2026年1月30日発売
ヴィオレットは家柄、容姿、教養のすべてを兼ね揃えた完璧な令嬢。高位魔術にも長けた彼女は、王国建国以来の才女だと評されるほどで、そんな彼女の婚約者は王太子のトリスタン。幼い頃は病弱で、気弱な性格だったが、ヴィオレットと共に過ごすうちに、逞しく立派になっていった。しかしある夜会にて、ヴィオレットはトリスタンの浮気現場を目撃してしまい、衝撃を受ける。こうなれば婚約破棄しかないと彼に詰め寄るヴィオレット。しかしトリスタンは浮気を否定し、「あれは自慰をしていたのだ」と言ってきた! あのような体勢で、自慰などできるのだろうか……。納得できないヴィオレットは一つの提案をする。「今ここで、自慰をしてくださいませんか?」ムーンライトノベルズの人気作品、大幅加筆して書籍化!
(本文より) 啓がようやく重たい口を開いて話し始めた。 「先生からお尋ねのあった『ブレイン・ウェーブ』の事なんだけど。 『脳波』って翻訳しちゃうと、当り前の事になってしまうでしょう。あの頭にいくつも丸い電極のパットをつけて測っているやつ。あれじゃないんです。 最初感じたのが頭への圧迫感や痛さだけだったから、脳だけの現象かと思ってブレイン・ウェーブと呼んでいたのです。 その後、頭への圧迫感が様々に変動したり、熱さを感じたりしたので、身体全体が関係する現象ではないかと思い、情動に伴って発生し伝わるものとしてエモーショナル・ウェーブ(EW)と呼ぶことにしているのです」
「この世界はおろか、 私の想像できるどの世界の道徳規範をも超越していた」 兄を探してほしいと、若い娘に依頼されたマーロウは、訪れる先々で死体と遭遇する。 やがて、ハリウッドの闇の渦中へ…。 複雑なプロット、緊迫した会話、そしてチャンドラーならではの結末。心の揺らぎが湧きあがる。 マーロウもの第五作目の長編を新訳でお届けします。 より具体的に作品を楽しんでもらうために、登場人物たちの邸宅の見取り図などの挿し絵が掲載されています。
第一次世界大戦終結の翌年、フランスの地方都市にある軍の営倉には戦争中に殊勲を立ててレジオン・ドヌール勲章を受けた元兵士が一人だけ収容されていている。その外の広場ではこの兵士の飼い犬がひっきりなしに吠え続けている。元兵士はある違法行為を犯しており、その予審のために訪れた軍判事が判決案を策定すべく、本人、その恋人、町の住民らから情報を集めていく過程で、その行為の詳細と理由、犬の果たした役割が明らかになる……。戦争と個人、人間と動物の関係を問う、ゴンクール賞受賞のベストセラー作家による中編小説。 赤い首輪 訳者あとがき
〈大広場〉(グレート・フィールド)と呼ばれるキャンプ場に訪れた語り手兼主人公「僕」を通して、そこに到着した様々な人々の出会いと事件を語った中編小説。入れ替わり立ち替わりやってくる諸集団に翻弄された「僕」を含むキャンプ場の住人たちの趨勢を描いた寓話的物語。 グレート・フィールド年代記 訳者あとがき
日本で自助グループは、どのように誕生し、広がったのか? 支援者・自助グループ関係者、必読の書。【新装版】で復刊です! 松村春繁は1958年、講演会で聞いた米国のAAの話に触発され、「断酒会」の立ち上げを宣言。壮絶な全国行脚によって各地に広げていきます。 「アル中患者は精神病院に隔離収容するしかない」と思われていた時代に、社会の偏見に対して立ち上がり、全国の医療者にも多大な影響を与えたパイオニアでもあります。 本書は偉人伝ではなく、酒に溺れて苦しんだ時代の生々しい描写に始まり、断酒会の発展に力を尽くしながらも、家族を傷つけた過去に生涯苦しんだ人間としての姿を描く伝記小説です。 その歴史的な意義や、文学的にも優れた作品であることから、復刊を望む関係者の声にお応えすることになりました。 なお、初版では「律子」の名で登場していた、松村の次女・久保田常子氏。今回の復刊にあたり、文中の名前を本名に変更するとともに、父への思いを綴る文章を寄せてくださいました。 第一章 アル中書記長 第二章 廃船 第三章 潮騒の町 第四章 懺悔録 第五章 断酒新生 第六章 妻たち 第七章 全断連 第八章 海辺の病院 第九章 全国行脚 第十章 嘘 第十一章 ある終焉 あとがき 解説ー小林哲夫について(なだいなだ) アルバム/年譜 復刊に寄せてー父・松村春繁のこと(久保田常子)