2024年7月3日発売
昭和の終わりの足音が聞こえる中、東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若きヒラ医局員・渡海征司郎を大抜擢した。彼は周囲の医局員の反感を買いながらも次々に高度な手術を成功させる。やがてオランダでの国際学会に教授の名代として送り出された渡海は、その地で新たな因縁と巡り会う。そして帰国後、ある患者のカルテに不審を抱いた彼は、佐伯外科の深い闇へ足を踏み入れていく…。『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』、そしてその後の「桜宮サーガ」のすべてはここから始まった!メディカル・エンターテインメントの最高到達点!
駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件ー遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者とされた男には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。奔走する志鶴に立ちはだかるのは、起訴有罪率99.9パーセントという現実だった。共同弁護を務める先輩すら有罪前提の弁護方針を説き始めるなか、依頼人を救い出すことはできるのかー?
都会の喧騒を離れ、アイダホ州の美しい田舎に家と牧場を買ったブレイクモア夫妻。二人が引っ越してしばらくのち、隣人であるダンが忠告にやってくる。この土地には「山の精霊」が住み着いており、季節ごとに住人を悩ませるため、必ず“精霊よけ”のルールに従ってほしいというのだ。最初に現れた春の精霊は不気味な光となって飛び回る程度だったが、季節が進むにつれて精霊たちは実体をもって夫婦に襲いかかるようになる。精霊を封じようとした二人はその怒りにふれてしまい、凄惨な復讐劇を招くこととなるが…
平行世界から、やっとの思いで元の世界へ帰還した転生令嬢カレン。皇帝ライナルトとの新婚生活を満喫していたのも束の間、今度はライナルトに異変が!?カレンは意識のない彼に代わり、皇帝代理として立つことに。皇帝不在の裏には世界の変革の兆しが…書籍特典として書き下ろし短篇×2本収録。
恋する相手のデータをひそかに蓄積する秘書がたどりついた結末をユーモラスに語る「USBメモリの恋人」、人間の負の感情の撤去を生業とする青年の日々を絢爛たる筆致で描く「雲を運ぶ」、先端技術を敬遠する母と反発する娘を描く「2042」。伊格言、湖南蟲、黄麗群など第一線で活躍する台湾人作家による傑作近未来文芸8篇を収録したアンソロジー。
「人間様は神様に気に入られ、いろいろなことを教わり、いろいろなことが出来るようになったんだよね?それで、この星で一番偉い生き物様になったんでしょう?ワタッチたち犬も、人間様にかわいがられ、いろいろなことを教わり、偉い生き物様になりたいさ。でも、仲間を殺す道具はいらないさ」
高1の紗季は、通学中の電車内で、同じ高校の男子生徒が発作を起こした子供を助ける姿を目撃する。彼は周囲との交流を一切絶っているクラスの嫌われ者・孝士だった。意外に思うと同時に興味が湧き、接近を試みた紗季は、彼の不器用な優しさに触れ心惹かれていく。しかし意を決して恋心を告げた夏祭りで「お前を人殺しにしたくない」と言われー?恋が命を蝕む病が存在する世界で、ひたむきに想い合うふたりを描く恋愛小説。