン 鳩時計 外科教授の大暴走 医学部に激震 諸悪の根源 国際大学の不正を国会で追及 コンプライアンスが機能せず メディアの猛勢 県警の捜査が入る パワハラ会見 第二章 天下り役人による凋落の足音 『白い巨塔』の再来 第三章 三銃士、真相を解明する 策略の真相究明 濡れ衣を晴らす 不可解な学長選挙 天下り役人の罪悪 第四章 新しい知事の誕生 賢者の勇断 大学の存在理由とは 第五章 ほら、もうすぐ桜が咲きますよ 風化させてはならぬ! 野点の茶会
「小さき生の普遍性」 排外主義の時代に抗う、金泰生文学の終着点となる名作を復刊! 「この本は、済州島で生まれた朝鮮人の「ぼく」の人生遍歴であり、他者のことばである日 本語への旅であり、朝鮮や日本の人々が織りなす海にまつわる物語である。」(本書解説より) 済州、猪飼野、京都、東京、静岡(結核療養所)、埼玉川口、長崎・・ 植民地支配と戦争の時代、平安とは遠い日常の中で一つ一つの生を慈しんだ「在日」作家の生涯の旅路がここによみがえる。 付録として、初の単行本収録となる肺結核の療養生活を描いた小説「爬虫類のいる風景」を添えて、名もなき命が息づく伝説の世界を約40年ぶりに復刊する。(本書と大きな円環をなす連作集『私の日本地図』と同時刊行) 序章 ふるさと ゴム靴 海 1 異国の町 下駄 雨靴 夢 2 メルヘンの人 手紙 花 鏡 3 旅 塩 まぶしい人 4 わが町 町に宿かる 汝もまた 長屋小景 幻の朝鮮人 5 なりわい 招かざる客 トランジスターラジオ 6 猪飼野再訪 恋文 「猪飼野」再訪 ある在日朝鮮人のオモニ 長崎からーあとがきにかえて 付録小説 爬虫類のいる風景 解説 名もなき命が息づく伝説 宋恵媛