著者 : カミツキレイニー
“花咲く島国オズ”-その島では王家を名乗る“エメラルド家”と、それに反発する南部の貴族たちによって組織された“南部戦線”による激しい内戦が起きていた。銃器を求めてオズ島へと上陸したハルカリたち海賊団は“南部戦線”を指揮する魔女グリンダ・ポピーからの招待を受け、彼女と接触することになる。一方、ロロとテレサリサたちも“西の魔女”を仲間にするため、オズ島へとやって来ていた。エメラルド宮殿にて二代目オズ王と謁見を果たした一行だったが、“西の魔女”はすでに討伐され死亡しているという事実を聞かされる。
貧しい村エイドルホルンで、魔女災害が発生。4年前にこの村で捕らえられ処刑された“お菓子の魔女”が復活したのだという。その真偽を調査すべく王国アメリアより4人の異端尋問官と、その冒険譚を記録するため宮廷詩人が派遣される。だが村ではすでに、魔女集めを行っているという“キャンパスフェローの猟犬”と、“鏡の魔女”と思しき人物の姿が目撃されていた。宮廷詩人のリオは見習い異端尋問官のエイミーと共に、村人たちの証言から独自に“お菓子の魔女”の真実に迫っていく。そして一行は、魔女が潜む森へと足を踏み入れるが…。
テレサリサとファンネルは、女騎士ヴィクトリアと共に船で大陸を南下していた。一行が向かうのは大陸最南端の“港町サウロ”。そこには、死にかけた男を蘇らせたという“海の魔女”の逸話があった。彼女なら瀕死の状態のまま凍結させたロロを復活させられるかもしれない。だが、“海の魔女”ブルハは、イナテラ海で名を馳せる海賊の一人だ。海を行き来する貿易商人や探検家たちにとって彼女はまさに海の厄災。話が通じるかどうかもわからない相手だった…。その頃、王国アメリアでは“鏡の魔女”たちの動向を受け、九使徒が行動を開始していた。
日本製宇宙ステーション「あんしん」。地球への移住のため、ステーションでリハビリを行っていた月生まれの少年・登矢と、その幼馴染・心葉は、初めての宇宙旅行に地球からやってきた子供、大洋、美衣奈、博士とともに、ステーションと彗星の衝突事故に巻き込まれてしまう。大人たちとはぐれ、ネットが切断された閉鎖空間。そのなかで子供たちはときに反発し、ときに助け合いながら、減圧、EVE(宇宙遊泳)、マイクロマシンの暴走と様々な困難に立ち向かう。『電脳コイル』から15年ー。磯光雄監督の新作アニメーションを完全ノベライズ。
ようやく大人たちと合流を試みる子供たち。しかし事故の全貌を知り呆然とする。商業彗星が破片を撒き散らしながら地球や「あんしん」に衝突しようとしていたのだ。それは殺処分されたはずのAI「セブン」の計画の一部だった…!セブンの復活を恐れるUN2.1からも攻撃目標と定められた子供たちは、ダッキー、ブライトと協力し、彗星と接続を試みるが、その最中で心葉のインプラントの寿命が迫る…!はたして登矢は彗星の落下を食い止め、心葉を助けることができるのか。子供たちの「未来」の行方はー。
“鏡の魔女”テレサリサと共にレーヴェを脱出したロロは、魔力の影響で眠り続けるデリリウムを連れてキャンパスフェローへと帰還する。だが、王国アメリアによって陥落された故郷は、流血と破壊に蹂躙され見る影もなかった。城から逃げ延びた者たちと合流したロロは、彼らと“北の国”へ向かう。そこには、バドが生前に同盟を結んだ雪王ホーリオが治める集落がある。きっと助けになってくれるはずとの目算からだ。そして“北の国”には、バドに託された集めるべき魔女の情報の中にあった、氷の城に住むという“雪の魔女”がいた…。
魔術師たちを独占し超常の力をもって領土を拡大する王国アメリア。その脅威に曝された小国キャンパスフェローの領主バドは、前代未聞の奇策に出る。それは、大陸に散らばる凶悪な魔女たちを集めて対抗するというものだったー。機を同じくして、隣国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。バドは魔女の身柄を譲り受けるべく、従者を連れてレーヴェへと発つ。その中にロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、暗殺者として育てられた少年だった…。誰も見たことのない壮大で凶悪なダークファンタジーが幕を開ける。
俺、辰巳千樫は、クラスメートの市ヶ谷すずが好きだ。ラブコメに憧れる、引っ込み思案な不思議系女子。そんなかわいい彼女との、待ちに待ったデート当日ーこの関係は始まった。突然ビルは崩れ、降り注ぐ銃弾の中で、無傷のままの少女。「…怖がらせてごめんね。私は、異能兵器だよ」すずを狙ったテロに巻き込まれ死んだ俺は、復興庁終末局によって生き返り、“異能兵器”が願う“ラブコメのような学園生活”を演出する“お友だち係”に任命され!?たとえ何度死んでも、世界を敵に回してもー大好きなこの子とデートする。新世代学園アクションラブコメ、開幕!!
「人間の上でもなく、下でもなく。私たちのすぐそばにいるもの。それが沖縄の神々さ」怪異を祓うため神々の住む島・白結木島を訪れた春秋の前に現れたのは、地元の少女、空。天真爛漫で島想い、どこまでもフリーダムな彼女に呆れる春秋だったが、空は神様との縁を切ることで怪異を祓う“花人”の後継者ー春秋が島を訪れた理由そのものだった。未熟ながらも、島の人々とともに怪異解決に挑む少年少女の、沖縄青春ファンタジー!
大事にしていたウミネコのサキちゃんに逃げられ、傷心のラティメリア。七日とのやりとりもすれ違っていく。一方で、“六花のマガツカミ”を巡るプロジェクトは最終局面を迎えようとしていた。祈祷士協会解散を目論むGHQと、「最後の切り札」を楯に祈祷士たちを利用し、自らの悲願を遂げようとする紙燭龍之介。すべての六花のマガツカミを集め、龍之介が成し遂げようとしていたことは、過去に囚われたおぞましい計画だったー。七日とラティメリア、そして六花のマガツカミの戦いは終結するのか。シリーズここに完結!!
高級蒸気機関車カムパネルラに乗り込んだ古川七日とラティメリア。浮き世離れした煌びやかさとは裏腹に、実はこの列車、祈祷士協会によって捕獲された“六花のマガツカミ”の一人、掴み神を秘密裏に移送する用途でカモフラージュされたものだった。掴み神ヘリアンサスを斬るために列車や潜入した七日は、かつて戦場でともに戦った六花隊の一人と再会する。“妖刀使い”獅童巳月ー彼は移送を監督する看守長となっていた…。マガツカミを殺す者と護る者たちが繰り広げる熾烈な攻防戦!それぞれの思惑を乗せて列車は走り続ける。
戦時中ともに戦った女祈祷士の大坂雪生から仕事の依頼を受けた古川七日は、とある地方の夏祭りに訪れていた。七日との再会を喜ぶ雪生だったが、初めて見るラティメリアの容姿に驚愕するー「六花さんにそっくり…」。戦場において二人は、七日の姉・六花を中心に編成された祈祷士部隊に属していたのだった。そんな折、古くから生き長らえる強大なマガツカミ・轢き神が暴走を始める。その背後には“六花のマガツカミ”の影があったー。明らかになってゆく七日の過去。その後の彼の運命を決定づけた戦場で起きたある悲劇とは?
夏の猛暑のさなか、行方不明となっていた少年が凍った死体となって発見された。警察は事件の異常性から“マガツカミ”によるものと判断した…。古来よりこの国には人間に害を偽す禍々しい神々“マガツカミ”が存在する。そして、それらを討伐する特殊な力を持った者たちを“祈祷士”と呼んだ。天才的な資質を持ちながらも祈祷士としての道を捨てた男・古川七日と、可愛らしくも残酷な“喰い神”の少女ラティメリア。人間とマガツカミという許されざる異種間のコンビが、禍々しい神々を葬っていくダークファンタジー。
『金の卵を産むガチョウ』の読み手・萩原きいろを確保した兼亮たちだったが、“絵本”をばら撒いた元凶である“先生”が彼女の奪還に現れたことで事態は急転、直接対決へー。だが、幻覚を使う『ハーメルンの笛吹き男』の能力は圧倒的だった。村瀬一郎は戦闘不能となり、兼亮は『赤ずきん』のオオカミに取り憑かれるという壊滅的状況に。そして、一郎の壊されてしまった能力を目にした月夜は、“絵本”の作り手のひとり“エディター”の存在に思い至る…。最悪な結末が描かれた“絵本”と、その悪役たちの物語、ついて最終章!
『不思議の国のアリス』の読み手、如月シェリーを捕獲した月夜たちは、彼女を村瀬一郎の自宅へと連行する。しかし彼女を狙っていたのは、月夜たちだけではなかった。『天女の羽衣』の読み手、夏苅小雨による襲撃。また、新たな絵本回収者である作り手の一人“イラストレーター”の登場。村瀬家を舞台とした三つ巴の戦いの末、月夜たちは、戦力の要である一郎が敵側に寝返るという危機的局面を迎えていた…。謎多き男・村瀬一郎と、彼が捜し続ける絵本『桃太郎』。その因果関係が明らかになるとき、新たな悲劇の幕が上がる。
放課後の校舎に突如響き渡る女生徒の悲鳴。文芸部部室にいた兼亮と千鳥が駆けつけると、その女生徒の顔にはガラスを割ったような無数の亀裂が走っていた。これは明らかに“ワーストエンド”による攻撃。正体不明の読み手から出題される“注文”をこなしながら、追撃を開始した兼亮たちだったが、時を同じくして、凶悪な“フック船長”の能力を持つ『ピーター・パン』の読み手までもが動き出す…。学校内で暗躍する新たな読み手たちと、事件の黒幕“先生”の影。そしてついに、兼亮たちは月夜の過去と、“絵本”誕生の秘密を知ることになる。
「それは憂鬱な結末が描かれた、決して読んではいけない残酷な絵本なんだよ」『赤ずきん』の嘘つきオオカミ、『白雪姫』のいじわる王妃、『青髭』の殺人男爵、彼ら悪役たちは“絵本”を所有した人間に取り憑き、その醜い欲望を剥きだしにするー。消えた親友、女子中学生の連続失踪と、高校生・笠木兼亮の周囲で相次ぐ異変。そして、登校中に発生したバスジャックの最中、彼は“絵本”を回収しているという蒼い目の少女・帯刀月夜と出会う…。悪役に借り受けた異能力を使い罪を犯す者と、それを阻止する者たちとの壮絶な戦いの幕が上がる。
彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して屋上へ向かう。けれどそこで「カカシ」と名乗る不思議な少女、毒舌の「ブリキ」、ニコニコ顔の「ライオン」と出会う。ライオンは言う。「どうせ死ぬなら、復讐してからにしませんか?」そうして私は「ドロシー」になった。西の悪い魔女を殺すことと引き替えに、願いを叶える『オズの魔法使い』のキャラクターに。広い空の下、屋上にしか居場所のない私たちは、自分に欠けているものを手に入れる。第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。心に残る、青春ジュブナイル。