2025年9月26日発売
魔法使いの名家に生まれるも魔力が少なく、落ちこぼれとして12歳で追放されたスペル。辿り着いた宿屋で働きだしたスペルは雑用係のかたわら、時折気まぐれで子供たちに魔法の基礎を教えるだけのしがない日々を送る。それから数十年ーーあっという間にアラフォーになったスペルは、心配した養い親の勧めで魔法学園の用務員試験を受けることに。初めて王都に足を運んだスペルだが、そこでかつて魔法を教えていた子供たちと再会する。天才宮廷魔術師やSSSランク冒険者など、各界で名を馳せる大物へと大成していた弟子たちは、なんとスペルを世界最強の魔術師だと称賛しはじめて…!? 「わ、わたしはまだ半人前ですので…!」と謙遜しながらも、模擬戦では学園の教師たちを圧倒してしまうスペル。さらに、無詠唱での魔法の発動、全属性魔法の同時使用など、規格外な力を見せつける! 最初はおっさんだと馬鹿にしていた人々も、常識を覆すようなスペルの実力を見て「大賢者」と称え出し…!? 長年燻っていたアラフォー魔術師がついに世界に見つかった!? おっさん無自覚無双ファンタジー開幕!
薬剤師として働くも、気付けば生前プレイしていたゲームに登場する悪役貴族に転生していたメディスン。メディスンは勇者の毒殺に失敗し、処刑という運命を迎える悪役薬師だった。処刑される数年前にも関わらず、いかにもな悪人顔でひとり毒薬の実験を繰り返すせいで、すでに孤立していたメディスン。家族すらも距離を置く様子に、このままだと死亡ルートは確定ーー。 「いや、俺ならメディスンをうまく使えるんじゃないか?」 毒しか作れない出来損ないと言われた悪役薬師。だが今の俺には薬剤師としての知識と経験があるーー! 処刑回避のためスキルの研究を始めると、ハズレだと思っていたスキル【薬師】は実は万能なチートスキルだと判明して…!? 死に至る流行り病の完治、毒薬を使ったモンスターとの戦闘、さらには領地の食糧問題まで解決!? メディスンは次第に家族や領民から慕われる存在になっていく。さらには有名公爵家の専属薬師に請われたりと、領地を超えてその名を轟かすようになりーー! 悪役から英雄へと成り上がっていく薬師(ただし悪人顔は健在)の、大逆転ファンタジー開幕!
恐怖が、再定義される── 『ゲット・アウト』の監督・ジョーダン・ピールが送る 黒人作家たちによる恐怖の最前線 【ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞受賞/世界幻想文学大賞最終候補作】 『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』で世界に衝撃を与えた映画監督・脚本家ジョーダン・ピールが編集を手がける、全編書き下ろしによるブラック・ホラー短篇集。 本アンソロジーに収録された19の作品では、奴隷制度の記憶、公民権運動のトラウマ、移民としての分断されたアイデンティティ、そして現代社会の見えざる暴力など、超自然の恐怖だけでなく、アメリカ社会に深く根を下ろした不正義や歴史的暴力といった“現実”の〈悪夢〉が描かれる。 作家陣には、N・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォー、レベッカ・ローンホース、タナナリーヴ・ドゥーら国際的に高く評価される作家たちが名を連ね、新進気鋭の書き手も多数参加。また、ジョーダン・ピール自身による序文も収録されている。 ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞を受賞したほか、Esquire、CrimeReads、シカゴ公共図書館の「年間ベストブック」にも選出された。 また、英・ガーディアン紙は「今年最高のアンソロジーであるだけでなく、時代を超えて語り継がれる一冊」と絶賛している。 ブラック・ホラーの最前線を記録する、必読のアンソロジー。 あなたがまだ見ぬ恐怖が、ここにある── 序文 ジョーダン・ピール 01「不躾なまなざし」N・K・ジェミシン(押野素子訳) 02「〈目〉と〈歯〉」レベッカ・ローンホース(ハーン小路恭子訳) 03「彷徨う悪魔」キャドウェル・ターンブル(ハーン小路恭子訳) 04「ベイビー・スナッチャーの侵略」レズリー・ンネカ・アリマー(柴田元幸訳) 05「片割れ」ヴァイオレット・アレン(ハーン小路恭子訳) 06「人魚(ラシレン)」エリン・E・アダムズ(ハーン小路恭子訳) 07「乗ってきた男」タナナリーヴ・ドゥー(柴田元幸訳) 08「芸術愛好家」ジャスティン・C・キー(ハーン小路恭子訳) 09「圧」エズラ・クレイタン・ダニエルズ(今井亮一訳) 10「暗い家」ンネディ・オコラフォー(福間 恵訳) 11「ちらつき」L・D・ルイス(坪野圭介訳) 12「世界一最強の女魔術師(オビア・ウーマン)」ナロ・ホプキンソン(今井亮一訳) 13「ノルウッドの動乱」モーリス・ブローダス(今井亮一訳) 14「死者の嘆き」リオン・アミルカー・スコット(押野素子訳) 15「しるしを刻む木のそばで、一羽の鳥がさえずる」ニコール・D・スコニアーズ(福間 恵訳) 16「あるアメリカの寓話」チェシャ・バーク(坪野圭介訳) 17「あなたの幸せな場所」テレンス・テイラー(福間 恵訳) 18「かくれんぼ」P・ジェリ・クラーク(今井亮一訳) 19「オリジン・ストーリー」トチ・オニェブチ(柴田元幸訳) 訳者解説 『どこかで叫びが』におけるブラック・ホラーの意匠 ハーン小路恭子 著者・編者略歴 訳者略歴
海に憧れながら元の生活から離れぬエレーダを描く『海の夫人』。他人との関係を疎むヘッダの退屈な生を描く『ヘッダ・ガーブレル』。「自己亡命」の終焉間際に書かれた、祖国への愛憎と望郷の狭間のイプセンの葛藤が〈居場所探し〉として結晶化した、リアリズム期の傑作戯曲2篇。