2025年5月23日発売
現実は、ディストピア小説よりも恐怖なり!? 狂信的な全体主義国家に変貌した近未来のアメリカを舞台に、女性の性と生殖に関わる権利がことごとく剝奪された恐怖社会を描いた小説『侍女の物語』(1985)。トランプ政権の成立以降、アメリカ、そして世界中で強まる右傾化や全体主義的傾向を予見した書物として、改めて注目を集めている。そして社会の不安が高まるなか、15年後の未来を描いた『誓願』(2019)が刊行。第二次トランプ政権が始まり、フィクションを越えるような事態が現実に起こりつつある状況下で、この鋭いディストピア小説を読み解き、自由とは何か、抑圧的な体制や政治手法に抗するにはどうすればよいのかなど、「今そこにある危機」について思索する。
ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」! 日常にふと口をあける世界の裂け目。 生と死の境界がゆらぐときーー心に小さな光を灯す物語たち。 天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。 木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より) 民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。 これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」! だまされすくわれ 引き出し 唐揚げ 渦 幽霊 光 みだしなみ 炎 花 わらしどうし 楽園 最良の事故物件 思い出の妙 あとがき
今度は名門校に潜入捜査!? 学園の闇に苦しむ令嬢たちを救え! 潜入捜査で皇子と疑似学園生活!? 貴族専門の取り締まり部隊・帝都保安隊で働くアメリア。上官であり婚約者でもあるデュランと共に日々、貴族の罪を暴くことに尽力している。そんなある日、ギフテッド学園に在学中の令嬢から、助けを求める一通の手紙が届く。大人しかった彼女の友人が突如豹変し、「前世の記憶がある」と言いだし学園の平和をかき乱しているという。さらに令嬢の婚約者の様子もおかしいようで……?真相を究明すべく、アメリアたちは学園で潜入捜査を行うことに。初の潜入捜査&学園生活に緊張するアメリア。彼女に近づく男子生徒たちにデュランの嫉妬が大爆発!?
現代キューバの磁力とディアスポラ 《ジャーナリストとして鍛錬を積んだパドゥーラがその教えを忠実に守り続けていることは、小説の執筆に臨む際の入念な調査にはっきりと感じられる。》(フアン・ビジョーロ) 2014年、キューバから亡命した元野球少年マルコスと、キューバ人を母に持つ大学院生アデラ、二人はマイアミで運命的な出会いを果たす。愛を深めていく二人は、激動のキューバ現代史に翻弄された両親の知られざる過去に直面する。革命とともに産声をあげ、希望に溢れる青春時代を過ごした若者たちが、一夜の事件を端緒に、一人また一人と祖国を去り、行き着く先で見出す真実とは…… 祖国の呪縛を抱えたまま、塵のように世界中に散らばった人々の生き様を、「キューバ国民生活の年代記」という壮大なスケールで描き出す傑作長編。
家族の絆、イスラム世界の抑圧と西洋への憧れ 「僕は牢獄にいた、ますます牢獄の中に。西洋には自由があるって? どんな自由が?」 母や兄への官能的な親密さに満ちた幼年時代を通りぬけて、フランス語の知に魅惑されたモロッコの若者は地中海の両岸で「他者」となる。 南でゲイであること、北でアラブであること、そして自分と世界を知る旅。
譲渡会で出会ったコーギーのコーちゃんと暮らす社畜リーマン・ユウマ。 「我は聖獣フェンリルだ」 ある休日の昼下がり、突然聞こえた渋い声に振り返ると…コーちゃんの正体が異世界の聖獣であることが判明!? おいしいごはんを作ってくれるユウマへのお礼として、転移魔法で異世界旅行を満喫することに! 「さっ、最高だよコーちゃん! 実は俺、子どもの頃からモンスター飯が食べたかったんだ!」 「飼い主殿は生粋の変人だったか」 早速、コーちゃん直伝の魔法でサクッと魔物を討伐。魔物肉とチーズのホットサンド、羊型モンスターのラムしゃぶ、モンスター蟹の鍋…未知の食材で料理を楽しむユウマだが、実は賢者クラスのトンデモ魔法を繰り出していた!? 手料理で冒険者のステータスを大強化しちゃったり、激レア猫魔物・ミミを手なずけたり、思いがけず期待の新人冒険者になってしまい…!? 社畜リーマンとモフモフペットが異世界メシを食いまくるゆるりグルメ旅、スタート!
運命の手違いで死亡するも、お詫びにと神様から不思議なペンと「鑑定」の能力をもらい、異世界に送り出されたユーリ。目が覚めるとまさかの赤子の姿! 戸惑うも、訳アリのエルフ兄弟と出会い保護される。 変人発明家な兄のカル、賢く頼りになる弟のミト。故郷を追われてきたという二人はこれから「あらゆる種族が共存する理想の村」を作ると言うが…カルが騙されて買った土地は辺境の荒れ地で…? 「こりぇ、みちぇちぇ!(※見てて!)」 そこでユーリが神様印のペンで「おえかき」するとーー目の前にポンッと立派な家が現れた! 井戸や道をつくったり、汚染された川を魔道具でお掃除して水質問題を解決したり、精霊やゴーレムとお友だちになったり… ユーリの知恵とスキル、そして求心力で集まった強力な仲間たちの力で生産も防衛も強固な村に! 無自覚に癒しを振りまくユーリの可愛さとひたむきさに、いつの間にか周囲が巻き込まれ、村の発展が止まらないーー!? よちよちだけど、賢くて最強!? 超愛され1歳児が、新たな家族のために大奮闘!
廃園寸前の動物園でカピバラ・山田さん一家の飼育係をしている穣。ある日の落雷で、気づけば山田さんたちと異世界に召喚されていた。転移早々ゴブリンに襲われるも、山田さんに助けられる穣。 「ふぅ。無事だったか、新人?」 どうやら、今回選ばれた勇者が山田さんだったようで…!? 女神の手違いで異世界召喚に巻き込まれたらしい穣は、【ポイント交換】というユニークスキルを授かっていた。早速食材や建物、【クラフトスキル】と交換し、自分好みの家を建てたり、おいしい料理を召喚したり…魔物と戦う山田さん一家のサポートをしつつ、異世界ぐらしを楽しむ毎日。そんなある日、カピバラたちの希望で発掘した温泉に体力回復や成長促進など、トンデモ効能があると発覚! さらに、村を襲うモンスターを撃退したり、瀕死の冒険者を助けたり、温泉宿を営んでみたり…人間+カピバラ3頭の不思議なパーティーが大活躍!? 勇者カピバラとおまけの飼育員がおくる、ゆるり異世界ファンタジー、開幕!
家族に愛されず病死した少女ルウリの転生先は泥船貴族の娘!? 商売は赤字続きで没落寸前、それでも両親に愛される日々を送っていた。 ある日、ルウリは屋敷で瀕死のシロクマを発見。 助けてあげようとシロクマに触れた時、なぜかルウリの力が覚醒!? ルウリは神獣と心を通わせられる神獣の巫女だったーー! そしてシロクマを無事救うことに成功する! しかし家はとうとう没落して屋敷を売るはめに… ルウリ一家は住むところを失ってしまった。 ボロボロになりながらも辿りついたのは、行き場を失った者達が身を寄せ合って暮らす村だったーー。 ルウリは神獣の力でインフラを整備したり、魔物を撃退したり、瞬く間に村の生活環境を変え、村人の信頼を得ていくーー。 次第にルウリの周りにはシロクマ以外の神獣達も集まってきて…!? これは優しい家族と村人、もふもふな神獣たち、ささやかな幸せを見つけた転生幼女による日常の物語!
基準の判断が難しい定番の名作を“ブックガイド類での掲載数”を元に選定した、明確な指標による名作案内。2000〜2024年に刊行された、絵本・児童文学・YA文学を紹介するブックガイド・あらすじ本等を対象とし、掲載されている作品を集計、掲載数が多い505作(絵本213作、児童文学・YA文学292作)を紹介する。「作品別ブックガイド一覧」「作者名索引」(国別)、「対象年齢別索引」付き。
累計復刊リクエスト数370票! 音声合成技術VOCALOIDを使った作曲家、悪ノP(mothy)による小説シリーズが、装い新たによみがえる! 2025年3月より毎月刊行が決定! 『悪ノ大罪』シリーズは、音声合成技術VOCALOIDを使った作曲家、悪ノP(mothy)により、2012〜17年にかけてPHP研究所より出版された小説シリーズです。中世から近代を舞台に、キリスト教における罪の根源とされる七つの欲望や感情、悪徳をテーマに作られた楽曲たち『七つの大罪シリーズ』を小説化したものになります。 2021年に初めての復刊リクエストが付いて以来、小説の元である楽曲を聴き、さらに楽曲の世界に浸りたいと思った方々からの熱いリクエストが積みあがり、現在(2025年1月6日時点)までに累計370票という多くのファンの方からのご支持をいただきました。 このたび、PHP研究所から出版されていた初版の風合いを生かしつつ、新たな造本、装丁により『悪ノ大罪』シリーズ(全8巻)が紙の書籍として蘇ります(その後、電子書籍化も予定)。 読み返すたびに、新たな発見がある『悪ノ大罪』の世界。楽曲を聴いた人が、小説も読みたいという声も多い人気のタイトルです。 貴重なこの機会をお見逃しされぬよう、ぜひ直接お手に取ってご覧ください。 「さあ、眠りなさい」 シリーズのうち【怠惰】をテーマにした楽曲「眠らせ姫からの贈り物」をノベル化。 エヴィリオス歴609年、エルフェゴート国トラゲイにて連続怪死事件が発生。新聞社に勤める記者ハンネ=ローレは「プラトーの花」について取材を行う過程でトラゲイへと足を踏み入れる。巻き込まれた怪死事件の調査を進める中で彼女が辿りついたのは、マルガリータ=ブランケンハイムと名乗る伯爵夫人だった。 ※「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」は、ヤマハ株式会社の登録商標です。 イラスト:壱加/猫将軍/ミギー (c) mothy 2025 (c) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
石の街とよそ者相良(ソーラ)さんの四季折々の物語。 現実と非現実、あるいはリアリズム的要素と寓話的要素が混在して展開する堅固な格子街路のある街と、そこで暮らす人びとの点描。 カルヴィーノの『マルコヴァルドさんの四季』を念頭に書き継いだ十六篇は、 わたしたちのいま現在に通じてもいる!? あるいは未だ遠いところにある「街」への旅だったのかもしれない。 春 街とホウレン草 夏 街とサングラス 秋 街と一時間のオマケ 冬 街と広場 春 街と春の祭 夏 街とピッツァ屋 秋 街と白い人 冬 街と雪の日 春 街と空気 夏 街と破壊される街 秋 街ともうひとつの街 冬 街と教会 番外篇 春 町と石地蔵 番外篇 夏 町と磐いわくら座 番外篇 秋 町と石の銘板 番外篇 冬 町と石の化身 あとがき
第8回東奥文学賞で大賞を受賞した「盗まれる指先」は遠隔医療の技術が格段に進化した2035年の青森県を舞台に、医学と倫理というテーマに鋭く切り込んだ作品です。 最終選考委員の文芸評論家・三浦雅士さんは「冒頭、手術する外科医の場面が秀逸。緊張感の生々しさが、近未来を描くSFだとの重要性にまで思いいたらせず、その筆力に驚嘆する」と賛辞。同じく委員を務めた芥川賞作家の川上未映子さんは「金と命の値段、医師の倫理、労働の厳しさと先行きの不安をしっかり描きつつ、現実と生のあやうさを問うてもいて、作品に深みを与えている」と評価しました。 東奥文学賞は東奥日報創刊120周年を記念して2008年に創設。青森県内在住者や青森県出身者を対象に小説を募集し、第8回は58編の応募がありました。
・「愛のために、人は動く」 ・「愛」のために、人は、異世界で奮闘する。 ・「愛」のために、人は、勉学に励む。 ・「愛」のために、人は、復讐を図る。 ・「愛」のために、人は、一芸に秀でる。 ・「愛」のために、人は、ずっとそばで見守る。 これは、そんな「愛」に突き動かされる人々の物語。
あらすじ 熱海の小さな高級旅館松屋で、県会議員が大浴場で水死した知らせに熱海署の刑事が向かった。 部屋に二人の客を呼び、芸者駒菊も同席で宴会を催していた。 だが、客も誰なのか誰も分からない。 同席した駒菊に詳しい話を聞いても、中々意味不明。 その後、殺人事件が連続で発生! 県警の出番が…… 数々の難事件で功績がある美優は、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 温泉地熱海で起こる謎の連続殺人に一平と美優の活躍が始まった。