2025年7月18日発売
ある日、私は会社の書庫で「開封厳禁」と書かれた段ボール箱を発見しました。 その中にあったのは、会社に関する数々の資料。 これからまとめていく文章は、それらの資料を文字起こししたものです。 なお、重大な機密情報などは含みません。ただーーとても、異様なだけで。 どうか、弊社と私に対するご詮索はおやめください。
令和■年、発見された一連の有害情報群。 編纂者は不明。 本情報群は、「右園死児報告」を補完する性質を持ち、 その構成は、怪文書、または報告書から散逸した断片的文書によって成り立っている。 この記録群は、ヒト型右園死児「三田倉九」に関連している。 ーー「久」とは、「九」の同義文字。 すなわち、「永久」「無限」「天」「皇帝」…… 尽きることなき概念を内包する。
これは、日本各地に点在する集落で今も密かに行われている儀式を記録したものである。 第一の記録『瀧来集落』 東北では、少女を囲み、男たちが無言で数珠を回す雨乞いの儀が行われる。儀式の後、少女は必ず失踪し、誰一人として戻ってきた者はいない。 第二の記録『高山集落』 四国では、神仏の声を聴くための禁忌の儀式「オハチヒラキ」が継承されている。霊力を強制的に開花させるこの行為は危険すぎて禁じられているが、集落では今も続けられているという。
この国の明日はどこにあるのか。 「国際貢献」という美名の裏で、誰かが犠牲になっている── 外国人技能実習制度の矛盾に直面した青年は、社会の暗部を知ることになる。 制度は誰のためにあり、正義はどこにあるのか。 現代日本の歪みを問う、痛烈な社会派フィクション。 外国人労働者問題に関心のある方必読 1 発端 2 最初の仕事 3 交流大会と初めての出張 4 失踪 5 東京入管 6 不法行為発覚 7 行動 8 後始末 9 国会論戦 10 JANOBO 11 再度の転機 12 JANOBOからJANOAへ
「お前に甘えてもいいか?」 「つがいなんだから、当たり前だろ」 金狼族の王代ユドハと人間の元兵士ディリヤ、二人の間に生まれた狼の仔アシュ。 家族に新たに加わった養い子のユジュとアシュがほっこり優しい日々を過ごす中、ユドハの姉、エドナ姫が誘拐されて…! エドナとライコウのロマンス、つがいとして助け合うユドハとディリヤ。 互いの弱みを見せられるのは、あなただけ。一人で生きて戦ってきたけれど、今は寄り添って、互いを愛で支えていく。 大人気シリーズ!
山奥の廃村を舞台にした低予算ホラー映画「ファウンド・フッテージ」を観た映画ブロガーのMOJIは、画面の隅に説明のつかない“何か”を見つける。やがて“それ”は他の映画にも現れ、関係者が次々と不可解な死を遂げていく。「観たら死ぬ」という噂に怯えた仲間を追って、MOJIは映画のロケ地となった“消えた村”へ向かう。誰もいないはずの村で、待っていたものとはーー。 皆様、どうか本作は自己責任にてお読みいただきますようお願いいたします。
殺人事件の発生によって疑惑の場と化した晩餐の席。ディナー・パーティーに招かれた私立探偵シェリダン・ウェズリーが地元警察のスローカム署長と捜査に乗り出す。ヒラリー・ウォーのデビュー長編、原著刊行から78年ぶり初邦訳! マダムはディナーに出られません 訳者あとがき 解説 塚田よしと
女に弱い謎の武士・上水流倫三郎、実は剣の達人で藩の密命を帯び京に潜伏中。ある日、清水寺で身投げを試みた女を助ける。この一件を手始めに、くノ一、御庭番、騙り師、貧乏公家らが次々と現れ、尊王論をめぐる宝暦事件に巻き込まれていく──。 京で暗躍する公卿らは敵か味方か? 倫三郎はのらりくらりとかわせるか? 第一章 京狩野の女絵師 第二章 懸想文売り 第三章 お公家さまの内職 第四章 不忠臣の子
米軍が近くハワイの奪還に乗り出して来ることはわかっていた。しかし1944年4月以降、米潜水艦の動きが活発化して連合艦隊は空母が次々と破損、決戦前に空母12隻をそろえるのが国力の限界だった。 いっぽう、絶大な工業力に支えられたアメリカ太平洋艦隊は1月の「真珠湾奇襲」で一挙に空母10隻を喪失したにもかかわらず、インディペンデンス級空母の追加改造を成し遂げ、16隻もの高速空母をそろえて一気にハワイ近海へ押し寄せて来る。そして10月5日、オアフ島東方洋上で今世紀最大の空母決戦が生起した! ──連合艦隊は空母兵力の劣勢をくつがえし、果たしてハワイを防衛できるのか!?
キリシタンの受難から「神」の義を問い、圧倒的な筆力で日本宗教史の根源に迫る。比類なき歴史文学がここに誕生した。(文芸評論家・富岡幸一郎) 上巻・下巻・別冊補完版の箱入り、全三巻。 1360頁に及ぶ大作が完成。