2025年5月発売
椎名沙良は、異空間にあるアパートを自由に使える「ホーム」という能力を授かり、異世界に転移した。悠々自適な冒険者生活を送っているサラたちは迷宮都市に滞在中。街の子どもたちに毛糸で洋服を作ることにしたサラ。編み物の先生は、日本から転生してきたおばあちゃんが担当することに。ダンジョン攻略の合間に、おばあちゃんと一緒に編み物をしたり、異空間のアパートで日本食を作ったり、サラは懐かしくて癒される時間を満喫していた。そんな、穏やかな日々を過ごしていたサラだったがひょんなことから、転生おばあちゃんの意外な前世が明かされてーー
孤立無援の少女たちに迫る悪の影 一八四〇年代のイギリス、身寄りのない少女ルーカンは勤め先の主人に言い寄られて屋敷を逃げ出し、学校時代の親友で大富豪の娘ゾジーヌのもとへ向かった。しかし、ゾジーヌの側にも大きな境遇の変化があり、財産もなく孤立無援の二人はロンドンへ出て職を探すことに。そこでフランスの田舎に住む慈善家の牧師夫妻から一年間の期限付きで養女にしたいという申し出を受ける。異国の地に落ち着いた少女たちは、老牧師から授業を受け、菜園の世話をしながら平和な生活を送り始めるが、やがて仮面の裏側に隠された恐ろしい事実を知ってしまう。圧倒的な悪の力に立ち向かうことを決意した二人の運命は? 『アフリカの日々』の作家ディネセンが、ナチス・ドイツ占領下のデンマークで変名を用いて発表した本書は、悪の支配に抗う少女たちのロマンティックな冒険を描いて、暗い時代に生きる人々の心を虜にした。
31歳の松谷遼平は会社の懇親会で8歳下のアルバイト・隠善つくみと初めてまともに話すと、奇妙な感覚に襲われる。……この人は俺に会いに来たんじゃないか? 遼平は幼少期、生死の境を彷徨ったことがある。その記憶とつくみとが不思議と繫がってくる。遼平がつくみと結婚すると、別れた恋人の友莉が失踪してしまう。その捜索によって知った関係者の出自や記憶が大分のある地域に奇妙に収斂し、人間関係が因縁めいた連環の形となっていく。やるせなさ、ずるさ、だらしなさが随所に描かれながら、どこまでも澄んだ読み心地がする物語。
風汰が中二の時に授業の一環で行われた職場体験。「子どもとあそんでいればいいってこと?」と安易な気持ちで保育園を選んだが、のちにまさかの保育士に。しかも勤務先は、夜間保育園。仕事と育児に追われるシングル保護者、自身も一人の母親である保育士、そして自宅を改築して夜間保育園を開いた園長。様々な想いに触れながら、風汰も保育士として成長してゆく。子どもを幸せにするには、親も幸せにならないとーー。都会の片隅で、夜の保育園が灯す温かな光を描いた物語。
その少女は、いったい誰の子ーー。 季節外れの雪が降った四月の早朝に、新聞配達員の少年は、側溝に倒れている幼い女の子を見つけた。その少女は、人形と見間違うほどに雪よりも肌は白く、生気がなかった。雪の上に残されている足跡はその少女のもの思われる一人分のみ。足跡は、少し先にある「プチシャトー市毛」という小さなマンションから続いてるようだ。少女はいったい誰の子で、なぜそこで生死を彷徨っていたのか。奇妙な住人たちの愛と憎しみがもたらす、不協和音サスペンス。
正義系、暴露系、心霊系・・・・・配信の終了後に明かされる配信者たちの素顔とは!? 心霊系配信をはじめた先輩後輩コンビが赴いたのは、ある事件が起こった廃墟だった。そして、そこで新たな悲劇が起きる(「心霊系」)。気鋭の経営者に集められた考察系配信者たち。彼らに課されたのは、ある配信者の自殺の真実を考察することだった(「考察系」)--。ネット配信者たちの姿を描いた連作ミステリー。
地方都市・天島市で造船業を営んできた大家・扇谷家で2025年4月、予言者として一族を繁栄させてきたおばあさまの手帳が見つかった。手帳によると、おばあさまは100歳となる今年死亡するらしい。一族の皆が集まり、家じまいをすることになるのだが、本家の娘・立夏には気になることがあった。それは認知症になって以来、おばあさまが繰り返し「若い頃、桜の木の下に死体を埋めた」と言っていたことと、言葉なき者の声を聞く能力を持つ立夏は、それが本当だと知っていることーー。
アラスカ・アンカレッジに上陸を果たした中国とロシア。 司馬率いる自衛隊水機団は警戒を強めていた。 一方、中国の新型機に民航機を撃墜された報復として、米軍は中国の戦闘艦を撃沈。 エアフォース・ワンに乗る大統領もターゲットに……。 ますます混迷を深める第5巻!
銀河系内の数万の言語が同時翻訳されている時代。辺境の惑星の、翻訳機では解読できない本を販売する書店にやってきた女性の、意外な目的とは……(表題作)。長篇『派遣者たち』の原型となった「沼地の少年」を含むレトロテイストなショートストーリー14篇!
60年代ロンドンで異端児と呼ばれた精神科医。彼の伝記を書く作家宛てに、ある女性の日記が届く。そこには、姉の自殺と精神科医の治療の関連を疑い、真相を明らかにすべく偽名で治療を受けた女が次第に我を失っていく様が描かれ──。ブッカー賞候補の実験小説
千葉県警刑事部捜査一課、高頭冴子班に所属する郡山が親しくしていた隣人、小湊母娘が銃殺遺体となって発見された。容疑者として在日米軍曹長スチュアート・ヒギンスが浮上するが、米軍の圧力、事を荒立てたくない自衛隊の介入により捜査は難航。さらに事件の裏には基地問題も絡んでいて……。様々なしがらみを跳ね除け、冴子は真実に辿りつけるのか。息もつかせぬミステリー!
「私の声を見つけて」 伯母から届いた謎の遺言状。人付き合いが苦手な青年と声優探偵(⁉)がその不可解な意図の解明に挑む! 幼い頃に母を亡くし、伯母の家で折り合いの悪い従妹と一緒に暮らしていたソータ。その伯母も亡くなってしまい、しばらくしてソータのもとに遺言状が届く。そこには、ソータが伯母の声を見つけなければ、ふたりの住む家を売却し、そのお金を寄付すると書かれていた。遺言の意図がわからないソータだったが、誰の声でも真似できるという声優の少女・栗原との出会いをきっかけに、声を再現してもらうべく、伯母の過去を調べ始める。果たして伯母の遺言状の言葉に秘められた想いとは。 松本清張賞受賞、「横浜大戦争」シリーズが大ヒット中の著者が紡ぐ、ほろ苦くもあたたかい青春物語。
「ネコはあなたを想っています。きっと、ときどき、いつも」。人々とネコたちが紡ぎゆく物語。最後に渡されるバトンに、きっとあなたの涙は止まらない。フリーライターとして25年のスポーツ取材歴を誇り、高村美砂名義での著書もある「三宅音」名義での処女小説。スポーツ取材で培った著者の筆致が人のこころの動きの機微を繊細に描き出し、めくるめくスピード感とともにネコと人々がつなぎゆくバトンにあなたの興奮と感動が熱を帯びて走り出す。「今になって考えると、あの日はとても不思議な1日だった。いつもなら日が暮れてから一人で公園を歩くようなことはしない。だが、あの日だけは虫の知らせか、何かに誘われるように公園に足が向いた」(本文より)。最後につながれるバトン、エピローグでは感涙必至の意欲作。「パスの名手」として知られたサッカー元日本代表、遠藤保仁氏が大絶賛の推薦帯文を寄せてくれた、見事な展開力、構成力を持つ感動のネコ小説です。 川北凪子/1 ボス/1 川北凪子/2 ボス/2 川北凪子/3 ボス/3 一ノ瀬歩/1 佐々木進/1 ボス/4 一ノ瀬歩/2 川北凪子/4 一ノ瀬歩/3 川北凪子/5 一ノ瀬歩/4 一ノ瀬春子/1 一ノ瀬歩/5 ボス/5 川北凪子/6 ボス/6 佐々木進/2 一ノ瀬歩/6 ボス/7 川北凪子/7 一ノ瀬歩/7 佐々木恭子/1 川北凪子/8 ボス/8 エピローグ
現実は、ディストピア小説よりも恐怖なり!? 狂信的な全体主義国家に変貌した近未来のアメリカを舞台に、女性の性と生殖に関わる権利がことごとく剝奪された恐怖社会を描いた小説『侍女の物語』(1985)。トランプ政権の成立以降、アメリカ、そして世界中で強まる右傾化や全体主義的傾向を予見した書物として、改めて注目を集めている。そして社会の不安が高まるなか、15年後の未来を描いた『誓願』(2019)が刊行。第二次トランプ政権が始まり、フィクションを越えるような事態が現実に起こりつつある状況下で、この鋭いディストピア小説を読み解き、自由とは何か、抑圧的な体制や政治手法に抗するにはどうすればよいのかなど、「今そこにある危機」について思索する。
ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」! 日常にふと口をあける世界の裂け目。 生と死の境界がゆらぐときーー心に小さな光を灯す物語たち。 天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。 木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より) 民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。 これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」! だまされすくわれ 引き出し 唐揚げ 渦 幽霊 光 みだしなみ 炎 花 わらしどうし 楽園 最良の事故物件 思い出の妙 あとがき
今度は名門校に潜入捜査!? 学園の闇に苦しむ令嬢たちを救え! 潜入捜査で皇子と疑似学園生活!? 貴族専門の取り締まり部隊・帝都保安隊で働くアメリア。上官であり婚約者でもあるデュランと共に日々、貴族の罪を暴くことに尽力している。そんなある日、ギフテッド学園に在学中の令嬢から、助けを求める一通の手紙が届く。大人しかった彼女の友人が突如豹変し、「前世の記憶がある」と言いだし学園の平和をかき乱しているという。さらに令嬢の婚約者の様子もおかしいようで……?真相を究明すべく、アメリアたちは学園で潜入捜査を行うことに。初の潜入捜査&学園生活に緊張するアメリア。彼女に近づく男子生徒たちにデュランの嫉妬が大爆発!?
現代キューバの磁力とディアスポラ 《ジャーナリストとして鍛錬を積んだパドゥーラがその教えを忠実に守り続けていることは、小説の執筆に臨む際の入念な調査にはっきりと感じられる。》(フアン・ビジョーロ) 2014年、キューバから亡命した元野球少年マルコスと、キューバ人を母に持つ大学院生アデラ、二人はマイアミで運命的な出会いを果たす。愛を深めていく二人は、激動のキューバ現代史に翻弄された両親の知られざる過去に直面する。革命とともに産声をあげ、希望に溢れる青春時代を過ごした若者たちが、一夜の事件を端緒に、一人また一人と祖国を去り、行き着く先で見出す真実とは…… 祖国の呪縛を抱えたまま、塵のように世界中に散らばった人々の生き様を、「キューバ国民生活の年代記」という壮大なスケールで描き出す傑作長編。
家族の絆、イスラム世界の抑圧と西洋への憧れ 「僕は牢獄にいた、ますます牢獄の中に。西洋には自由があるって? どんな自由が?」 母や兄への官能的な親密さに満ちた幼年時代を通りぬけて、フランス語の知に魅惑されたモロッコの若者は地中海の両岸で「他者」となる。 南でゲイであること、北でアラブであること、そして自分と世界を知る旅。
譲渡会で出会ったコーギーのコーちゃんと暮らす社畜リーマン・ユウマ。 「我は聖獣フェンリルだ」 ある休日の昼下がり、突然聞こえた渋い声に振り返ると…コーちゃんの正体が異世界の聖獣であることが判明!? おいしいごはんを作ってくれるユウマへのお礼として、転移魔法で異世界旅行を満喫することに! 「さっ、最高だよコーちゃん! 実は俺、子どもの頃からモンスター飯が食べたかったんだ!」 「飼い主殿は生粋の変人だったか」 早速、コーちゃん直伝の魔法でサクッと魔物を討伐。魔物肉とチーズのホットサンド、羊型モンスターのラムしゃぶ、モンスター蟹の鍋…未知の食材で料理を楽しむユウマだが、実は賢者クラスのトンデモ魔法を繰り出していた!? 手料理で冒険者のステータスを大強化しちゃったり、激レア猫魔物・ミミを手なずけたり、思いがけず期待の新人冒険者になってしまい…!? 社畜リーマンとモフモフペットが異世界メシを食いまくるゆるりグルメ旅、スタート!
運命の手違いで死亡するも、お詫びにと神様から不思議なペンと「鑑定」の能力をもらい、異世界に送り出されたユーリ。目が覚めるとまさかの赤子の姿! 戸惑うも、訳アリのエルフ兄弟と出会い保護される。 変人発明家な兄のカル、賢く頼りになる弟のミト。故郷を追われてきたという二人はこれから「あらゆる種族が共存する理想の村」を作ると言うが…カルが騙されて買った土地は辺境の荒れ地で…? 「こりぇ、みちぇちぇ!(※見てて!)」 そこでユーリが神様印のペンで「おえかき」するとーー目の前にポンッと立派な家が現れた! 井戸や道をつくったり、汚染された川を魔道具でお掃除して水質問題を解決したり、精霊やゴーレムとお友だちになったり… ユーリの知恵とスキル、そして求心力で集まった強力な仲間たちの力で生産も防衛も強固な村に! 無自覚に癒しを振りまくユーリの可愛さとひたむきさに、いつの間にか周囲が巻き込まれ、村の発展が止まらないーー!? よちよちだけど、賢くて最強!? 超愛され1歳児が、新たな家族のために大奮闘!