2023年12月15日発売
小説家の陽平と会社員の和樹は一緒に暮らす恋人同士。ある日、陽平が大量の空豆を買ってくる。あきれる和樹を前に陽平は空豆を使い十の料理を作り始める。料理上手な陽平が指示して和樹が手伝い完成した料理は、まさに“口福”の味。陽平は他の食材でも十品作って小説に書くと言い出してーー。 空豆と豚のトマト煮、鯛皮の湯引きポン酢、山葵のマッシュポテト、とうもろこしのかき揚げ。一つの食材から生まれた十の絶品レシピが、二人の日常を彩る。江戸時代の料理集『百珍物』から着想を得た、幸せでおいしい短編集。 第一章 空豆 第二章 鯛 ある日の二人 第三章 じゃがいも 第四章 とうもろこし はじまりのはじまり
少年、雛が目を覚ますと、川岸に倒れていた。自分は誰か? どうしてここに? 記憶をたどるもはっきりと思い出せない。当て所なく彷徨ううちに、奇妙な二人の男に出会う。人形の体を持つ無感動な形代と、彼に付き添う慇懃無礼な継喪。彼らによると、ここは生と死の間“黄泉平良坂”。そして彼らは彷徨う魂の行き先を導く“骨組堂”の住人だという。 雛は欠けた記憶を探すため、彼らの仕事を手伝うことに。しかし魂の未練を接ぐ骨組堂での生活は、やがて形代と継喪が抱える咎へと連なっていくことになりーー。 目次 1 2 3 4 エピローグ
★≡≡≡★ あらすじ ★≡≡≡★ 僕、ダックスフントの"フンフン"。 春。わくわくの新しい季節。藍(あい)ちゃんもついに大学生……ってどうしたの藍ちゃん、なんか毛皮が爆発してるよ!! 片想いの相手、鴨井(かもい)から動物園に行こうと誘いを受けた藍。これってデート? はりきってパーマをかけてイメチェンを狙ったはいいが、失敗してボンバーヘッドになった藍。落ち込む藍に、心晴が知り合いの美容師を紹介してくれた。彼女は鴨井の実の妹、燿里(かがり)だった。 藍は燿里から、鴨井家ではいまだにキャロルの死についてわだかまりがあることを聞く。鴨井が家族の猫だったキャロルを連れて就職してしまった上、ひとりで死なせてしまったことを下の妹、陽咲(ひさき)が怒っているというのだ。 キャロルの死の遠因である藍は動揺する。この関係、本当に進んでいいの……? あと一歩が踏み込めない、両片想いの二人に本物の春は来るのか? ★≡≡≡★登場人物紹介★≡≡≡★ ★三隅藍(みすみあい) …… 朗らかで素直な女子高校生。フンフンの飼い主。鴨井と動物病院で出会いお友達になる。受験勉強に苦戦中。 ★鴨井心晴(かもいこはる) …… 20代の穏やかな好青年。藍のことが気になっている。子猫様のお世話に奮闘中。 ★フンフン …… エクレアみたいな色をした、五歳のミニチュアダックスフント。飼い主の藍のことが大好き。 ★プー子(プンプリプイッコ)……鴨井が保護した白黒ブチの子猫。フィンランド語で『綿棒』という意味の名前をもらったけれど、みんなからは「プー子」と呼ばれている。 ★キャロル……白くて長毛な、鴨井が長年かわいがっていた猫。気位の高い姫君。 ひとつめのお話 鴨井さん家の七年前 ふたつめのお話 お友達から卒業するなら みっつめのお話 昔、うちにいた白い猫 よっつめのお話 両片想いの『片』の字取って おまけのお話 鴨井さん家の十年後 あとがき