2025年9月発売
『ダロウェイ夫人』出版百周年! 1923年6月半ばのある一日の出来事は、百年後を生きるわたしたちの日常に意外なほど似ているのではないか。パンデミック、トラウマ、人種、ジェンダー、都市空間、トランスナショナル、マルチバース、気候変動……孤立した意識に共感の息吹をもたらすべく、モダニズム文学を現代的に精読する まえがき 小川公代 序 百年後の『ダロウェイ夫人』 秦邦生 現代の小説 ヴァージニア・ウルフ(秦邦生訳) 「そこに彼女がいたから」--『ダロウェイ夫人』における愛と現前 ジリアン・ビア(柳澤彩華訳) 「六月のこの瞬間」--ダロウェイの日からの一世紀 ポール・サンタムール(西脇智也・古城輝樹訳) 読書する時空間ーー『ダロウェイ夫人』の読者たちを読む 中井亜佐子 ダロウェイ夫人と存在の偶然性ーー「向かいの家の老婦人」の謎について 田尻芳樹 仮面としての衣服ーーファッションから見た『ダロウェイ夫人』と『オーランドー』 小川公代 ヴァージニア・ウルフの「魔法の庭園」--『ダロウェイ夫人』における樹木たちの生死 秦邦生 別の時間とこの人生ーー『ダロウェイ夫人』を『エブエブ』『歳月』とともに読む 河野真太郎 都市とモダニズムーー英語圏現代文学における『ダロウェイ夫人』の残響 星野真志 トランスナショナルな書物史ーーエンプソン、宮本百合子、左川ちかによるウルフの受容 松本朗 『ダロウェイ夫人』をこれからも日本の大学で読むためにーーフェミニズムの差異・交差性・人種 松永典子 [インタヴュー] ヴァージニア・ウルフと韓国文学 斎藤真理子(聞き手・小川公代) [インタヴュー] ヴァージニア・ウルフと松田青子文学について 松田青子(聞き手・小川公代) [作品] 同胞を愛した男 ヴァージニア・ウルフ(片山亜紀訳) 文献案内ーー〈あとがき〉に代えて 秦邦生
彼女はいったい何者? 「謎のOLモデル」? 「撮影会の女王」? はたまた「SNSに水着の写真を無償であげてくれるお姉さん」? 謎につつまれた美女、仁藤りさ〈にとう・りさ〉待望の写真集がついに発売! 鍛えぬかれたクビレにヒップ、凛々しいバスト、妖艶な表情。 本人スタイリングのフェティッシュに満ちた12の衣装をまとったグラビア界のヴィランが誕生! 業界最注目、令和最強の問題作『色悪』〈いろあく〉解禁。
互いを仮想敵国と定め、緊迫の度合いを増す日本とアメリカ。 まさに両国が激突寸前の大平洋、サイパンとグァムの中間に位置するロタ島に、 第三勢力が出現し、予想外の奇妙な調和をもたらした。 その軍勢こそ、軍部から裏切られ、海軍を飛び出しモナコ公国に雇われた名将・山本五十六率いる前代未聞の傭兵艦隊である。 モナコ・ミリタリー・サービスと名付けられたその組織は、もともと半民半官の政府外郭団体として設立され、 連合国・枢軸国両陣営にオークションによって自らの武力を売り込むのであった。 各国から追い出され、無用と捨てられたはみだし者たちが、空前絶後の訳あり軍艦に乗り込み、混沌の世界大戦へと殴り込む!
米国の卑劣な裏切りに遭い日本側へとついた傭兵艦隊であったが、 直後に真珠湾を奇襲、米太平洋艦隊の戦艦隊を壊滅させるという多大なる戦果を挙げた。 旗艦となる巨大戦艦「大和」と合流し、英東洋艦隊の戦艦を主砲で一撃のもとに屠った傭兵艦隊は、 日本軍をも巻き込み、大規模反攻を開始する。 その作戦目標は、フィリピンとグァム島の同時制圧。 もつれにもつれた激闘の末、日米両軍は、ともに航空母艦全滅という未曾有の事態に陥ってしまうのだが……。 稀代の名将・山本五十六を中心とし、各国軍部から追われたはみ出し者たちが、いま世界に牙を剥く。 そしてその戦乱の先に現れた敵は、まさかの姉妹艦『武蔵』であった!
「私は実在する人間です」 人間離れした美少女で、“AI疑惑”のアイドルが、実は2児のシングルマザーだと公表した。 嘘のような現実と、現実のような虚構に溢れるこの世界で、本当の彼女はどんな姿をしているのだろう。 ある一人の少女に秘められた激情、そしてあまりにも運命的な、これは、愛(あい)の物語ーー。 藤咲凪、初の自伝的小説。 初回限定<<オリジナルイラストトレカ特典>>を封入!
「全ての寄り道は「もふ」に通ず!──by リリアンヌ・モフスキー」 もふもふこそ正義な幼女がお友達を増やして旅するほのぼのファンタジー第二弾! 書き下ろし番外編巻末収録! コミカライズ企画進行中!
周五郎の“岡場所もの”は、小島政二郎から「これほどの作品は、一人の作者が一生に何編も書けるものではない、荷風の“娼婦もの”を抜く」と激賞されたが、にもかかわらずそれらをまとめて収載した短篇集はこれまでなく、味わうにも種々の本を開くしかなかった。本書は、いわば“岡場所もの”の決定版ともいえるものになっている(「解説より」)。 契りきぬ 雪と泥 夜の辛夷 ほたる放生 なんの花か薫る しづやしづ 将監さまの細みちつゆのひぬま 【解説】しんじつ、まことを信じたい心(新船海三郎)
父の青春に迷い込んだ夏ーー 少年たちの冒険が始まる。 札幌の空手道場に通う龍介たち少年少女。 ある夏の夜、肝試しと称して藻岩山にある「平和塔」を目指した。 白い霧に包まれ、気を失った彼らが目を覚ますと... そこには見慣れたマンションもビルもなく、 広がっていたのは「昭和の街並み」だった。 ーー大通に堂々とそびえるテレビ塔 ーー道路を走るスバル360 ーー駄菓子屋に並ぶ瓶入りのフルーツ牛乳 彼らが迷い込んだのは、父親が中学生だったあの時代。 タイムスリップした少年少女は、 戸惑いながらも家族や友人の「過去」と出会い、 時代を超えた絆を確かめていく。 ーー友情 ーー家族の愛 ーー大人になることの意味 金星の見える夜、平和塔で始まった冒険は、 少年たちの心に大きな成長を刻んでいく。 本作は、青春と昭和をつなぐタイムスリップ小説。 札幌の街並みや藻岩山の風景を丁寧に描きながら、 空手道場での汗や友情、家族の葛藤を鮮やかに織り込み、 世代を超えた普遍的なテーマを浮かび上がらせる。 昭和を知る世代には懐かしさを。 令和の若い世代には新鮮な驚きを。 「父と子の絆」「家族愛」「友情」「成長」 読み進めるうちに、誰もが自分自身の少年時代と重ねてしまうはず。 青春とノスタルジーが交錯する、札幌発のタイムスリップ物語。 あなたもまた、昭和の街角で父の声を聞くことになる。
これはひとりの平凡な女性の物語です。 多くの人たちとの出会いの中で、 たまたま好きになった青年との体験を経て、 少女はやがて人生半ばに差し掛かりました。 さまざまな人と人とがパッチワークのように繋がり、 いつしか大きな一枚のタペストリーとなった瞬間、 ふと、やさしい午後の光が追憶の布(ポジャキ)を揺らしました。
愛していた夫・ジュエルスとの離婚を経て、サフィリナは自分の仕事に打ち込んでいた。その傍らには職人・ドナヴァンの姿も。仕事の面でも信頼の厚い二人は、雇い主と従業員の関係性以上に仲を深めていくー。一方そのころ、ジュエルスはサフィリナとの記憶を取り戻し始め、後戻りできない現実にため息をつく。サフィリナたちの行く末には、どのような幸せが待っているのか?大ヒット作『ラチェリアの恋』作者が贈る新たなストーリー、ここに完結。
ひょんなことからソーシャルゲーム「ARK TALE」の世界に召喚されてしまったアラサー女のトワ。そこが単なるゲーム世界ではなく、この世界を観測している何者かによって、現実世界にソシャゲとして再現されたものがARK TALEだという真実を知らされ愕然とするトワだったが、それ以上に彼女を驚愕させたのはーー美少女鳥人のルイがいる! 女騎士団長のジュリアがいる! 日頃から二次創作のネタにしていた推しキャラたちが目の前に実在するという事実だった!! しかしトワが、全オタクがどんなに夢見ても叶えられないだろう現実を享受している間にも、ARK TALEの世界には異変の足音がヒタヒタと近寄ってきてーー!? 神を自称する、頼りにはなるが当てにはならない魔物のヘーゼルに導かれてはじまった、トワの異世界冒険譚(もしくは推しカプ偏愛譚)、ここに開幕!! 「第二回ラノベストリート大賞」大賞受賞作、早くも書籍化!!
普段は千葉県内の食品製造会社に勤めている、ごく平凡な社員の津田涼。 休みの日に、唯一の楽しみが、乗り鉄。 だが、21歳とは思えないほどの思考力と想像力、直感で乗り鉄を楽しむ。 スマホを持たず、アナログ思考で物事を進めていく「アナログ鉄」。 スマホで情報を集めるのが当たり前になった今、津田涼はどんな方法で情報を集め、どんなやり方で乗り鉄を堪能していくのか? 津田涼の揺るぎない旅が始まる。
累計復刊リクエスト数370票! 音声合成技術VOCALOIDを使った作曲家、悪ノP(mothy)による小説シリーズが、装い新たによみがえる! 2025年3月より毎月刊行が決定! 『悪ノ大罪』シリーズは、音声合成技術VOCALOIDを使った作曲家、悪ノP(mothy)により、2012〜17年にかけてPHP研究所より出版された小説シリーズです。中世から近代を舞台に、キリスト教における罪の根源とされる七つの欲望や感情、悪徳をテーマに作られた楽曲たち『七つの大罪シリーズ』を小説化したものになります。 2021年に初めての復刊リクエストが付いて以来、小説の元である楽曲を聴き、さらに楽曲の世界に浸りたいと思った方々からの熱いリクエストが積みあがり、現在(2025年1月6日時点)までに累計370票という多くのファンの方からのご支持をいただきました。 このたび、PHP研究所から出版されていた初版の風合いを生かしつつ、新たな造本、装丁により『悪ノ大罪』シリーズ(全8巻)が紙の書籍として蘇ります(その後、電子書籍化も予定)。 読み返すたびに、新たな発見がある『悪ノ大罪』の世界。楽曲を聴いた人が、小説も読みたいという声も多い人気のタイトルです。 貴重なこの機会をお見逃しされぬよう、ぜひ直接お手に取ってご覧ください。 「さあ、懺悔なさい」 シリーズのうち【憤怒】をテーマにした楽曲「ネメシスの銃口」をノベル化。 エヴィリオス歴983年、神聖レヴィアンタにてレヴィアンタ内乱が勃発。民衆の暴動で追い詰められた悪徳裁判官・ガレリアン=マーロンに拳銃を向けるのは、実の娘であるネメシス=スドウだった。ガレリアンを撃つ直前、ネメシスは彼に贖罪のチャンスを与えるが……崩壊目前の世界で物語は終焉に向かって動き出す。 ※「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」は、ヤマハ株式会社の登録商標です。 イラスト:壱加 (c) mothy 2025 (c) INTERNET Co., Ltd. (c) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
職業も年齢も性別もさまざまな主人公たちのまわりで起きるちょっと不可思議な出来事。数ページの短い物語のなかに長編のような世界が広がったかと思うと、突然ぽっかり口をあけた結末に放り出される。 ロシアで人気の現代作家が日本の読者のために厳選した18編。 六月末の佳日に もうひとりのヴェーラ リューバおばさん 白を纏った謎の男 ドストエフスキイのショコラ 水上飛行機 大人の男 飢 餓 教授の妻の甥っ子 中庭に面した窓 美術収集家 何事もなく、誰もなく 一度も、そしていつも アフガニスタンの女の子 パ リ ハンドバッグ 四十聖人殉教者 石の心臓
ラスト1行に、あなたは絶望する! 地下アイドルと読モ。クラブカルチャーと援助交際。港区女子とギャラ飲み── 若さが消費される東京の光と闇を描いた群像劇サスペンス。 時代と街を超えて交錯する“彼女”の行方。紐解かれる衝撃の真実とは? 三つの時代、三つの街、三人の“彼女” 2009年・渋谷。ある日突然、姿を消した地下アイドルの友美。 1992年・池袋。援交の斡旋に関わる女子高生のなっつん。 2019年・西麻布。“ギャラ飲み”の胴元の正体を探る、港区女子の麻里奈。 華やかな表舞台の裏側には、腐敗した人脈と欲望が渦巻いていた。 そして、彼女はなぜ消えたのか? 時代を超えて交錯する物語は、衝撃の結末へとたどり着く。 プロローグ 登場人物 第一章 〜それぞれの夜、それぞれの真実〜 第二章 〜揺らめく幻影を追う者たち〜 第三章 〜交錯する時代、交錯する運命〜 エピローグ
愛が灯す、希望の光 母の死、海難事故、戦争、そして奴隷として売られる運命ーー 過酷な試練を乗り越え、真実の愛を見つけた4人の女性たちを描いた短編集。 1 悲劇の恋 2 二人は海を超えて 3 ケニーと騎士たち 4 中国の軍 あとがき
レールを外れた先にあった、俺の青春 煙草が充満したパチンコ店、古びた雀荘で響く牌の音、くだらない話と真剣なまなざし……。 あの日昭和の裏道で俺たちは必死に生きていた。 切なさと優しさが交じり合うピカレスク私小説。 はしがき プロローグ 回想ーー希望と挫折ーー パチプロデビューーーアウトローに生きる面々たちとの邂逅ーー スロッターへ転職ーー愉快な仲間たちとの交遊記ーー 闇バイト?--罪のルビコン川を渡ってーー 哀しき別離ーー秋風に吹かれてーー エピローグ
あなたの知らない『平家物語』がここにある 都に忽然と現れた漂泊の琵琶法師は、亡き平家一門の霊を慰めるために物語を語り始める。その語りは、華やかで勇壮な物語ばかりでなく、敗者たちの怒りと無念、そして彼らが本当に遺したかった声を掘り起こす。 第一章 創生の人々 第二章 鎌倉へ 第三章 武士の行方 源平の戦 第四章 干戈の響き 承久の乱の気配 最終章 灌頂の巻