2025年4月18日発売
恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い中の宇治とは3月で会えなくなることを知り……。恋・お金・家、彼女が選ぶ人生とは。創作大賞2024(note主催)朝日新聞出版賞受賞作。
背筋氏(『近畿地方のある場所について』)推薦! ーー恐怖の先に待ち受ける「鮮やかな真実」に、心がかき乱されました。 === さまざまな思惑が絡み合う《事故物件》マンション。そこに隠された驚きの真実とは……!? 弱小出版社の若手編集者・山城龍彦は、社長命令で、事故物件だと言われているマンションに住むことになった。そこで起きている怪奇現象の検証や取材をして本にまとめろというのだ。 優秀過ぎる学生バイト・小野寺はるかの援軍も得て聞き込みをし、このマンションがお化け屋敷と呼ばれている証言を得るが……。 / マンションに住む武藤大樹の小三の息子が行方不明になってしまった。そんな状況で妻は、「きっと悪魔に攫われた」と言い出す。霊感があるという妻の突拍子もない発言は初めてではなかった。 / 売れない役者兼ホストだったがスカウトされ、深夜番組で霊能力者を演じて人気を博していく葛木竜泉。もちろんニセ霊能力者なのだが、番組の企画で心霊マンションでロケをすることになり……。 / オカルトYouTuber・サーナこと冴木早菜。マンションを仕事場にしてさっそく怪奇現象が起こり、ネタになるとほくそ笑むのだがーー。 *web小説サイト「カクヨム」で先行掲載開始!
間違いは、運命のはじまり。 「私が求めたのは君ではない」 嫁ぎ先を追い出され、帰る場所を失ってしまったクラリス。 彼女に手を差し伸べたのは、見目麗しい侯爵家令息の騎士アレンだった。 「私の屋敷に来ませんか?」 クラリスはアレンと共にセインジャー侯爵家で暮らすことになり、奥様からの華やかな淑女教育や、アレンの優しさが、冷遇されてきたクラリスの心を癒やしていく。やがて、淑女としての資質が花開いていくクラリスに、アレンも目が離せなくなって!? その頃、クラリスの知らぬところで、義姉イベリンの悪意が迫っていた。 不遇な令嬢が愛に磨かれて輝きを取り戻す、胸きゅんシンデレラストーリー。 【編集担当からのおすすめ情報】 小学館ファンタジーノベル大賞の受賞作です! アレン様の優しさに癒やされてください。
「お嬢様、覚悟してください」 巫女のレティーシャが嫁ぐことになったのは『狂犬』と名高い公爵様。 その正体は、レティーシャが貴族だった子供の頃、わがままの限りに虐げてきた元使用人のヴィンセントだった! ……きっとひどい復讐をされるんだわ! そんなレティーシャの思いとは裏腹に、毎夜、彼から注がれる甘美な愛に、レティーシャは抗うこともできず溺れていく。 「俺から逃げられると? あなたは俺の妻だ!」 これは復讐、それとも愛? ヴィンセントの真の目的とはーーあぶない公爵様の重たい愛に悶える、偏愛ラブファンタジー! 【編集担当からのおすすめ情報】 ときに狼のように、ときに仔犬のように、 様々な表情を見せる公爵様の愛に溺れてください。
執筆足かけ10年。宮本文学、初の歴史小説。全四巻の完結篇。 開国から明治維新・西南戦争を経て、日本の近代化が始まる激動期を、越中富山の薬売りの視点から描く。主人公・川上弥一は、薩摩藩担当の薬売り行商人から、最後は近代的製薬会社の創業を主導するまでになるーー。 第四巻から時代は本格的に明治へ。近代日本が始動していく一方、西南戦争では若き薩摩藩士たちが痛ましい死を遂げていく。そして弥一の身辺にも、大きな出来事が起きるーー。 <全四巻から成る大河小説。読みごたえがある。 武士や権力者ではなく、市井の人間が激動の時代を懸命に生きる姿が見事にとらえられているのは宮本輝ならでは。> --川本三郎氏(評論家)「毎日新聞」2025年6月7日付の書評より <宮本文学の代表作の一つとして、長く読み継がれる作品になるだろう>--重里徹也氏(文芸評論家) 「東京新聞」2025年5月31日書評より <日本各地を回った富山の薬売りの鋭い観察眼と時代認識を通して、黒船来航から王政復古を経て西南戦争にいたる平和と変革の時代を描く雄渾な文学作品> --山内昌之(東京大学名誉教授/「週刊文春」2025年2月27日号の書評より) <「一身にして二生を経る」ほどの幕末維新の激動を乗り越えた日本人のたたずまいが巨匠の筆で活写されている。この小説は混沌の現代を生きる私たちの心の支えだ。> ーー磯田道史(歴史学者・国際日本文化研究センター教授) 全四巻それぞれに違った著者直筆の「ことば」が入った初回配本限定特典「讀む藥」付。 第七十三章 琉球と清国 第七十四章 一両は一円 第七十五章 清国福州 第七十六章 岩倉使節団 第七十七章 不平士族 第七十八章 西洋時計 第七十九章 邂逅 第八十章 事業拡大開始 第八十一章 伏木の松葉屋 第八十二章 つるひこさん 第八十三章 公使館の料理人 第八十四章 列強の罠 第八十五章 大阪分社開設 第八十六章 馬上の人 第八十七章 密偵警察 第八十八章 船出 第八十九章 台湾出兵 第九十章 朱大老 第九十一章 青年の自死 最終章 西南戦争 あとがき 主要登場人物 江戸〜明治初期の単位換算表 富山の薬売りの専門用語
「大欲は無欲に似たり」ということだろうか。 傍から見れば、起伏に乏しい生き方に映るであろう造園設計士のフルジ。 しかし、歳を重ねながらも、青春期に抱いた「地球をスマイル星にする」という青臭くて、他言もはばかられるような壮大な夢をフルジは忘れることがなかった。 不思議界や神話・聖典・宗教建築に興味を抱いていたフルジは、ある時「スピリチュアル・リゾート」を着想し、プランとして完成させる。 そして、翼の生えたこの男の想像力は、さらにそこから巨大事業のビジョン構築へと向かう。 ディズニーよりも神話的で、GAFAよりも野心的で、吉本よりも娯楽的なサプライズ・ベンチャーの出陣は、果たして陽の目を見るのか?
伯爵家のお荷物として冷遇されるユーシアは、 残酷な軍神である「氷血の辺境伯」ことレオンハルトに嫁入りすることに。 不安ながらも未来の夫に会うことを楽しみにしていたユーシアだったが、 嫁入りの旅の最中、盗賊に襲われてしまう…! もうダメだ…と思ったユーシアだが、目が覚めるとちびっ子になっていて…!? 一方、いけ好かない伯爵家の息子を妻に迎える羽目になったレオンハルト。 だが、彼の前に現れたのは愛らしいちびっ子だった! 「きみは俺の……」 「ヨメでちゅ」 のちに愛妻家となる美形軍神と夫大好き健気なちびヨメの結婚生活はどうなる!?
情熱的な白銀の狼族長×花嫁として差し出された少年 期間限定の夫のはずなのに 狼の溺愛と発情に からめとられて、甘く咬まれて 手で触れた相手の心が読めるククリは、獣人族の若長ナバルに、花嫁という名目の人質として嫁ぐことに。 争いが絶えない草原の人族と森の獣人族の和平のための期間限定結婚で、形だけの仮の花嫁。 ククリは命と引きかえにしても彼の力で獣人族の情報を探るように命じられ、男なのに無理やり花嫁として差し出されてしまう。 婚礼に向かう途中で逃げ出したククリは、獰猛な熊に襲われる。 助けてくれたのは夫になるナバル……美しい白銀の狼獣人だった。 知性と獣の獰猛さが宿る金の瞳。 ナバルからは誇り高く高潔な魂と、自分と比べて小さく華奢なククリを大切に守りたいと願う想いが伝わってきて…!
「殿下をお守りしたい。他には何もいらない。この手にした許される時の全てを使い、ただ殿下をお守りしたい」 国中で最も貧しい辺境メイセンの領主になった元皇太子のエルンストは、鋭い頭脳と洞察力で、領地を改革していく。高い戦闘能力を持つ従者であり、愛しい伴侶ガンチェと共に…! 長命種族のエルンストは二百年、ガンチェは百年…抗えない寿命の差があっても、ぴったりと寄り添い、愛し合う二人のささやかだけど輝かしい日々。 また、二人を支える騎士の領兵隊長タージェスと、黒肌金目の医師兼剣士ティスの人生をかけた恋物語も収録。 伝説的BLファンタジー、新規書下ろしや未収録作品を収録した番外編集!
卒業式を目前に控えたある高校で、生徒が窓から落ちるという事件が起こった。落ちたのは卒業生代表の予定だった生徒、常磐星藍。誰からも好かれ、品行方正で有名だった彼女は、周りに合わせていることで自分の顔が見えなくなる「青年期失顔症」だったのではないかという疑惑が浮上する。後輩の朝葉と聖は事件の真相を調べはじめるが、そこには思いもよらない秘密が隠されていて…。
2022〜2024年に翻訳出版された小説・戯曲4,780点を2,463人の作家別に一覧できる図書目録。各図書には内容紹介を、短編集には収録作品を記載。「書名索引」「訳者名索引」付き。
第一波攻撃隊を率いて出撃した江草少佐は、真珠湾内に碇泊する巨大な米戦艦を認めて眼を見張った。 ──これは大和型に匹敵するほどの大戦艦ではないか! 水路の端に碇泊しているのはまぎれもなくアイオワ級戦艦で、敵主力空母の撃破に成功した江草は、“この巨大戦艦も仕留めてやろう!”と決意する。母艦へ帰投するや江草は、山口中将に「アイオワ級をぜひとも沈めたい!」と直訴、山口も意気に感じてうなずいた。 しかし戦艦を沈めるにはどうしても雷撃が必要だ。しかも「アイオワ」はもう、真珠湾から脱出しようとしていた。 第四波の暁星はすべて雷装で発進、はたして「アイオワ」を捕捉できるのか──!?
[商品について] ー「オレ達はバイブルの呪いの中に居るんだね」- ネオン街の路地裏にあるクラブで、いつものように非日常的な時間を楽しんでいたフリーランスの不動産コンサルタント仲介業者・八文字聖也は、どこかで見覚えのある女を見かける。バーカウンターに座り、ラテン語の文字と悪魔を思わせる不穏なイラストが記された本を持つ彼女は、七年前に入水自殺をしようとしていたところを八文字が助けた女、一条かんなであった。 最愛の恋人を病で亡くした八文字と、宗教二世としての苦しみ、怒りにもだえるかんな。天国とも地獄ともつかないこの世界で再生を図る男女の人間模様を描いた決死の中編小説。 [目次] 序章 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 著者略歴 [担当からのコメント] 主人公の八文字は不動産コンサルタント仲介業を営んでおり、作中ではその仕事における葛藤やリアルな取引の様子なども描かれています。特に同業者の方はそのあたりのスリルも楽しめるはずです。善と悪という2つの相反する哲学的本質をあらわしたストーリーですので、ぜひご一読ください! [著者プロフィール] 伊場 公甫(いば きみとし)
愛はここにある。 幸せはここにいる。 「これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる作品を描きました」 ーー瀬尾まいこ 母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。 義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。 「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。この日々のどこに恩を感じさせるべきところがあるのだろう」 (本文より) 本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待&日本アカデミー賞優秀作品賞原作『夜明けのすべて』など、人々のかけがえのない関係性を紡ぎ続けた瀬尾まいこが描く、あなたの小さな、でも確かな支えとなる感動の物語! 大丈夫、忘れているだけ、見えていないだけ。 柔らかく折り重なった言葉が語りかけてくる。 そう、希望の鳥はすぐそばにいる。 ーー津田健次郎(声優・俳優) 今、部屋で一人涙をこらえるあなたに読んでほしい。 しんどい人生をそっと優しく肯定してくれる傑作です! ーー三宅香帆(文芸評論家) 春 9 夏 82 秋 143 晩秋 193 冬 258 冬の終わり 336
私はとある企業の契約社員で、富士桜市役所出張所の所長を務めています。役所の入札は三年ごとですが、働くメンバーはほぼ変わりません。 長年勤める人も多いものの、待遇は最低賃金のまま。 若い頃に思い描いた悠々自適な生活とは違いますが、似たような仲間と過ごす日々に充実感を覚えています。 健康で働けることを幸せとする人々がここにはいます。 近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。 これは老人ホームのような職場からの手紙です。